望み

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店
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レビュー : 214
  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041039885

感想・レビュー・書評

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  •  親として、辛いですね。

     生きていて欲しいが、罪を犯していないと信じたい。加害者の家族か、被害者の家族か、どちらにしても救いのない話です。

     とても重い話ですが、引き込まれます。

  • 殺人事件に子供がかかわった家族の葛藤を描く社会派小説。

    犯罪者として生きているのか、被害者として死んでいるのか、どちらかの究極の覚悟を決めようとする両親の葛藤の苦しさが子を持つ親として犇々と伝わりました。
    母親の気持ち、父親の気持ち、妹の気持ち、どれも間違ってはいないと思いますし、そう思うしかない臨場感が苦しかったです。
    ストリーテラーなだけに家族の気持ちのぶれが生じるように一転二転させて読者も閉塞感に陥らせず飽きさせないのはさすがです。
    しかしながら、どちらかの究極の結末には至るわけですが、家族としては救われたのが作者の良心(優しさ)と思います。

  • 自分の家族が行方不明になり
    関連していると思う殺人事件が起きる。
    加害者なのか被害者なのか分からず
    ネットで色んな憶測が飛び交う中
    加害者のわけがないと信じるか?
    でもそれは死を意味すること…。
    加害者としてでも生きていて欲しいか?
    どちらにしても不幸で
    事件とは無縁に普通に生きられることのありがたさを思う。

  • 少年犯罪、犯人とされた少年の余りにも悲しい人生の最後、加害者家族の苦しい胸の内、人を殺しても生きていてほしいのか殺されてしまったほうが良いのか、それで望み通りのこととなるのか、殺された少年の身内、友人、加害者とその家族が果たしてどういう気持ちになるのか、追うマスコミへの対応、ネットの掲示板や情報に嘘か真実か錯綜し、翻弄されたり、様々な思いが交錯しその狭間で苦しんでしまう気持ちなど、様々なことを考えさせられた。被害者家族、加害者家族の苦しい思い、潔白を証明したい思い、命の重さも感じられる。

  • 本を読んで久しぶりに泣いたぞ。

    「生きていてほしい」から加害者でもいい、と思う気持ち。
    「息子を信じる」からこそ被害者になっている、と思う気持ち。

    どちらも否定できないよ、親として。
    辛すぎる、親として。

  • 殺人事件が起こり、自分の息子がそのグループに関わっている事がわかった家族の葛藤。
    息子は加害者なのか、被害者なのか。

    自分の立場、家族のこれからを考え、息子が被害者であることを望む父親。
    加害者であろうとも生きていてくれることを望む母親。
    自分の未来のために、兄が加害者であっては困る妹。

    父と母の気持ちを交互に描く展開のため、結果に至るまでには助長気味ではありましたが、終わりが来るのは正直怖かったです。

    生きていて欲しいけれども自分の子供は信じたい。
    だからこそ、加害者なんだと信じこもうとしている母親が辛かった。
    どちらの立場も有り得ることだし、真実にたどり着くまでの時間こそがこの物語のキモだと思いますが、キツイです。

    高一の子が、夜帰宅しないことを、もう少し気に留めていたら、違った展開になったかもしれないのでは、と、これは物語のテーマにはそわない意見ですが、その時期を無事終えた親としては思わずにはいられません。

  • 被害者なのか加害者なのか。 鋭い視点のストーリー。 人間って結局自分が一番大事なのよね。 ある意味考えさせられた。

  • 親として身につまされる。ただ、自分が子どもの立場だったら、信じて欲しいと思う。
    事件の報道を目にするたびに思うのは、無関係の人たちの「義憤」もどきの八つ当たりの醜さ。それがないだけでずいぶん生きやすい世の中だろうに。自分も犯罪者になっていることを自覚させるべきだろう。

  • 殺人を犯し逃走した少年グループに、自分の息子が加わっていた。行方不明の少年の中に被害者がもう一人いるという。息子は殺人犯なのか、それとも被害者として死んでいるのか…。二つの運命に翻弄される家族の物語です。どちらに転んでも不幸しかない未来に、父は息子の矜持と家族の将来の為に正義を信じ、母はどんな苦労をしようとも息子の生存だけを祈りました。どちらが間違いでもなく、二つに分かれた両親の想いはそのまま息子への愛情だったのだと思います。私は第三の結末を祈りながら読みました。苦い後味です。

  • 自分の子供の生を願うか、無実を願うか、今一つ感情移入できずにいたが、真相が判明してからの展開は身につまされる。

    翻弄された親に犯人を憎む気持ちがないというのは普通なら違和感があるだろうが、本書の結末には説得力がある。

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著者プロフィール

雫井 脩介(しずくい しゅうすけ)
1968年、愛知県生まれの小説家・推理作家。専修大学文学部卒業後ひとたびは就職。出版社などを経て、1999年内流悠人(ないる ゆうと)という筆名で応募した『栄光一途』が第4回新潮ミステリー倶楽部賞を受賞し、2000年同作でデビューする。
2004年『犯人に告ぐ』が、2004年版「 週刊文春ミステリーベスト10」で第1位、2005年版「このミステリーがすごい!」で第8位、第26回吉川英治文学新人賞の候補として選ばれ、第7回大藪春彦賞を受賞。豊川悦司主演にて映画化・ドラマ化。代表作となる。
2006年に恋愛小説『クローズド・ノート』を発表し、沢尻エリカ主演で映画化。2013年刊行の『検察側の罪人』は2013年度「週刊文春ミステリーベスト10」4位など評価を受け、2018年8月24日木村拓哉・二宮和也共演で映画化。

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