ひとり吹奏楽部 ハルチカ番外篇 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 356
レビュー : 62
  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041040003

作品紹介・あらすじ

〈ハルチカ〉シリーズ番外篇が文庫書き下ろしで登場!
捨て犬をめぐり後藤朱里とカイユが奮闘する「ポチ犯科帳」。芹澤直子と片桐が駄菓子屋でお婆さんの消失に遭遇する「風変わりな再会の集い」。謎のアルバイトをしている名越をマレンが危惧する「巡るピクトグラム」。そして副部長になった成島美代子がかつての吹奏楽部の活動日誌に思いを馳せる「ひとり吹奏楽部」。運命的に集まった、個性豊かな吹奏楽部メンバーたちの知られざる青春と謎を描く、贅沢な番外篇!

感想・レビュー・書評

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  • 今回は〈ファイター〉チカちゃんと〈シンカー〉ハルタコンビはお休みです。他の南高吹奏楽部の主要メンバーたち(+名越演劇部部長+???さん)がペアになって、ちょっとした日常の謎解きをしながら、一途に部活にかける青春をそれぞれ振り返ってます。
    みんな個性が強いですよね。このメンバーをまとめるマレンくんはさすがの〈コネクター〉です。
    トップバッター〈ビリーバー〉のカイユくんと後藤さんのお話も捨てがたいですが、今回のわたしの一番は〈リアリスト〉成島さんのお話でした。副部長としてマレンくんと部を支える成島さんは草壁先生がいつまでもここにいちゃいけない人だと分かってます。そして、優秀な指導者が去ってしまった後の吹奏楽部がどんな運命を辿るかも見てきました。そんな不安に過去の活動日誌の中になにか答えになるものがあるかもしれないと日誌を遡っていくうちに、ある言葉が書かれたページを見つけます。2006年度。たったひとりぼっちになって、音楽室を出ていくことになった部員、望月さん。その先輩の書いた文章に彼女は希望を見いだします。結果を言えば、残念ながら今の段階では望月さんに会うことは叶えられませんでした。それでも、今の彼女と吹奏楽部にとって最強の4人そして自分がいることで、何があっても吹奏楽部が失くなってしまうことはないと勇気づけられました。その4人とは誰だか分かりますよね……?
    いつか、望月さんに会えたらいいですよね。もしかしたら、それは近々叶うかもしれません。教頭先生から手渡された望月さんの愛読書であった一冊の本。その本が導くのは、仲良くなりたいのに距離感を感じさせる部員へと繋がっているようではありませんか。これはまた楽しみな出来事になりそうです。

  •  「退出ゲーム」などハルチカシリーズの登場人物それぞれの番外編。短編が4編と、「退出ゲーム」のときの没ネタを見つけてしまった掌編1編。

     ハルチカシリーズを読んでいること前提に書かれているとは思います。本編で書かれている清水南高校の吹奏楽部の状況や、それぞれの人物の性格などが番外編でもそのまま表れています。
     まあ、これまでのシリーズを知らずに初めて読んだときでも、軽快なテンポであっという間に読めると思います。

     それぞれがちょっとした謎解き風味。面白かったです。

  • ハルもチカもほとんど登場せず、吹奏楽部の主要メンバーの周辺で起こる出来事、それぞれなかなか面白かったし、次に繋がりそうな伏線もひかれたようだ。だがなんで文庫本でしか出ないのだ、やはりラノベ扱いなのだろうか、それに装丁がイラストは別としてあまり凝ってなく本屋に縦に並べてあるといかにも地味だ、出版社が力を入れてないのだろうか、この前の映画もひどい出来だったし、ちょっと著者が気の毒だ。まだまだ続編が出そうだが、普門館に出場するまであと何作待たねばならないのだろうか。

  • 猪突猛進タイプのチカと、冷静沈着だけどどこかとぼけたハルタの名コンビが日常の謎を解き明かしつつ、吹奏楽部の活動に邁進するハルチカシリーズのスピンオフ。
    主役のふたりは登場せず、吹奏楽部のその他の個性的な面々のあほらしくも奇妙な短編が詰められている。
    ハルチカシリーズを知らないと何がなにやらな感じだろうけれど、本編が好きな人間にはちょっと嬉しいおやつのような存在だ。

  • ついに発売されたハルチカシリーズの番外篇。
    2016年春頃から待ち続けていたので、発売は素直に嬉しい。映画化万歳。

    ▼収録作品
    「ポチ犯科帳」―檜山界雄×後藤朱里―
    「風変わりな再会の集い」―芹澤直子×片桐圭介―
    掌編「穂村千夏は戯曲の没ネタを回収する」
    「巡るピクトグラム」―マレン・セイ×名越俊也―
    「ひとり吹奏楽部」―成島美代子×???―

    番外篇なので、ハルタとチカ(+草壁先生)はたびたび名前が出る程度。だけど、吹奏楽部のメンバーにとっていかに彼らの存在が大きいかが改めてわかる。

    ハルチカ以外のメンバーでは、マレンとカイユがお気に入りだから、二人が主役の話が読めて良かった。

    後藤さんは面白い子だなあ。弟も素直でかわいいし。

    片桐(元)部長は、あのメンバーをまとめてただけあって器がでかい。
    「スプリングラフィ」(※『初恋ソムリエ』収録)でのエピソードがここで生きてくるとは。さすが。
    片桐妹が何も知らずに南高吹奏楽部に入部したらどうなることやら。楽しみが一つ増えましたよ。
    そして片桐(元)部長を探す芹澤さんがかわいかった。

    名越も本当にブレないね。そこが彼のいいところでもあるけど。

    成島さんの話は表題作になっているだけあって、やはりじんとくる。

    まず、成島さんの中学時代の師の教えがいい。
    成島さん同様、心があっての身体だとばかり思っていたけど、おかげで考え方が変わった。

    かつて南高の吹奏楽部に在籍し、活動休止に追い込まれた望月さん。
    彼は部の活動日誌で、困難や逆境を乗り越えられるひとを五つのタイプに分けた。
    ファイター、シンカー、ビリーバー、コネクター、リアリスト。
    この五人がそろえば、優秀な指導者が去ろうと部員が減ろうと、なんとか持ちこたえることができるというのだ。

    それからいくつもの時間が流れ、今、南高の吹奏楽部にはこの五人が集っている。
    望月さんが日誌の最後に書いた願いは、現実になったのだ。そしてそれは紛れもない奇跡なのだな、と目頭が熱くなる。

    成島さんが会いたいと願う人は、近くにいるのになあ。それがすごくもどかしい。
    いつか芹澤さんとの壁が取っ払われて、先生を紹介してもらえる日が来ることを願う。


    ブクログさんの献本企画にて頂きました。素敵な本との出合いに感謝。

  • 2018/8 11冊目(2018年通算124冊目)。番外編の短編集。芹澤さんと元部長の話と最後の成島さんの話がいい。芹澤さんと元部長、「いつかは決着をつけなければいけないな」って、どんな関係なんだよと読んでいて吹き出してしまった。ベルマークのシステムは「ふーん、なるほど」と思った。これで一応今出ているシリーズは読みつくした。面白かったシリーズなので、続刊が出たらいち早く読んでいきたいと思う。感想はこんなところです。

  • ハルチカ以外の登場人物にフォーカスをあてた短編集。
    元部長、すげえ。

  •  連作青春ミステリ短編集「ハルチカ」シリーズの脇役視点による番外編。番外編なので日常ミステリとしても青春小説としても本編よりライトな内容だが、先の展開の伏線や本編では描きにくい脇キャラの掘り下げが本編の世界観構築を強化する機能を果たしている。今回印象に残ったのは、表題作の中での5つの人物類型「ファイター」「シンカー」「ビリーバー」「コネクター」「リアリスト」のくだり。元ネタがあるのか著者のオリジナルなのか不明だが、物語論としても組織論・運動論としても興味深かった。

  • ハルチカシリーズ番外編。

    アカリ×カイユが解決する、犬が急に飼主に向かって吠え出したのはなぜか、

    芹澤×片桐 一万円を渡した駄菓子屋のお婆ちゃんはどこへ行ったのか。

    マレン×名越 逆上がり教室で子どもから聞いた「名越さんにカネを巻き上げられる」のはなぜなのか。

    成島×??? 2006年に吹奏楽部の廃部危機を救った部員の想いを活動日誌で知った成島は・・・。

    いつものハルチカ以外の部員の心を知ることができる短編集。最後の話を読み終わった時、読者しかしらない吹奏楽部をめぐる人の縁の深さに驚きます。教頭先生が話すように「世界は広いようで狭い。いつ、どこで会えるかわからない。」余韻が残ります。

  • 今後のキーマンの影がちらほら。

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著者プロフィール

1973年静岡県生まれ。法政大学卒業。2002年『水の時計』で第22回横溝正史ミステリ大賞を受賞しデビュー。著書に『1/2の騎士』『退出ゲーム』がある。

「2017年 『ハルチカ 初恋ソムリエ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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