ドラゴンフライ (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店
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本棚登録 : 156
感想 : 18
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  • Amazon.co.jp ・本 (560ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041041123

作品紹介・あらすじ

多摩川で発見された男性の猟奇死体。鏑木率いる4人の特別捜査班が事件を追い、トンボの里として有名な群馬県の飛龍村へとの関係を突き止める。だが、ダム建設と幻の巨大トンボを巡る謎に巻き込まれ……。

感想・レビュー・書評

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  • 話の展開が面白い。
    最初から最後まで予想がつきませんでした。

    真実ってとても難しいものです。

  • 一作目飛ばして、二作目のドラゴンフライから読んだ(一作目が書店の在庫になかった)けれど充分に、楽しめた。

    これまでそれなりに刑事小説を読んできたけど、また新たなお気に入りが増えた。いいぜ!チーム鏑木!(笑)特に、チャキチャキの江戸っ子の正木さん、べらんめぇ口調が面白いし刑事っぽくなくて、岡っ引きぽい(笑)手錠じゃなくて、十手持ってそうだもん(笑)

    多摩川で発見された遺体をきっかけに、群馬県のとある村に住む幼馴染み三人の関係と過去、ダムの建設と汚職、物語のキーポイントとなる”トンボ”などいくつもの内容へと広がりを見せて、かつそれらが複雑に絡み合い混迷しながら展開していくので、真相がなかなか見えてこなくて、もどかしい思いがした。だけれど、そのもどかしい思い(はやく、真相に辿りつきたい!という)がページを次々と、読み手に捲くらせていく感じがした。

    伏線の回収も最後の方で連続して描かれているのでスッキリしたが、本当のラストはどうなったかが読み手の想像にお任せ的な感じだったので、そこをもう少し描いて欲しかったなー。という印象。

  • トンボの故郷 飛龍村 奥の沢。
    沢山の種類のトンボが、飛び交い。
    その中に ムカシトンボもいた。

    それが 巨大なダムがつくられることで、
    飛龍村も ダムの底に 沈んでしまう。
    反対運動が強く、長い時間をかけて、建設がすすみ
    8800億円もの投資となった ダム建設だった。

    トンボが好きな 遊介。同級生の 健。
    そして、眼が見えない 泉美。
    遊介と健は 年下の泉美をかわいがっていた。
    そして、二人とも 泉美を守ってやろうとしていた。
    は トンボが縁で 友達になり、
    3人は 巨大トンボ メガネウラ を見る。

    遊介は、公務員に。健は 建設設計会社を経営。
    遊介が アジの開きのように 内蔵は切り取られ
    焼かれて 死んでいたことから、
    飛龍村に 隠されていた事件が 暴かれていく。

    デッドマンで活躍した 鏑木警部補、正木、姫野、澤田が
    『アジの開き殺人事件』を解明しようとする。
    それは、泉美の 幼い頃に 両親が殺された 20年前の事件は
    すでに時効になっているが、遊介殺人事件と関連性があると思われた。

    登場人物が少ないので、誰が 犯人なのかは
    推定できるが、その推定を 覆しながら、本当の犯人を見つける。

    ミステリーとはいえ、トンボにまつわる話が、蘊蓄で語られ、
    あいかわらず 正木は オヤジダジャレで 健在である。
    鏑木は 違和感をかんじる という独特の勘で 事件を解明する。
    泉美の 太陽のような笑いが 人を惹き付ける。
    それぞれのキャラクターが きちんとしているので 複雑にならない。

    物語を編集する力が 巧みで、様々な伏線が 
    ひもとかれていく。

  • シリーズ第2弾。

    相変わらず、ついに超常現象に走ったかと思うような謎が謎を呼ぶ、先の読めないミステリアスな警察小説である。

    プロローグに描かれる山中で遭難した男が体験したSFのような出来事、三人の子供たちが目撃した太古に絶滅したはずの巨大トンボ、多摩川の河川敷で発見された猟奇死体。物語はどう繋がり、結末がどうなるのか、果たして全てを回収出来るのか不安になるほどのミステリアスな材料の数々。

    今回も鏑木警部補が率いる特別捜査班が時には強引な捜査と紆余曲折の末、事件の核心に辿り着く。

    半ば強引な展開もあるが、全く先が読めず、読み進むうちに早く結末を知りたいという欲求が増していく、不思議な魅力を持つ作品。

  • 序盤で子供たちが登場したことで切ない物語を思い馳せた。読み応えがありました。

  • 鏑木特捜班が事件を追う第二弾!
    腹を裂かれ内臓を抜き取れた遺体発見
    トンボのネックレスから群馬へ
    追いかけるとトンボがつねに付きまとい
    一作目以上に事件の真相は深くて楽しめました
    犯人が狙った完全犯罪もすごいものがある
    それにしても鏑木班の面々がいい!

  • 2018/2/9初読み。強引なところはあるが、いっきに読まされた。

  • 鏑木特捜班の2作目。
    またあの4人の活躍が読めると思うとうれしい!

    とんぼまみれのこの話は、わかるんだけどわからない感じがもどかしいというか…。そして最後まで読んでからもう一回読むと、同じ言葉でも違って受け取れるからすごい。

    ずっと掛け違ったぼたんが直せなかったようなお話でした。どっか1個違ってたら、幼馴染の彼らはぜんぜん別の人生になってたんだろうなとか思ったり。
    でも相手がいるから、直そう、直した方がいいと思ってもなかなか難しいこともあるんだろうなあ…。

  • 前作「デッドマン」に続くシリーズ二弾。東京多摩川の変死事件を追う鏑木特捜班は群馬県のダム建設と伝説の大型トンボに事件との繋がりを見出すが―。冒頭から投入される数々の謎は前作以上のスケールを保ちながら展開され、鏑木班のキャラクターは前作同様悪くないし、様々な要素を詰め込んだのに上手くまとまっている。しかし、それ故に全体的に散漫な印象が否めない。展開も前作同様漫画チックで、最後駆け足なのも配分のバランス不足に思える。しかし、どうして小説家は金持ちで美形で頭脳明晰な警察官というキャラクターが好きなのだろうか…?

  • デッドマンで衝撃を受けての二作目。期待を裏切らない最上のミステリでした。これは3作目も早々に読まねば・・・
    あらすじ(背表紙より)
    多摩川の河川敷で臓器を抜き取られた猟奇死体が発見された。警視庁捜査第一課の警部補・鏑木率いる4人の特別捜査班は、現場に残されたトンボのネックレスを手掛かりに群馬県の奥地の村へ向かう。やがて被害者は村出身の青年・遊介と判明。20年前に起きた夫婦殺害、ダム建設反対運動、巨大トンボ伝説など、事件との関連が次々と明らかになり混迷を極めていく。鏑木班は遊介の幼馴染みである泉美と建のふたりに事情を聴くが…。

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著者プロフィール

河合莞爾
熊本県生まれ。早稲田大学法学部卒。出版社勤務。
二〇一二年に第32回横溝正史ミステリ大賞を受賞し『デッドマン』でデビュー。他の作品に『豪球復活』(講談社)、『デビル・イン・ヘブン』『スノウ・エンジェル 』『ジャンヌ』(祥伝社)、「カンブリア」シリーズ(中央公論新社)などがある。

「2023年 『カンブリアⅢ 無化の章』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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