銀河鉄道の夜 (角川文庫)

著者 :
  • 角川書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041040034

感想・レビュー・書評

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  • ポウセ童子とチュンセ童子めんこい!って感じ。

    切なさ、優しさ、ずるさ、色んな感情があって、その中で大切な事はなんだろうってこちら側に考えさせられる終わり方が度々。

    将来、子供に何度も何度も読み聞かせてあげて、大人になった時にふと思い出してほしい一書。

  • 宮沢賢治が、衰弱した体で死ぬ間際まで人に農作業のことを教えていたという話を覚えていて、無私の精神でその命を全うした人なのだということはなんとなく知るところだったが、読んでみてより深く彼の人となりを感じとることができた。
    彼の哲学や宇宙観がこの作品の柱だ。童話的な優しい語り口の中にある話のスケールの大きさには驚かされる。人の生き方の是非について問い、輪廻思想を説き、蠍の火の話は、まるで仏教説話の捨身飼虎のようだ。
    しかし天気輪やら電気栗鼠やら、作品を通して散りばめられた造語の数々は特別な雰囲気を醸し、全体としては美しいファンタジーに帰結する。

    1985年のアニメ映画『銀河鉄道の夜』がとても良かったので、鑑賞直後に読んだ。比較して読むと、大筋や台詞は原作に忠実ながらかなり原文と違う印象に描かれているところもあり、映画独自の演出が考え抜かれたもので且つとても優れていることがわかった。

    カンパネルラのお父さん、原作でも映画でもやや冷静すぎる印象で不思議だという印象が残っている。でも書かれた当時(明治中期くらい?)の農村の幼児死亡率は今より相当高かったはずだから、案外父親もあっさりしたものなのか。それとも、彼は達観した存在として描かれていて、宇宙のことや魂のゆくところを知っているからなのか。

    宮沢賢治の他の作品と、研究されてある本をもっと読まねばと思った。

  • 宮沢賢治による著名な短編のうち、生前未発表に終わった作品より厳選し、原稿を当時ご存命だった原著者の弟さんの協力も得て精査した上で、取り上げられた短編集。本書の正文批判のコンセプトはかなり独特なので、他の出版社で読んだことがある短編が入っていても「こんなシーンあったっけ?」の連続になると思う。一度読んでみることをお勧めする。

  •  すごく素敵な作品だけど、自分の読解力不足のため、星3です。
     印象に残ったのは『貝の火』で、いつまで経っても謙虚な姿勢が大事だと思った。自分は社会人2年目で、去年に比べて謙虚さが足りていないと、反省。
     銀河鉄道の夜は、すごく素敵な描写が多かったけれど、なにが伝えたかったのかが、難しかった。
    自分なりの解釈では、カムパネラは大切な友人を守りきることができなかったからなくなったのではないかと。現実世界では罪の意識もあって川に飛び込んでしまったのではないかと思った。宮沢賢治のいう『ほんとうの幸い』とは自分の一番大切な人と時間を過ごすことではないかなと思った。

  • 2020/9/13 読了

  • 美しい風景がいっぱいでした。

    ただきらきらと読んでいたが、
    関連本もたくさんあると知り、
    それらを手に取り、
    もっと深く楽しんでみたいと思いました。

    プラネタリウムの映像も見たいな~(^^)

  • 今期のドラマ「偽装不倫」で何度か出てきて、気になったため購入。
    未完のためか、分かりづらい。私も、本当の幸せを探そうと思った。

  • おきなぐさ
    双子の星
    貝の火
    よだかの星
    四又の百合
    ひかりの素足
    十力の金剛石
    銀河鉄道の夜
    注釈 大塚常樹
    解説 河合隼雄
    年譜 中村稔

  • 宮沢賢治のいくつかの作品が入っていて全て大人でも当てはまるだろう教訓のようなものを僕たちに教えてくれていると感じた。
    また、銀河鉄道の夜は1度読んだ時は全く訳が分からず終わってしまったが中田敦彦のYouTube大学を見て思い返すとそうだったのか!などととても分かりやすくなって良かった。
    人のために生きることが自分は出来ているのだろうか、

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著者プロフィール

1896年(明治29年)岩手県生まれの詩人、童話作家。花巻農学校の教師をするかたわら、1924年(大正13年)詩集『春と修羅』、童話集『注文の多い料理店』を出版するが、生前は理解されることがなかった。また、生涯を通して熱心な仏教の信者でもあった。他に『オツベルと象』『グスグープドリの伝記』『風の又三郎』『銀河鉄道の夜』『セロ弾きのゴーシュ』など、たくさんの童話を書いた。

「2021年 『版画絵本 宮沢賢治 全6巻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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