妖奇庵夜話 グッドナイトベイビー (角川ホラー文庫)

著者 : 榎田ユウリ
制作 : 中村 明日美子 
  • KADOKAWA/角川書店 (2016年4月23日発売)
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  • レビュー :28
  • Amazon.co.jp ・本 (349ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041040362

作品紹介・あらすじ

人間と、妖怪のDNAを受け継ぐ妖人が共存する世界。妖人茶道家の洗足伊織は、家令で《管狐》の夷と、《小豆洗い》の美少年マメと慎ましく暮らしている。しかし、伊織に執着する《鬼》の青目にマメが襲われたことから、伊織は青目に対する危機感を強めていた。そんなある日、伊織のもとに、「妻子が妖人差別を受けている」と訴える《貘》属性の男・闇沼がやってくる。伊織は闇沼を救うため、洗足家の庭でホームパーティーを開くことにするが・・・・・・。天使のような美少年・マメの驚きの過去も明らかに。大人気妖人探偵小説第5弾。

妖奇庵夜話 グッドナイトベイビー (角川ホラー文庫)の感想・レビュー・書評

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  • グッドナイトベイビーという副題から薄々展開に勘づいてしまい泣いてしまった。

    でもこの作者は『最悪の事態』で終わらせてくれないから嬉しい。例えば死ぬまで行かないにしても、トウが完全消失というオチも有り得そうだが、最後はグレーになった。なんという円満解決。
    最初はあんなに悪い恐ろしい存在だったトウが、読んでいる側にとっても消し去り難い存在になった。だからこそ消えてはいけなかった。
    伊織がトウを憎めなかったのも(愛しく思っていたのも)、マメ=自分、トウ=青目と重ねていたからかもしれない。そう考えると、伊織も青目を殺すことができないのでは。
    一体どう決着をつけるのだろうか。

    どうでもいいけれど、地味に夷さんが人工呼吸をしていましたね……ふふふ……


    しかし毎回作者の文章の構成に本当に満足してしまう。
    最後の一文まで、綺麗。

  • 妖奇庵のマスコット的存在、マメが今回の主役でした。
    マメをはじめ、夷、脇坂等、伊織を取り巻く人々とのお茶の間風景が毎回楽しみなんですが、今回は胸がとても痛くなる出来事が…

    きっかけは柳沼一家が受けている差別のことを伊織に相談しにやって来たところから。
    その前後にも伏線があって、あちこちにはっとさせられるものが。
    黒いページと白いページと、そしてもうひとつのページに隠された意味も深いです。
    人は孤独と寂しさに追い込まれる生き物なのかも…
    グッドナイトベイビーというサブタイトルに、じーんときました。

    全体的には偏見によるいじめや差別が大テーマとなっていたのですごく重い印象でした。最後の最後まで、マメが心配だったし、青目がどう出てくるのかと気が気ではなかったです。
    でも、伊織のブレない判断力、洞察力にはさすがだと感心することばかりです。きっとどこかに弱さも隠し持ってるだろうに、確固たる意志を持って事を解決する姿はとても凛々しいです。

    そしてそんな伊織に影響され、ビシバシ鍛えられ、脇坂や甲藤らがどんどん精神的に成長してるのも楽しいところです。馬鹿復元力とか、脳味噌初期化とか…ww爆笑。
    そうやって揉まれて脇坂も甲藤もイイ男になってきていて、今後も楽しみです。
    次回はまた青目がまたどんな方法で伊織を苦しめようとするのか、気を引こうとするのか、心配です。

    初回限定の中村明日美子センセのコミックペーパー、話が乖離してるおかげでメイド姿を思い切り愛でることができましたw
    かわいい!

  • シリーズ第5弾。グイグイ引き込まれて今回も面白かった。『差別する側』『差別される側』例え無意識だとしても自分は差別をしてはいないかと考えてしまった巻です。後半にいくにつれ大好きなマメくんが辛く大変な状況に… 彼らが選んだ答えが切なくて悲しくて、涙しながら読みました。でも2人とも大丈夫なんですよね! しかし先生達の先の先を読み蜘蛛の糸のように罠を張り巡らせ、翻弄させる青目には恐怖しか感じられません。早く続きが読みたい!

  •  登場人物ほとんどはワケアリなのだが、単純に子供(じゃないけど)だと思っていた彼が…。
     
     実は、っていうあたりは、定番といえば定番だし、そのあともステレオだといえばステレオなのだけど、なんなんだろうな。ワケアリが、肩よせあってひっそりとがんばっていたのに、それを土足で踏み荒らすというか、用意周到に大雨で地盤を緩めておいてそれから重機もってきてぐちゃぐちゃにした、感じに怒った。

     あら、すっかり妖琦庵サイドに入れあげているわね、と我ながらびっくり。
     
     だからこそ、満を持してのマメくんの話だったか…。
     やられた。

     妖人の話は、ようするに<差別>と<区別>の問題になっていくのだろうな。
     そもそも、他者を自分は違う。
     それだけでいいのにね。そこに自分が入るカテゴリーを作り、他者を入れるカテゴリーを作るから、面倒になる。

     秩序は必要だけど、並べなければならないそれは、本当の意味では間違っているのだろう。

  • 秘されてきたマメの過去と、アウトロー”だった”甲藤くんだから取れるアプローチ。
    そして加害者が被害者になる恐怖と絶望

  • いつもニコニコ笑顔のマメの悲惨な過去
    生まれてしまった2つ目の人格
    トウはマメしか愛されていないと思っていたけれど伊織さんはちゃんとトウも愛していたんだね
    話の間の真っ黒のページが少しずつ明るくなっていくのがまたなんとも言えない

    青目さんもなんだか思惑がぐちゃぐちゃになっていて伊織さんをどうしたいのか分からなくなっているのが切ない

    小説を読む前に読んでしまったショートコミックの意味がやっとわかった

  • 読むのがもったいなくて積んだままにしてた本。
    今回も面白かったといえば面白かったけど、個人的にはイマイチでした。
    いつもニコニコな子には悲惨な過去が!!別人格が!!ってなんだかなぁ・・・。

    今回も青目は元気だなぁ。甲藤がレギュラー昇格?でよかった。

  • マメにこんな辛い過去と秘密があったとは・・・。そんなマメにつけこむ青目だけど、彼の黒さは、もうどうしょうもないのかなぁ。洗足を守るための暴力でもあった青目と自分を守るためにトウという存在を生み出したマメ、一人は暴走し続け、一人は救われて。同じように妖琦庵にやってきた二人なのにな・・・。対比的に書かれているからこそ、青目もどうにかならないのかと思ってしまう。トウのように・・・。洗足と青目の関係が明らかになってくるにつれ、いずれ来るだろう彼らの決着がどうなるのかも気になる。

  • マメの隠された過去を利用して暗躍する青目.翻弄されるかに見えるいろいろな事件も強い信頼の中で,さらに新しい信頼を築いていく.伊織がその優しさと厳しさで青目の闇を払えるといいのだけれど.

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