ひとり吹奏楽部 ハルチカ番外篇 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 465
レビュー : 74
  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041040003

作品紹介・あらすじ

〈ハルチカ〉シリーズ番外篇が文庫書き下ろしで登場!
捨て犬をめぐり後藤朱里とカイユが奮闘する「ポチ犯科帳」。芹澤直子と片桐が駄菓子屋でお婆さんの消失に遭遇する「風変わりな再会の集い」。謎のアルバイトをしている名越をマレンが危惧する「巡るピクトグラム」。そして副部長になった成島美代子がかつての吹奏楽部の活動日誌に思いを馳せる「ひとり吹奏楽部」。運命的に集まった、個性豊かな吹奏楽部メンバーたちの知られざる青春と謎を描く、贅沢な番外篇!

感想・レビュー・書評

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  • 今回は〈ファイター〉チカちゃんと〈シンカー〉ハルタコンビはお休みです。他の南高吹奏楽部の主要メンバーたち(+名越演劇部部長+???さん)がペアになって、ちょっとした日常の謎解きをしながら、一途に部活にかける青春をそれぞれ振り返ってます。
    みんな個性が強いですよね。このメンバーをまとめるマレンくんはさすがの〈コネクター〉です。
    トップバッター〈ビリーバー〉のカイユくんと後藤さんのお話も捨てがたいですが、今回のわたしの一番は〈リアリスト〉成島さんのお話でした。副部長としてマレンくんと部を支える成島さんは草壁先生がいつまでもここにいちゃいけない人だと分かってます。そして、優秀な指導者が去ってしまった後の吹奏楽部がどんな運命を辿るかも見てきました。そんな不安に過去の活動日誌の中になにか答えになるものがあるかもしれないと日誌を遡っていくうちに、ある言葉が書かれたページを見つけます。2006年度。たったひとりぼっちになって、音楽室を出ていくことになった部員、望月さん。その先輩の書いた文章に彼女は希望を見いだします。結果を言えば、残念ながら今の段階では望月さんに会うことは叶えられませんでした。それでも、今の彼女と吹奏楽部にとって最強の4人そして自分がいることで、何があっても吹奏楽部が失くなってしまうことはないと勇気づけられました。その4人とは誰だか分かりますよね……?
    いつか、望月さんに会えたらいいですよね。もしかしたら、それは近々叶うかもしれません。教頭先生から手渡された望月さんの愛読書であった一冊の本。その本が導くのは、仲良くなりたいのに距離感を感じさせる部員へと繋がっているようではありませんか。これはまた楽しみな出来事になりそうです。

  •  「退出ゲーム」などハルチカシリーズの登場人物それぞれの番外編。短編が4編と、「退出ゲーム」のときの没ネタを見つけてしまった掌編1編。

     ハルチカシリーズを読んでいること前提に書かれているとは思います。本編で書かれている清水南高校の吹奏楽部の状況や、それぞれの人物の性格などが番外編でもそのまま表れています。
     まあ、これまでのシリーズを知らずに初めて読んだときでも、軽快なテンポであっという間に読めると思います。

     それぞれがちょっとした謎解き風味。面白かったです。

  • ハルもチカもほとんど登場せず、吹奏楽部の主要メンバーの周辺で起こる出来事、それぞれなかなか面白かったし、次に繋がりそうな伏線もひかれたようだ。だがなんで文庫本でしか出ないのだ、やはりラノベ扱いなのだろうか、それに装丁がイラストは別としてあまり凝ってなく本屋に縦に並べてあるといかにも地味だ、出版社が力を入れてないのだろうか、この前の映画もひどい出来だったし、ちょっと著者が気の毒だ。まだまだ続編が出そうだが、普門館に出場するまであと何作待たねばならないのだろうか。

  • 猪突猛進タイプのチカと、冷静沈着だけどどこかとぼけたハルタの名コンビが日常の謎を解き明かしつつ、吹奏楽部の活動に邁進するハルチカシリーズのスピンオフ。
    主役のふたりは登場せず、吹奏楽部のその他の個性的な面々のあほらしくも奇妙な短編が詰められている。
    ハルチカシリーズを知らないと何がなにやらな感じだろうけれど、本編が好きな人間にはちょっと嬉しいおやつのような存在だ。

  • ついに発売されたハルチカシリーズの番外篇。
    2016年春頃から待ち続けていたので、発売は素直に嬉しい。映画化万歳。

    ▼収録作品
    「ポチ犯科帳」―檜山界雄×後藤朱里―
    「風変わりな再会の集い」―芹澤直子×片桐圭介―
    掌編「穂村千夏は戯曲の没ネタを回収する」
    「巡るピクトグラム」―マレン・セイ×名越俊也―
    「ひとり吹奏楽部」―成島美代子×???―

    番外篇なので、ハルタとチカ(+草壁先生)はたびたび名前が出る程度。だけど、吹奏楽部のメンバーにとっていかに彼らの存在が大きいかが改めてわかる。

    ハルチカ以外のメンバーでは、マレンとカイユがお気に入りだから、二人が主役の話が読めて良かった。

    後藤さんは面白い子だなあ。弟も素直でかわいいし。

    片桐(元)部長は、あのメンバーをまとめてただけあって器がでかい。
    「スプリングラフィ」(※『初恋ソムリエ』収録)でのエピソードがここで生きてくるとは。さすが。
    片桐妹が何も知らずに南高吹奏楽部に入部したらどうなることやら。楽しみが一つ増えたよ。
    そして片桐(元)部長を探す芹澤さんがかわいかった。

    名越も本当にブレないね。そこが彼のいいところでもあるけど。

    成島さんの話は表題作になっているだけあって、やはりじんとくる。

    まず、成島さんの中学時代の師の教えがいい。
    成島さん同様、心があっての身体だとばかり思っていたけど、おかげで考え方が変わった。

    かつて南高の吹奏楽部に在籍し、活動休止に追い込まれた望月さん。
    彼は部の活動日誌で、困難や逆境を乗り越えられるひとを五つのタイプに分けた。
    ファイター、シンカー、ビリーバー、コネクター、リアリスト。
    この五人がそろえば、優秀な指導者が去ろうと部員が減ろうと、なんとか持ちこたえることができるというのだ。

    それからいくつもの時間が流れ、今、南高の吹奏楽部にはこの五人が集っている。
    望月さんが日誌の最後に書いた願いは、現実になったのだ。そしてそれは紛れもない奇跡なのだな、と目頭が熱くなる。

    成島さんが会いたいと願う人は、近くにいるのになあ。それがすごくもどかしい。
    いつか芹澤さんとの壁が取っ払われて、先生を紹介してもらえる日が来ることを願う。


    ブクログさんの献本企画にて頂きました。素敵な本との出合いに感謝。

  • ハルチカシリーズ番外編。今回は豊かな名脇役たちでつづられるちょっとした日常の出来事なので、おいしいけれどやはり少しおとなしい雰囲気だった。次作への布石と思われる部分もあり、本編が楽しみだ。

  • カバーイラスト/山中ヒコ
    カバーデザイン/鈴木久美

  • ハルチカ番外編

    OBが残した活動日記
    活動休止状態でも未来の代に希望を託す
    現役生にとっても希望が

  • 2020/3/31~4/1

    マレンと成島の夢は、穂村と上条の夢を叶えることだ―。部を引退した片桐元部長から告げられ、来年のコンクールへの決意を新たにする芹澤直子。ギクシャクした関係を続けるカイユと後藤朱里。部の垣根を越えてある事件を解決するマレンと名越。そして部のまとめ役の成島美代子…。清水南高校吹奏楽部に運命的に集まった個性的なメンバー。その知られざる青春と日常の謎を描く、大人気シリーズ書き下ろし番外篇!

  • ハルチカシリーズの番外編
    要はチカちゃん以外の吹奏楽メンバ視点でのあれやこれや
    カイユ、芹澤さん、マレン、成島さんの4人

    カイユは苦労人だなぁ……

    芹澤さんの毒舌は傍から見てる分には面白いんだけどね
    もし自分に言われたとしたらヘコむかもしれない

    マレンはどこに行っても優等生的ですなぁ
    そして名越はさすがは十傑だけあって問題を大きくするというか何というか
    でも、発端は日野原会長のせいなんだけどね

    ただまぁ作中でも台詞があるけど、もし自分がやらなければいけなくなったら、「同額のお金払うから免除してくれ」って言うと思う
    いやホント、意味のわからない仕組みだよな~、アレは

    成島さんのところは、今後のストーリー展開を暗示しているというか
    結局はそうなりそうだよな~という雰囲気を醸し出している
    5つの役割は大体そう思えるけど、主要メンバで役割がかぶってる人がいる
    芹澤さんもリアリストだし、後藤さんは何だろうね?


    ウケるのが、十円パンチの伏線が回収されているところとか
    明らかに世代ではないめぞん一刻の事を語ってたり
    蒲田行進曲にしてもそうだけど、想定読者年齢層が掴めない……

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著者プロフィール

1973年静岡県生まれ。法政大学卒業。2002年『水の時計』で第22回横溝正史ミステリ大賞を受賞しデビュー。著書に『1/2の騎士』『退出ゲーム』がある。

「2017年 『ハルチカ 初恋ソムリエ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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