銀河鉄道の夜 (角川文庫)

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  • 角川書店 (1969年7月19日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (272ページ) / ISBN・EAN: 9784041040034

作品紹介・あらすじ

漁に出たまま不在の父と病がちの母を持つジョバンニは、暮らしを支えるため、学校が終わると働きに出ていた。そんな彼を学友たちはからかうが、カムパネルラだけは優しかった。ある銀河の祭りの夜、草むらに寝転んで星空を眺めていたジョバンニは、不思議な声と明るい光に包まれたかと思うと、銀河鉄道に乗っていた。隣にはカムパネルラ。二人の幻想の旅が、いま、始まる……。
傑作「銀河鉄道の夜」ほか、七編を収録。


※カバーの絵柄は(株)かまわぬのてぬぐい柄を使用しています

みんなの感想まとめ

幻想的な世界観と深いテーマが織り交ぜられた物語は、読者に強い印象を与えます。ジョバンニとカムパネルラの友情を軸に、彼らの旅は生と死、友情の意味を問いかけます。作品は詩的な描写に満ちており、特に銀河の美...

感想・レビュー・書評

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  •  『銀河鉄道の父』を読む前に本書を読んでおいた方が楽しめるのかな?と思ったのと、考えてみたら『銀河鉄道の夜』ってどんな物語だっけ?こんなに有名なのにしっかり読んでいなかったことに気付き手に取りました。

     本書は『銀河鉄道の夜』のほか7編の短編が収録されていて、どれも詩を物語にしたような幻想的で悲しい話が多かったように感じました。
    絵本のような幻想的な世界観が著者の魅力のひとつなのかなとも思いました。
    教科書や童話のイメージが強かったので、あれ、こんなに難しかったけ?と聞き慣れない方言や古い言葉、著者の造語等、注釈を見ながらでないと分からない言葉も多く、話の内容の解釈も難しく感じたけど幻想的でキラキラした銀河の描写は想像力を掻き立てられ読めば読むほど奥深さを感じさせられます。
    綺麗な描写や不思議な世界観、生と死がテーマ、読了語のふわふわ感とか吉本ばななさんに似ているような気もします。

     『銀河鉄道の夜』で疑問に思ったのが、
    銀河鉄道の世界は誰の世界なんだろう?
    ジョバンニの世界?
    それともカムパネルラの世界?
    どちらの世界でもなく別の世界?
     
     ジョバンニとカムパネルラの友達関係。
    ジョバンニが馬鹿にされてるのに申し訳なさそうに苦笑いしているだけというのも友達としてどうなの?
     最後カムパネルラの父と話したあとすぐ家に帰るジョバンニもどうなのだろう?そんなにすぐに受け入れられるものだろうか。

    カムパネルラの父「もう駄目です。~」この台詞
    こんなにすぐに諦められる?どこか他人事のように感じてしまう。

    なぜジョバンニの切符だけ特別だったのかな?

    他にもいくつか疑問点はありますが
    本書は未完成の作品のため解釈は読み手に委ねられ、何度も読み返して自分なりの解釈をしていくのも本書の楽しみかたなのかな。
     また、著者の他の作品の登場人物が出てきたり、いろいろな仕掛けが隠されていて驚かされてばかりです。
     
     この時代に銀河鉄道というファンタジーな発想、しかも単なるファンタジーではなく「人生のヒント」を同時に訴えている。
    さすが文豪、名作は格別です。

  • 映画、銀河鉄道の父を観て懐かしさからまた読んでみたいと思いました。
    子供の頃映画館で上映されて観に行った事や、教科書で一部を読んだ事はありますが原作は初めてでした。
    短編集ですが全体的に少し悲しいお話が多かったです。
    そしてちょっと難しい。
    それでも最後まで読み終えたのは分からない部分も含めて良いお話だからだと思います。 
    多分またいつか再読すると思います。

  • カンパネムラ
    どこまでも、どこまでも、一緒に行こう。

    さらばジョバンニ
    また会おうカンパネムラ

  • 久しぶりにしっかり銀河鉄道の夜を読もうと挑んだのですが収録されていた"ひかりの素足"があまりにも心に刺さりすぎて辛いものがありました。
    宮沢賢治の紡ぐ物語は悲しさも苦しさも混ざっているけど、優しさも同じくらい詰まっているのだと思います。

  • きらきらの表現が多様で、星とか宝石とかに詳しい人なのかな。文を読んで目の前がきらきらする。

    純文学?名作?的な作品を読んだことは多くなく、自分で買った小説では初めてだと思う。読み進めるのが難しい、読点の位置や文章、言葉が今と違いすぎる。

    内容も現代の雰囲気とはちがう。ちゃんと読みとれたのかわからない。でもたぶん銀河を旅する列車に乗って、そこで出会う人達との邂逅を楽しんだんだよね?たぶん。そして自分なりの幸せを探そうとしたんだよね、と思った。

    今はこのくらいの読解だけど、いつか読み返した時にどうなるのかなと思って、それが読んでる時から楽しみ。

    よだかの星も、少しつらいけど、燃えることができたのね。今も燃えてるんですって。いいね。またいつか読み返したい。読むのむずかしかった。

  • 中学校以来?読んだとおもう。まだ大学生だけど、そんな私でさえ今になって再読したら全然見え方が違うな〜と感じた。
    やっぱり銀河鉄道の夜は特に名作。村上春樹の『スプートニクの恋人』を思い出す。

  • 直前に読んだ小説を受けて。宮沢賢治の不朽の名作、銀河鉄道の夜。かまわぬのギンガムチェックのような特装カバーが可愛い。
    表題作のほか、あつめられた短編はいずれも星にまつわるものばかりで、いかに賢治が星に想いを馳せていたかが伝わる素敵な一冊になっている。
    ところで銀河鉄道の夜って私読んだことなかった?こんなにも物悲しい話で、物悲しい結末だった?そして未完ときた。
    詩的で、幻想的で、切実で、ずっとこういう文章を読んでいられたらどれだけ幸せだろう。

    「カムパネルラ、また僕たち二人きりになったねえ、どこまでもどこまでも一緒に行こう。僕はもうあのさそりのようにほんとうにみんなの幸のためならば僕のからだなんか百ぺん灼いてもかまわない。」

    これほど美しく声に出して読みたい文章を私はほかにちょっと知らない。
    河合隼雄さんによるあとがきで、"宮沢賢治の作品の素晴らしさのひとつは、それがセンチメンタルでないことであろう。"という一文があったけれど、私は完全にセンチメンタルに感激する側の悪しき読者だな。過透明な景色、非情のかなしみ。
    ところで、巻末の年譜にも目を通していたら偶然、今日8月27日が賢治の誕生日だと知って驚いた。なんか必然性を感じる。

    • つづきさん
      一応図書館でさがしてみたのですが、こちらの最寄りでは所蔵されてなさそうで……蔵書が豊富で羨ましいです。
      私も購入するのは文庫本ばかりなので...
      一応図書館でさがしてみたのですが、こちらの最寄りでは所蔵されてなさそうで……蔵書が豊富で羨ましいです。
      私も購入するのは文庫本ばかりなのですが、こちらの本はすぐに「えっ欲しい!!」と一目惚れしちゃいました。笑
      手元に置いておき、好きな時に眺めるのも至福ですよね。
      清川あさみさんつながりで、「千年後の百人一首」という本も大好きでオススメです。もし機会があればぜひ!
      2021/09/01
    • りまのさん
      つづきさん
      いえ、この本は、私の利用する図書館には無かったので、市外の図書館から貸し出し予約して、少し日にちをかけて、借りてきたのです。

      ...
      つづきさん
      いえ、この本は、私の利用する図書館には無かったので、市外の図書館から貸し出し予約して、少し日にちをかけて、借りてきたのです。

      ……うふふ、千年後の百人一首 持ってますよ ♡ とっても素敵な本で、お気に入りなのです♪ 凄い いいですよね。清川あさみさんの刺繍が、とっても綺麗で、最果タヒさんの、歌の解釈も現代詩みたいで、すごくイイ!大好きな本です ♥
      同じ本がお好きなのは、なんか嬉しいです。
      ありがとうございます♪
      2021/09/01
    • つづきさん
      千年語の百人一首、お持ちなんですね!!うれしいです♪
      わかります、清川あさみさんの作品と、最果タヒさんの詩があわさって、すごく幻想的なところ...
      千年語の百人一首、お持ちなんですね!!うれしいです♪
      わかります、清川あさみさんの作品と、最果タヒさんの詩があわさって、すごく幻想的なところが好きです。パラパラとなにげなく開いたページを読んだり、何度でも楽しめる一冊ですよね。
      こちらこそありがとうございます!また教えてください♡
      2021/09/03
  • 長野まゆみさんのカンパネルラ版銀河鉄道の夜を読む前に原作を読了

  • 児童文学と童話。有名な表題作が約70ページ、その他は短い七編。著者作品はおそらく教科書に載っていた『注文の多い料理店』以外に読んだことがなく、前々から表題作を含めていくつかは当たってみたいと思っていたので、本書が適当だった。所収作品の特徴と思えた点をいくつか挙げてみる。

    ・臨死体験を代表に、死を意識させる(またはそのものを語る)作品が多い
    ・仲睦まじい少年二人が中心の物語が半数
    ・教訓がありそうでいて読みとれない
    ・無国籍風

    巻末の河合隼雄の解説が参考になった。そこでは宮沢賢治を、人間業を超えて深層意識に達することができたの稀有な人物(修羅)だったとしている。そのような「知情意すべてにかかわる深層意識の体験」は、たいていの人間は死ぬときにしかできないという。そして、死の側から生を見るからこそ、著者の作品は生の輝きが全所に美しく感じられる。脱線だが、解説を読んでいて河合氏が生前に対談した村上春樹を思い浮かべた。村上氏の「夢を見ることがない」という話に、河合氏は当然そうだろうと答えたらしい。

    以降、各作品の簡単な紹介。

    『おきなぐさ』
    雲を眺めて語り合う、二つのおきなぐさ。

    『双子の星』
    空に浮かぶ双子の星に住む、二人の童子の物語が二つ。蠍と大烏の喧嘩。ほうき星の誘い。
    一話目の最後に「星めぐりの歌」の歌詞が挿入される。

    『貝の火』
    溺れたひばりの子を救出した子兎のホモイは、母鳥から赤く光る美しい宝珠を贈られる。
    「泣くな。こんなことはどこにもあるのだ。それをよくわかったお前は、一番さいわいなのだ」

    『よだかの星』
    皆に嫌われて思い悩む、醜い鳥のよだかが、遠くへと飛び立つ。

    『四又の百合』
    仏の来訪が伝えられた町で、王は捧げものの百合を探すよう命じた。

    『ひかりの素足』
    吹雪に見舞われて遭難した兄弟が不思議な光景に出くわす。

    『十力の金剛石』
    王子と大臣の子どもの冒険。

    『銀河鉄道の夜』
    少年ジョバンニと唯一彼に優しい友人カムパネルラが、銀河鉄道の旅で不思議な体験をする。
    「ジョバンニはなんだかわけもわからずににわかにとなりの鳥捕りが気の毒でたまらなくなりました」
    「ほんとうにあなたのほしいものは一体何ですか」

  • 銀河鉄道の夜を何かの映像で見た事があったけど
    結局どんな話だったっけ?と気になって購入。

    読んでいくと宮沢賢治は、星や宇宙、宝石など
    知識の豊富な人だなと感じました。

    川の表現も本当にキラキラしてるんだろうな〜
    宮沢賢治の物語に出て来る宝石って
    現実よりももっと光輝いて美しいんだろうな〜
    宮沢賢治にはこういう風に見えたんだろうな〜
    って、想像しながら読めたけど…

    銀河鉄道の夜は何回も読まないと理解できない部分も
    あって、ちょっと難しかったです。

  • 表題の銀河鉄道の夜よりも、
    双子の星、十力の金剛石
    とかが良かった。
    収録された短編を読むと、総じて、人間だけが特別ではなくて、植物や動物と人間とは同列で、宇宙や星とも上下の関係ではないという感想を持ちました

  • たぶん感覚的、表面的な部分しか拾えてない

    本当に猛スピードで颯爽と走る列車に乗って窓から顔を出して強風に当たりながら見逃したくない景色をなんとか焼き付けている感覚。

    あの銀河鉄道の外と内の描写は読むうちに位置関係がごちゃごちゃになりながらも、車窓に流れる景色として断片的に浮かんでは消え、近づいては遠のく。読んで文字から想像するイメージも、1つずつ浮かんでは消えて。

    町がお祭りの中、1人別の場所にいる特別感といか、懐かしさもあった。

    信じる神が違う者同士で泣いたり笑ったり、結局じゃあ宮沢賢治が何を伝えたかったのかは分からないがずっと悲しさだけはあって、それは級友との関係や母親や父親、親友への心境など。

    おそらく鉱石や星座や宗教の知識がもっとあれば、たくさんの比喩表現を拾って深く楽しめたんだと思う。







  • 宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』。装丁の好きな角川文庫版です。8編の短編からなります。

    「おきなぐさ」
    蟻にうずのしゅげ(おきなぐさ)について、尋ねると、蟻は光を通した花を「赤い」と言います。語り手は、春の七ツ森の野原で二輪のうずのしゅげを見つけます。
    二輪の花は風や雲の動きを見て「きれいだねえ」と語り合う。そこに空からひばりが降りてきて、上空の風が強く飛べないことを話す。花たちは「一度でいいから風に乗って飛びたい」と言い、ひばりは「そのうち飛ばなくてはならなくなる」と言い残して飛び立つ。
    やがて季節が進み、花はふさふさの銀色の綿毛に変わる。再びひばりが訪れ、「もう飛ぶ時だ」と話しかける。花たちは「もう僕たちの仕事は済んだ」と穏やかに応じる。
    風が吹き、綿毛は空へ舞い上がり、花の魂は空に昇って星になる。ひばりはその別れを歌いながら空高く飛んでいく。

    「双子の星」
    天の川の西の岸に、仲のよい二人の星の子ども、チュンセ童子とポウセ童子が住んでいる。二人は、夜になると空の宮から出て、星めぐりの歌に合わせて銀の笛を吹く役目を果たしていた。
    ある朝、二人はお宮を離れ、泉のある野原へ出かける。そこで大烏の星と蠍の星が喧嘩しているのを見つける。蠍の毒で倒れた大烏を、チュンセ童子が毒を吸い出して助け、蠍も頭を大烏に割られ瀕死であったため、二人はそれぞれの家まで送り届ける。お宮に戻る時間が迫り、困っていると、稲妻が王様の命で二人を迎えに来てくれ、無事に戻る。

    別の晩、彗星(ほうきぼし)が現れ、王様に呼ばれていると嘘をついて二人をその尾に乗せて連れ去る。彗星が勢いよく飛ぶ中、二人は振り落とされ、海の底へと落ちてしまう。二人は「ひとで」と海底の生き物にからかわれ、鯨に飲み込まれそうになる。そこに海蛇が現れ、二人を助けてくれる。海蛇の王様は二人の話を聞き、竜巻を起こして二人を天へ帰す。二人は元の姿に戻り、お宮に戻って、再び銀の笛を吹きながら星めぐりの歌を奏でるようになる。彗星は罰として海に落ち、なまこになったという。

    「貝の火」
    うさぎの子・ホモイはある日、川で流されていたひばりの雛を助けます。お礼にひばりの親から「鳥の王さまからの贈り物」である宝珠「貝の火」を授かります。父によれば、この宝珠を一生持ち続けた例はごく僅かで、心を乱さず扱わねばならないと注意されます。貝の火を手に入れたホモイは周囲の動物たちから敬意を集め、次第に増長していきます。リスに命じて食べ物を集めさせたり、狐を家来のように扱い始めますが、父は息子を諌めます。しかし、仕えていた狐にそそのかされ、小さな動物(むぐら)をいじめたり、狐が盗んだパンを受け取ったりしてしまいます 。やがてホモイが罪に気付き、小鳥たちを助けに行きます。父とともに狐と対峙し、箱の罠から小鳥たちを解放することに成功します。
    しかし、その直後、貝の火は白く濁り、やがて砕け散り、破片がホモイの目に刺さって失明してしまいます。最後に、父は息子を慰め、「目は治る」と約束して物語は終わります

    「四又(よまた)の百合」
    ある王国に、聖人「正遍知」を迎える準備が町や王宮で進められる。王は百合の花を捧げようとし、大臣に百合を探しに行かせる。大臣は森で裸足の子どもが持つ十の花をつけた真っ白な百合を見つけ、値段交渉の末に紅宝玉と引き換えにその百合を譲り受ける。子どもは「正遍知に贈るつもりだった」と述べ、子供は宝石をうけとらない。百合は王に献上される。正遍知はやがて街を訪れる。
    2億年前にもあったお話。

    「ひかりの素足」
    木炭を焼く父のもとから家へ戻る途中、兄・一郎と弟・楢夫は突然の吹雪に遭い、遭難してしまう。やがて鬼に追われ瑪瑙の野原を彷徨う子どもたちの行進に加わるが、一郎は弟を守って献身する。すると「にょらいじゅりょうぼん第十六」という声とともに白く輝く素足の人が現れ、子どもたちを安全な光の国へと導く。そこで一郎はその人に「本当の道を学びなさい」と言われ、現世に戻される。目を覚ますと弟は雪の中で息を引き取っており、一郎は助けに来た人に助けられる。


    「十力の金剛石」
    霧深い朝、ある王子と大臣の子が「虹の袂にあるルビーの絵具皿」を探して森へ出かける。虹を追って森に分け入り、蜂雀(はちすずめ)に導かれて丘に出ると、空からあられのようにダイヤモンドやサファイアなどの宝石が降り注ぎ、地上の植物も宝石でできている幻想的な光景に出会う。植物たちはそれでも悲しげに歌い、「十力の金剛石」がまだ来ないと嘆いていた。するとついに十力の金剛石が降り注ぎ、露のような光が草木や人々に満ちてすべてが生き生きと変わる。家来たちが迎えにに来る。

    「銀河鉄道の夜」
    ジョバンニは、病気の母と二人で暮らす貧しい少年。父は漁師として海に出たまま戻らず、学校ではクラスメイトにからかわれて孤独を深めています。唯一の気の置けない友人は、カムパネルラだけでした。
    ある星祭りの夜、ジョバンニは仕事を終えて牛乳を取りに行きますが、牛乳が届いておらず落胆。帰り道、ザネリらにからかわれたことに耐えられず、黒い丘の方に逃げ込みます。
    丘に登った彼は、ふと「銀河ステーション、銀河ステーション」という声を聞き、不思議な光に包まれた後、気づくと銀河鉄道に乗っていました。隣には、濡れた黒上着を着たカムパネルラがいて、二人は再会します。
    列車は白鳥の停車場や南十字星、プリオシン海岸などを通り、ジョバンニとカムパネルラは、大学士・鳥捕り・沈没船から助けられた姉弟とその青年など、様々な乗客と出会います。それぞれの人生や死、生き方について語り合います。
    旅の序盤からジョバンニは「みんなの本当の幸せとは何か」を考え始め、カムパネルラは「君が本当の幸せを願えば僕はどこまでも一緒に行くよ」と語ります。
    やがて目的地に近づいたのか、窓の外の世界でカムパネルラは列車を降りてしまいます。ジョバンニは声をかけようとするも消えてしまい、一人になるのを感じます。目が覚めると丘の上。
    ジョバンニは現実世界に戻り、町に戻ると川で友だちを助けようとしたカムパネルラが溺れて死んだことを知ります。悲しみに暮れながら、ジョバンニは母に牛乳を持ち帰るため、父が帰ってくることを知らせるため、街に走り戻ります。

    銀河鉄道の夜は、何度読んでも美しい作品です。銀河を列車が走るという夢のような舞台設定と、星や光の描写の美しさ。親友カンパネルラの死や別れ。「他者のために生きること」。
    そして文章全体がとても優しい。
    疲れた時に読みたくなります。

  • ジョバンニが背負う気持ちを考えると、とても切なくなった。父が帰ってくるのに、カムパネルラはもう帰ってこない。
    ジョバンニの救済はどこにあるのだろうか。

  • ボストンまでの飛行中のお供。果てしなく広く深い精神世界の、ジョバンニとカムパネルラと…の旅。

    小学生以来、注文の多い料理店以来はじめて宮沢賢治作品に触れた。
    銀河鉄道の夜。

    天の川から、高校生のときに彼女たちが大好きで傾倒していたサザンクロスまで、そして果てまでの旅は楽しい。
    天の川銀河やアルビレオの二重星について、さまざまな鉱石や、花や、野原や動物に喩えられていて素敵。
    確かアニメがあるはずだけど、視覚描写も欲しいなあと思った。流石に情報量が多すぎて、私の頭の中では限界があったので、映像も見てみたいなあという気持ち。

    天文学と仏教/密教、そして多くの鉱石。宮沢賢治の世界観はこれらにかなり関係しているようだ。どちらにも詳しく無いので解説を読みながらだったけど、単純に難しいな〜でも面白いな〜の気持ちでした。


    悲しみ、という感情が曖昧に表現されていた。
    どうにもはっきりしない、なんだか重苦しい、寂しい気持ちがして…
    ジョバンニが何故そう感じるのか、何となく予想できてからその後はもう、どんよりとした暗雲がずっと私の頭に漂っている感覚になった。

    短編集を全部読み切る、というのを未だ達成したことがないので、ゆっくり読み進めたい。

  • 還暦過ぎて初めて宮沢賢治の作品を読みました。「銀河鉄道の夜」をテーマにした読書会がきっかけですが、その読書会がなければ本作品にも宮沢賢治にも接することなく人生を終えていたと思います。読書会を主催してくださったアパ@読書垢さんには感謝します。
    ありがとうございました。

    「銀河鉄道の夜」は著作権が消滅しているので、青空文庫で無料で読めます。読み始めましたが、話を追うことができません。長い一文、慣れない名称、馴染めない舞台。そこで手にしたのは、本書の角川文庫版です。
    本書は表題作も含む8編の短編集。変光星になってしまううずのしゅげを描く「おさなぐさ」、勧善懲悪モノの「双子の星」、驕りを諌める「貝の火」、子供のときに読んで悲しいハッピーエンドと感じた「よだかの星」、他3編を読み進めるうちに宮沢賢治の世界にだんだんと入って行けたような気がします。この7編の中で賢治が描いたのは、命の尊さ、普通に生きることの尊さやありがたさ、他人へ優しくすることの尊さであると素直に思いました。また、7編読んだところで賢治の独特の文体も馴染んできました。この文庫は「星」の物語を中心に置いているんですね。

    宮沢賢治の世界に慣れたところで、「銀河鉄道の夜」。今度はストレスフリーで読めました。
    貧しく孤独な少年ジョバンニが親友カムパネルラと銀河鉄道に乗って夜空の旅をするというのが本書の設定ですが、非常に複雑な物語です。
    気になったのは
    ○天気輪の柱から銀河鉄道に突然乗り込むきっかけ
    ○カムパネルラのジョバンニに対する感情
    ○鳥取りが食べさせてくれたチョコレートよりもおいしい甘い雁の正体
    ○仏教あるいはキリスト教的観点から見た物語の解釈。「天気輪」「十ばかりの字」「ハレルヤ」「幻想第4次」などの物語への絡み方
    ○ジョバンニだけ最終駅までの切符を持っていた理由
    ○カムパネルラの父親の冷静さ
    ○ジョバンニと父親の再会の行方

    解釈が難しい小説ですが、未定稿のまま宮沢賢治が亡くなったことにより、本作品の本当の意味は誰にもわかりません。それでも、この作品は面白く、美しい作品です。まさに読書会のテーマにふさわしい作品であり、「もう一度読んでね」と作品自らが要求している稀有な作品だと思います。

  • このひとつ前の感想に『「銀河鉄道の夜」が猛烈に読みたくなった』と書いた。
    というわけでこの本。
    最初に一番最後に載っている「銀河鉄道の夜」から読む。
    ところがこれが勝手が違う。
    出張帰りの新幹線の中で読んでいたのだけれど、文章に慣れないし、ストーリーも追えないし、戸惑う。
    こういうやつ、私には無理かなぁと思いながら、最初の話から読み直す。
    と、あぁ、読む順番、間違ったなぁと思った。
    読みにくいのは確かにあるのだけれど、短い話で段々それに慣れてくると、詩のような童話のようなお話しの雰囲気やキラキラした言葉の渦に惹かれだす。
    お話しの多くが仏教的な匂いを纏いながら、キリスト教的な“清貧”という言葉も連想させる。
    透き通った、切なさ溢れる文章と、『空かまるで青びかりでツルツルしてその光はツンツンと』だとか『霧がツイツイツイツイ降ってきて』といった独特の言葉遣いが面白く、どの話も味わい深いが、中でも「よだかの星」もだが「貝の火」「ひかりの素足」は沁みました。
    もう一度「銀河鉄道の夜」を読めば、最初の一読よりも、今度は銀河の中の旅を楽しめた。

    今月は盛岡に行くんだな。
    競馬がメインの旅だけど、賢治ゆかりの場所もこの際しっかり訪ねよう。

  • 花巻に行く前に、ひさしぶりの再読。

  • 銀河鉄道の夜を集めているので購入。やっぱり、宮沢賢治の作品の中で銀河鉄道の夜が一番好き。原稿が一枚抜けている未完成作品だけど、それが気にならないくらい物語の世界観に惹き込まれるので買ってしまう。いつか、銀河鉄道の夜だけを並べた本棚を作りたい。

  • 全編を通して「よくわからんな」という気持ちで読み進めていた。耽美かと思えばそうではなく、教訓かと思えばそうでもなく、児童文学ってこういう感じなのかなとか思ったり。
    しかし巻末の河合隼雄による解説で、自分がいかに幼稚な読み方をしていたかを気付かされた。宮沢賢治は、原稿に「因果律を露骨ならしむるな」「余りにセンチメンタル迎意的なり」と書き込み、推敲していたという。はじめから、分かりやすい因果関係や、共感を呼ぶセンチメンタルを目指して書かれたものではないのだ。対して、私の「よくわからんな」は何ともお門違いなことだろう。いつの間にか私は勝手な尺度で作品を相対化してしまっていたらしい。これには深く反省した。
    名作を読もうとなると、何かを見つけよう感じようとして、要らぬ力が入ってしまうものだ。雑念を取り払ってから、もう一度宮沢賢治の世界に浸ってみようと思う。

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著者プロフィール

1896年岩手県花巻生まれ。盛岡高等農林学校(現岩手大学農学部)卒業。1921年から花巻農学校で教諭を務める。1926年に退職し、羅須地人協会を設立、農業技術指導などを行なうが、1928年に過労で倒れ、以後は療養生活を続けながら執筆活動を行なう。1933年9月21日没。享年37。生前に刊行された単著は、詩集『春と修羅』(1924)、童話集『注文の多い料理店』(1924)のみであったが、1934~35年には文圃堂から全3巻の全集が、1939~44年には十字屋書店から全6巻+別巻1の全集が刊行された。戦後も筑摩書房から数次にわたって全集が刊行されている。

「2025年 『宮沢賢治きのこ文学集成』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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