ラスト・ワルツ (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店
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本棚登録 : 1066
レビュー : 98
  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041040232

作品紹介・あらすじ

仮面舞踏会、ドイツの映画撮影所、疾走する特急車内――。大日本帝国陸軍内に極秘裏に設立されたスパイ組織「D機関」が世界を騙す。ロンドンでの密室殺人を舞台にした書き下ろし短編「パンドラ」を収録!

感想・レビュー・書評

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  • 面白かった
    「ジョーカー・ゲーム」の第4弾!
    帝国陸軍内の秘密裏に設立されたスパイ組織「D機関」が世界で広げる諜報戦。
    本作では4編の短編が収められています。

    ■ワルキューレ
    ナチス支配下のドイツでの映画制作現場での物語。
    冒頭のシーンはいきなりのスパイアクションで、D機関ってこんな感じだったっけ?と思いきや、実はそれが映画のワンシーン。

    映画を利用してナチスのイメージを確立しているゲッペルス。その映画業界で映画を取る逸見。映画スタッフ。そして、日本大使館の内装屋として潜入したD機関の幸村。
    日本大使館に設置されたたくさんの盗聴器の謎。
    ゲッペルスの謎の発言。
    それらの意味するところは?といった展開です。

    ■舞踏会の夜
    陸軍中将の妻となった顕子の目線で語られる物語。過去、ある男にピンチを救われた顕子はその男と再び出会うことを期待して舞踏会へ。
    しかし、その真相は?といった展開です。

    ■パンドラ
    密室での発見された死体。自殺か?他殺か?
    たった一人、ヴィンター警部だけは、殺人とにらんで、捜査を命じます。そして犯人が明らかになりますが、その背後にあったものは?

    ■アジア・エクスプレス
    満州の特急車内で繰り広げられる、D機関の瀬戸とソ連の暗殺者との攻防になります。
    社内で瀬戸の協力者が殺害されます。ソ連の暗殺者は誰なのか?

    今までのシリーズ同様、エンターテイメントとして楽しめます。
    スパイもの好きな方にはお勧め!

  • シリーズ1作目『ジョーカー・ゲーム』が非常に良かったがために、惰性で読み続けて第5作目。

    スパイモノはもともと好きだけど、こちらのD機関はかつて日本に実在した陸軍中野学校をモデルにしてるというのもあって、一段と楽しめる。(本当にみんながこんな超人だったのかは疑問だけど)

    しかしこちら5作目の出来はソコソコです。娯楽として読み捨てるにはちょうどいい。

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    121
    「軍人は政治をやりたがる。政治家は戦争をやりたがる。そして、どちらも必ず失敗する」

  • 2019年、22冊目は、今年になって読み始めた、「ジョーカー・ゲーム」シリーズの第4弾。現在発刊済みの最新作に至る。

    あまり重複表現が好きではないので、今回、概要は割愛します。

    さすがに、4作目となると、フルイに残った者が読むモノ、となってくるトコを逆手にとったのかな(?)と言う印象もあり。「ジョーカー・ゲーム」シリーズのスパイ・ミステリーの基本路線を踏襲しながら、ロマンスや、純ミステリー、エンタメよりに振ってきたりもする。

    個人的には、第1章「ワルキューレ」のエンタメ感と、変化球的な、第2章「舞踏会の夜」は、かなり引き込まれた。「ワルキューレの夜」はエンターテイメントだし、点が線をなすし、結城中佐の他にも、優秀なスパイ・マスターが日本帝国軍にいるコト匂わすし……etc。一方、第2章「舞踏会の夜」はほろ苦い、中年の純なロマンスの皮を被ってるし……。

    悪くない。4編とも違う面白さあるのよ。でもね。この並びに違和感を感じちゃう。前半偏重型に過ぎるんじゃないかな⁉️「D機関」の基本的教えで、今回もページ割くのが、ラストの「アジア・エクスプレス」ってのが……。

    短編集、もちろん、連作短編集って、並び順って印象的にも大事だと思う。個人的には、この並び順が評価伸び悩みの要因の大きな肝にも思えるんだけど……。

  • 4作目。ちょっと期待しすぎたかな。やっぱり1、2が1番面白かった。3、4はマンネリ気味でさらっと読み終わってしまった。次はD機関全員での大作お願いしたいw

  • 短編集であり、登場人物の背景が細かく描かれるわけではないのでサラサラ読める。スパイたちの日常、私たちの日常のもしかしたらあるかもしれない裏側をのぞいている気分になる。”得意な形に持ち込めばせいこうする”という思い込みは恐ろしい。

  • ジョーカー・ゲームのシリーズ、なのでしょうが、登場人物に「D機関」に人と明らかに出てくることは少ないです。読み始めるとあっという間でした。

  • ラスト・ワルツ
    柳 広司
    2019年3月4日読了。

    柳広司のスパイミステリー「ジョーカー・ゲーム」の第4弾。
    第二次世界大戦中、陸軍内に作られたスパイ養成機関。通称「D機関」超一流のスパイが世界で暗躍する。

    ワルキューレ
    ヒトラー政権下のドイツにおけるストーリー。
    ゲッペルズ宣伝省は映画を利用してナチス政権のイメージを確立させた大物だった。そのナチス映画業界で類稀なる才能で映画を撮る逸見五郎。ナチスのスタッフ。スパイとして日本大使館の内装屋として潜入した幸村。
    ある日ゲッペルズが映画撮影所に訪れて、最近「幽霊が出るようだが…?」と意味深な発言をする。果たしてその意図は。幽霊とは。

    舞踏会の夜
    珍しくD機関のメンバーはほとんど出てこない。
    華族の顕子の目線で物語が進んでいく。彼女はとある男に助けられた過去があった。その男とは…

    パンドラ
    イギリスで起きた密室での死体発見事件。
    操作は誰がみても自殺が濃厚。と見られていたが1人の刑事がこれは殺人だ。と睨み捜査を続ける。
    もう少しで容疑者に辿り着く間際、捜査は打ち切りに。その訳は一体…

    アジア・エクスプレス
    満州の「あじあ」という列車内で繰り広げられるスパイミステリー。

  • 物語も緻密だし、展開の見せ方がさらに読者をワクワクさせる。

  • 華族に生まれ陸軍中将の妻となった顕子は、退屈な生活に惓んでいた。
    アメリカ大使館主催の舞踏会で、ある人物を捜す顕子の前に現れたのは―。
    ドイツの映画撮影所、仮面舞踏会、疾走する特急車内。
    帝国陸軍内に極秘裏に設立された異能のスパイ組織“D機関”が世界で繰り広げる諜報戦。
    スパイ・ミステリの金字塔「ジョーカー・ゲーム」シリーズ!

  • タイトルからシリーズラストかな……と思ったが、どうも違ったようだ。「舞踏会の夜」が象徴化されたものか? 華族のお嬢様の気まぐれ。D機関設立前の結城中佐が登場。陸軍軍人の夫人となってからのスパイのまね事。壮大な年月を経て、中国戦線が厳しさを増す非常時局に最後と思われる仮面舞踏会。なかなかロマンチックな短編となった。「アジア・エクスプレス」は、D機関員らしからぬ隙が見て取れてハラハラしたが、結末はソ連の暗殺者を返り討ちにしてホッとしてしまった。

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著者プロフィール

1967年生まれ。2001年、『黄金の灰』でデビュー。同年、『贋作「坊っちゃん」殺人事件』で第12回朝日新人文学賞受賞。『ジョーカー・ゲーム』で吉川英治文学新人賞、日本推理作家協会賞長編及び連作短編集部門を受賞。他著に「ジョーカー・ゲーム」シリーズの『ダブル・ジョーカー』『パラダイス・ロスト』『ラスト・ワルツ』や、『新世界』『トーキョー・プリズン』など。

「2018年 『漱石先生の事件簿 猫の巻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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