セロ弾きのゴーシュ (角川文庫)

著者 :
  • 角川書店
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本棚登録 : 689
レビュー : 66
  • Amazon.co.jp ・本 (323ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041040027

作品紹介・あらすじ

楽団のお荷物だったセロ弾きの少年・ゴーシュが、夜ごと訪れる動物たちとのふれあいを通じて、心の陰を癒しセロの名手となっていく表題作。また「やまなし」「シグナルとシグナレス」「氷河鼠の毛皮」「猫の事務所」「雪渡り」「グスコーブドリの伝記」など、賢治が生前に新聞・雑誌に発表した名作・代表作の数々を収める。

感想・レビュー・書評

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  • ゴーシュが独りよがりな演奏から、他者のために弾くことで演奏家として成長する。という話なのかな。

    一人目のお客様、猫には呪術?的な演奏でいじめて追い返してたのに、
    最後のお客様のねずみさんには思いやり、慈しみが身に付いている。

    文章は結構読み辛くいけど、面白かった。

    短いお話でさっと読めるし。

    こういう、解釈が人によって分かれそうなものを読んで、人の意見を見るの楽しい。

  • ↓『グスコーブドリの伝記』より
    「私のようなものは、これからたくさんできます。私よりもっともっとなんでもできる人が、私よりもっと立派にもっと美しく、仕事をしたり笑ったりしていくのですから」(156)

    ブドリー!!(泣)これ映画化されたら泣くわ。映画館で号泣だわ。
    賢治の考える人間って、ちゃんと1つの集合体ですよね。個人個人が切れてない。
    ラストの「たくさんのブドリのお父さんやお母さんは、たくさんのブドリやネリといっしょにその冬を、暖かいたべものと明るい薪で楽しく暮らすことができたのでした。」が……切ない。賢治の「自己犠牲」は悲しいけど暗くはないんだなあ。未来に向けて、ちゃんと自分も生かされてる自己犠牲というか。悲しんでくれる人が一人でもいたら、それで満足という気概。

    いいな~宮沢賢治。一時期先生だったはず。変わった人だけど、生徒からの人気は高かったとか。私も習いたかった。

    • ダイコン読者さん
      「自己犠牲を強いる話ではないのが良い」
      わかります(T T)その慎ましさが自己犠牲をより神聖なものに見せる。
      正しく「自然な」自己犠牲って難...
      「自己犠牲を強いる話ではないのが良い」
      わかります(T T)その慎ましさが自己犠牲をより神聖なものに見せる。
      正しく「自然な」自己犠牲って難しいな、とも思いました。
      2012/06/18
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「より神聖なものに見せる」
      読んだ人の心に何か、小さな何かが残れば、まだまだ復興の道のりが遠い、震災地の人々に、頑張れと言うエールではない。...
      「より神聖なものに見せる」
      読んだ人の心に何か、小さな何かが残れば、まだまだ復興の道のりが遠い、震災地の人々に、頑張れと言うエールではない。何かを贈るコトが出来るんじゃないかと、、、
      2012/06/18
    • ダイコン読者さん
      うん、そうですね。今、自分は誰かのために何ができるのか、突き詰めて考える時に相応しい物語。
      何かしたい、でも何をしたらいいか分からない、とい...
      うん、そうですね。今、自分は誰かのために何ができるのか、突き詰めて考える時に相応しい物語。
      何かしたい、でも何をしたらいいか分からない、という人は多いと思うので、そこから一歩を踏み出すきっかけになれば良いですよね。
      2012/06/19
  • これも青空文庫(しつこいですね)。宮沢賢治ってたまに読み返すとよいですね。詩と小説の間。

  • 雪渡り
    ありときのこ

  • 28年度(4-2)紹介のみ

  • 童話の短編集。有名な話のやまなし。セロ弾きのゴージュ。が入っている。
    やまなしは、リズムとかに目線で書かれた内容がとても新鮮である。セロ弾きのゴージュは徹夜で練習しながら、かっこう、猫、ネズミ、を相手にセロを披露することによってどんどん上手になる。ストーリーが面白い。親しみやすい作品。

  • こんなひどいことを平気で言うような話でしたっけ?
    みんな、もっとやさしくしてあげたらいいのにと思いました。

  • 個人的に好きな話が一番入ってる。

    ●雪渡り
    ●やまなし
    ●氷河鼠の毛皮
    ●シグナルとシグナレス
    ●オッペルと象
    ●ざしき童子のはなし
    ●猫の事務所
    ●北斗将軍と三人兄弟の医者
    ●グスコープドリの伝記
    ●ありときのこ
    ●セロ弾きのゴーシュ

  • 考えて読むというよりも、感じて読む作品。

  • 「猫の事務所」今読むとなんと切ない話なのか。

  • 『セロ弾きのゴーシュ』平成8年(1996)、初版昭和8年(セロ弾きのゴーシュ)

    角川の出版で収録作品は、
    <本編>雪渡り、やまなし、氷河鼠の毛皮、シグナルとシグナレス、オツベルと象、ざしき童子のはなし、寓話 猫の事務所、北守将軍と三人兄弟の医者、グスコーブドリの伝記、朝に就ての童話的構図、セロ弾きのゴーシュ
    <付録>ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記、ペンネンノルデはいまはいないよ太陽にできた黒い棘をとりに行ったよ

    宮沢賢治の物語は、イーハトヴ童話であり、それは考えながら読むのではなく、感じながら読むものであると知った。教科書や新聞を読むときのような読み方ではだめで、賢治が目で見、耳で聞き、手で触れ感じたことを、読者もそのままに感じながら読むものである。特に、「やまなし」の水中のきらめきや「氷河鼠の毛皮」の鉄道から見る淡く冷たい世界は理論などを必要としない、感覚の世界だ。「寓話 猫の事務所」や「グスコーブドリの伝記」を読んで、筆者が何を主張したいかではなく、何を見て何を感じながら書いたのかを想像することが大切だと思う。

  • とても不思議な世界観。

    『グスコーブドリの伝記』がお気に入りです。
    ブドリの最後の決意にはこみ上げるものがあります。

    付録?としてついていた、『ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記』と『ペンネンノルデは今はいないよ……』は『グスコーブドリの伝記』の元?になったお話だそうですが、あのお話からグスコーブドリになるまでの過程を是非知りたいですね…どんなことがあって、どんな心境で改変していったのかとても気になります。

  • 宮沢作品を、読んでいきます!

    ゴーシュがセロを弾くと・・兎のおばあさん、狸のお父さん、みみずく、こどもの野ねずみの病気が治ってしまいました。
    ゴーシュは、毎晩訪ねてくる、動物さんたちとの関わりから、1週間か10日の間に、腕をあげていたのですね!
    まさに、賢治ワールドでした。

  • 今更ながら新古典を読んでみようの巻き2。
    一部は直前に読んだ新編 風の又三郎 (新潮文庫)とかぶってました。
    注文の多い料理店を角川版でもってたので、角川で揃えれば良かったかな。ちょっと失敗。
    ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記が付録で付いていてよかったです。
    グスコーブドリの伝記の第一稿だそうですが、こういうテイストのままでも個人的には好みに感じました。目に浮かぶ色彩がポップな感じで。
    猫の事務所はセツナイ。

  • セロ弾きゴーシュの話は、面白い話だと思っていました。
    楽しいという印象はありませんでした。

    セロ弾きゴーシュのアニメで楽しく見ることが出来ました。
    アニメを見てからだとセロ弾きゴーシュを楽しく読んだり、新しい観点を持って読むことができるようになりました。

  • 音楽は多くの動物で技で作られている。そう考えると、いろいろなジャンルはそれぞれの国独特の動物の技であり、これこそが文化の多様性なのだろう。

  • 宮沢賢治、小学校だか中学校だかの教科書での出会いの第一印象があまり良くなかった。
    それ以降、事あるごとに対峙するのだが、あまり芳しい印象はない。今回は河合隼雄『猫だましい』からの流れで読んでみて、作品によって全く印象が違うことには気付いた、程度まで進んだ。しかし、宮沢賢治は猫苦手?ゴーシュのもとにやって来た猫にも、猫事務所の猫たちにも、どうも作者の愛情を感じられない。狐や狸やその他の生き物には作者の慈しむ目線が感じられるのだが。猫贔屓の身としては承服しかねるわけで…。
    基本的に、宮沢賢治ワールドは私にはまだ読みこなせないのかもしれない。いつかあるかも知れない再読に期待。

  • 幼稚園生だった時によくこれのアニメ版にお世話になったため、なつかしくなって今更原作を購入。
    当時はなにも考えずに観ていたけれども、宮沢賢治だったのね…

  • 「雪渡り」
    人間はなにかってえとすぐ自分の失敗をきつねのせいにする
    きつねたちは屈辱を強いられているんだ
    だから「ああいう大人になってはいかんよ」という趣旨の教育的イベントを
    開催し、人間の子供たちも何人か誘い出したりする
    団子も出るのだ

    「氷河鼠の毛皮」
    毛皮を身にまとっていい気になってる人間たちに
    どうぶつの秘密警察が魔の手をのばす

    「オツベルと象」
    象を労働者として使い、大儲けするオツベル氏
    両者の関係ははじめのうち良好だった、しかし
    やがてなぜか低賃金・重労働が強いられるようになる
    まあなんだ
    下の人間(象だけど)が「楽しく」仕事をやっているのを見ると、
    バカにされたような気分になる、という人は実際いますよ

    「猫の事務所」
    猫の事務所にも陰湿なイジメ・パワハラが横行してるようです
    それを見たライオン氏は
    義憤にかられて猫たちの仕事場を解散させてしまうのだ
    作者はそれに「半分だけ」共感する、と

    「シグナルとシグナレス」
    信号機だって恋をする
    しかし足がないんじゃ話にもならない
    風に言葉をのせてささやくことぐらいしかできない

    「北守将軍と三人兄弟の医者」
    身体が健康になると世俗的な欲望も抜けてしまうという話

    「朝に就いての童話的構図」
    まさかのズッコケオチ

    「グスコーブドリの伝記」
    自己犠牲ばかりクローズアップされがちであるが
    それによって、おそらくブドリはヒーローになったことだろう
    そのことについて考えないわけにはいかない
    作者の人間臭さが珍しく前面に出た作品であると
    個人的にはそう思う

    「ペンネンノルデは今はいないよ……」
    「ネネム」にも名前は出ていたが、たぶんニーチェの影響は受けてると思う
    グスコーブドリにつながる創作メモみたいなものであるらしい

  • グスコーブドリの伝記が収められている短編集。

    ブドリに最後の決断をさせたのはなんだったのか。

    読み終わったあと、銀河鉄道の夜の「僕はもうあのさそりのように、本当にみんなの幸せのためなら、僕の体なんて100回焼いてもかまわない」という、台詞を思い出しました。

    愛する人を守るための決断。優しく強くないとできないなぁ。

    詩のようであり、童話であり、大人になってから読むとまた違う印象を受けました。

  • 「グスコーブドリの伝記」が映画公開ということで再読。

    「セロ弾きのゴーシュ」のようなスカッとする物語もいいけども、やはり、「グスコーブドリの伝記」のように、つらく切なくなる、けども希望の持てる物語も好きだ。

    「銀河鉄道の夜」にあるように、みんなの幸い(さいわい)を願うこと、そして犠牲が存在すること、そして、その願いが個から抜け出しているところに感動。

    映画「グスコーブドリの伝記」は、1985年の映画「銀河鉄道の夜」作成スタッフと同じらしい。今回も登場人物がネコという同じ設定なので非常に楽しみだ。

  • オーケストラでチェロを担当するゴーシュは、練習中、ミスしてばかり。演奏会まで日もないこともあり、家にチェロを持ち帰り、寝る時間になっても練習をする。そこに、毎晩、動物達が訪れては、ゴーシュに演奏するように頼むのだが・・・。短編なので、短い時間ですが、宮沢賢治の世界に浸りました。(青空文庫)

  • かわいいね。狸のところがなんか好きです。

  • 短編の童話?がたくさん入っています。
    あまり意味がわからないものもありましたが…。

    セロ弾きのゴーシュはほんとうにいいお話ですね。
    動物達との触れ合い方とか、努力する姿とか。

    他にもたくさんお話がありますが、中でも「シグナルとシグナレス」が好きでした。

  • なんとなく久しぶりに読んでみた。 子供のころ読んだのとは違う感想をもった。 『猫の事務所』の最後、上長である獅子が言った言葉に、「私」はなぜ、「半分」だけ賛成したのか?とか。

  • グスコーブドリの伝記 がすき

  • 優しい気持ちになりたいときに読む本です。

  • 10月23日読了。iPhoneの青空文庫リーダーアプリにて。宮沢賢治の古典。楽団でセロがうまく弾けないゴーシュ、毎夜遅くまで練習をしていると、毎日動物たちが部屋を訪れだし・・・。かんしゃくを起こしたり動物に当り散らしたりと、ゴーシュが単なる真面目なセロ弾きでないのがいい。それだけにラストの呟きがじんと染みる。

  • 童話たちは光り輝いて青春にきらきらと零れた。

  • ファンタジックな世界観も好きなのですが、独特な文章(擬音とか)が特に好きです。読んだことがあるお話も楽しく読めました。

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著者プロフィール

1896年、岩手県花巻生れ。盛岡高等農林学校卒。富商の長男。日蓮宗徒。1921年から5年間、花巻農学校教諭。中 学時代からの山野跋渉が、彼の文学の礎となった。教え子との交流を通じ岩手県農民の現実を知り、羅須地人協会を設立、農業技術指導、レコードコンサートの 開催など、農民の生活向上をめざし粉骨砕身するが、理想かなわぬまま過労で肺結核が悪化、最後の5年は病床で、作品の創作や改稿を行った。1933年没。

「2019年 『風の又三郎』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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