- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041041062
作品紹介・あらすじ
京都にひっそりと暮らす女性作家には、忘れられない男がいた。妻子がいながらも、女癖が悪く、夢を追いつづけた男は、彼女の身体と心に燃えたつような快楽の痕を残していた。夏のある日、取材で幽霊が見えるという老女に会う。愛する男を必ず喪うという数奇な運命に翻弄される老女の話を聞くうちに、封印したはずの愛の記憶が蠢きだす……。古都を舞台に、男女の愛欲と情念が絡み合うさまを、艶やかな筆致で描く。
感想・レビュー・書評
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エロスとホラーの融合作品。
職業としての『墓守』の話、何とも興味深く、男女の業云々よりもそちらの話がもっと読みたくなってしまった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
初の花房観音さん。個人的には最後の星野さんはちょっと寂しいかな。なんで関係もった後に突き放すようなこと言うんだろ。最初から知ってたなら、しなければよかったのに。結局きもちいことしたいだけなのって。わからないでもないけど、自分が優位に立ったように言い捨てて帰っちゃうのはさすがに寂しいよ。
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これまで客観的な視点で描いた小説が多かった著者が、珍しく自分自身をモデルに主観的な視点で描いたような小説。これまでの文学的性愛小説とは一味違うホラーテイストの性愛小説に仕上がっている。作品の中で東日本大震災にも触れていることから、震災の影響が作風の変化にも現れているように思う。
幽霊を見たいという主人公の女性作家と幽霊が見えるという老女の性愛の物語が交互に綴られ、主人公が導き出した答えとは…
京都の歴史と先人たちの思いを感じさせる風景と老女の語る奇妙な物語がより一層男女の関係の恐ろしさを際立たせている。 -
一緒になれなくても、永遠の別れがあっても、本気で愛した男はその男ひとりだけだったと言えるような恋をすることは幸せなんだろうか。 長年一緒に暮らし、馴れ合いになってしまうような夫婦だったら、前者の方が女としては幸せなんだろう。 でも、女として、母として、人としてと、一人の人間でもいろんな側面があり、いろんな形の幸せがあると思うから、あまり現実的ではないような。 と言っても、身も焦がれるような激しい恋をしてみたい気もする。
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京都旅行中に京都を舞台にした本を手にとってみたのが本書。著者の著作は初めて読んだ。
自分の価値を男に依存することと、人肌恋しいこととはちょっと違うと思うのだが、女性(著者)にとっては、苦しい恋愛というカテゴリーで同じことなのか?
若い頃には、ダメな男から離れられない女のストーリーを聞いたり読んだりすると、無意味に嫉妬や無力感を覚えた。久しぶりにそんなストーリーを読んで、若い頃の気持ちを思い出したものの、同じ気持ちにならない自分をおっさんになったと感じた。
それでも、最後の約10ページは蛇足だと思う。また、文庫は解説も楽しみにしてるのだが、(私の解釈が違うだけかもしれないが)解説者が本書を理解しているようには思えず、解説が面白くなかったことも残念。 -
花房観音の4冊目を読んだが、これは、ストーリー性も低く面白くなかった。題名の意味もわからない。
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