- Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041040058
作品紹介・あらすじ
亡くなった妹トシを悼む慟哭を綴った「永訣の朝」。自然の中で懊悩し、信仰と修羅にひき裂かれた賢治のほとばしる絶唱。名詩集『春と修羅』の他、ノート、手帳に書き留められた膨大な詩を厳選収録。
感想・レビュー・書評
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夏フェア本で、永訣の朝とサキノハカが収録されていたので、購入してみた。やっぱり詩集はようわからん。もしかしたら宮沢賢治以外の思惑がはいっているがためによりわかりづらい詩集になっているのかもしれない。春と修羅は妹の喪失、故郷への想い、政治や思想や体制への皮肉めいたものを感じる。詩稿補遺、文語詩稿はこれが世の中にでることは宮沢賢治は望んだのだろうかと思う気持ちがどこかにある。あれだけ推敲を重ねる人だから、それは決して本意ではないように思える。
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p.1995/7/3
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基本的に詩集は理解しづらいですが、「永訣の朝」は高校の時に授業で使われた作品で、今回はその懐かしさで購入した感じです。
読んでみて思ったのは、家族のことや農業のこと、そして地元のことを取り上げた作品が多いことです。結構難解な言葉も溢れていますが、その中でそっと宮沢賢治の日常を垣間見れたことは良かったです。 -
「雨ニモマケズ」は好きな詩で、一度他の詩も読んでみたかった。
※2020.2.19購入
2004.5.23売却済み -
難しくて何言ってるかわかんない時も多々な宮沢賢治さん。だけど岩手の光景が目に浮かんで懐かしい。すごく繊細な感性をもった秀才だったことがわかる。この切ない描写が岩手の自然にすっと馴染む気がして郷愁をさそう。
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暗すぎる。年の瀬に読むものに非ず。「雨ニモマケズ」でさえ色褪せていく。
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アラムハラドを読んで、これは宮沢賢治をもう一回読み直さなければ、彼を誤解したままに終わってしまう、そうと思って。
やはり、彼は「わかって」しまった人なのだと思う。そして、すべての人を善くするために、理性が彼を突き動かした。どんなつらくても。しかし、彼の身体はそれほど丈夫ではなかった。そこが彼の弱みであったのかもしれない。善く生きるためには、まずは生きねばならない。死んでは善く生きられない。
たとえ理解されなくても、粘り強く、何度も。彼は農民と語り続け、死ぬその時まで書き続けた。それが、彼の善く生きた証となって、今も生きている。
はじめの作品は彼の生の声が、物語のように加工されることなく語りつけられている。しかし、年が下るにつれ、それは徐々に洗練され、文語詩に至ってはとても格調高いすばらしいものに仕上がっていると感じる。
自己犠牲や日蓮宗、妹との関係など彼を語る上では欠かせないように、あるいは彼の行動の原因のように語られるが、決してそれらが原因ではない。彼の行動は、彼の善く生きる結果であることを強く感じた。 -
配置場所:摂枚文庫本
請求記号:911.56||M
資料ID:95970315 -
日本の純文学にも興味があり、最近、読み返すことの事の多い1冊です。
彼の詩の中で、今、1番好きなのが、彼の妹に対する思いを込めた作品です。
「お茶碗にすくった雪」
...情景を想像すると、思わず涙してしまう、そんな切ない表現が素晴らしいです。 -
「サキノハカという黒い花といっしょに」という無題の詩。心に突き刺さります。大声で繰り返し音読していると、家族に煩がられます。