ダンデライオン (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店
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本棚登録 : 46
レビュー : 7
  • Amazon.co.jp ・本 (429ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041041130

作品紹介・あらすじ

タンポポの咲き誇る廃牧場で発見された死体は空中を浮遊していた。また都心のホテル屋上で起きた殺人事件では、犯人が空を飛んだかのようにいなくなっていた……。二つの事件を結ぶ意外な秘密とは!?

感想・レビュー・書評

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  • 鏑木警部補チームの3弾目。
    今回は 姫野の 過去に焦点が すえられていく。
    そして、より洗練されていく警察小説。
    主眼は 警察ではなく その事件のもつ物語性を語ろうとする。
    河合莞爾の優れた手法は 時系列を 巧みに 操って、
    過去の事件を浮かび上がらせ、現在の事件とともに、
    解明する。
    今回は 姫野の父親の殺害、牧場での空飛ぶ死体、
    屋上での開放密室ヤキトリ事件の三つが重なる。

    『空飛ぶ少女』の童話の導入。
    宮崎駿の 空から堕ちてくる少女 とリンクするが、
    その童話は、幸福には 満ちていない。
    三つの作品を見ても、解決することで、
    幸せになるかと言うと そうではない 苦みがある。

    たんぽぽ。野に一面に咲いたら、素晴らしい光景になるだろう。
    その愛らしさが ダンデライオンとなり ライオンの牙とは。
    たんぽぽが あふれる国が ユートピアであるが
    それは 理想郷や桃源郷ではなく 何もない絶望の国とは、
    言葉の質が 変遷していく。
    たんぽぽの奇形で 原発反対運動を起こそうという企みも。

    空を飛ぶ から 和服、呉服の話となり
    なぜ 日本の着物は 振り袖が大きいのか?
    という蘊蓄、
    空飛ぶのに 重力が関係しているという ベルヌーイの定理
    を使ってしまうのも、かなり オタク である。

    元原、斎木、そして 巽。
    それぞれが、独特の存在感があることで、
    物語の 重厚さを つくっている。
    次の作品が 楽しみだ。

  • 奇妙な事件ばかりを描いた警察小説シリーズの第3弾。シリーズを重ねる度に確実に面白くなっている。それだけに次は一体どうするんだろうというお節介な不安も…

    過去と現在とを交互に描きながら、全く違和感の無いテンポ良く展開するストーリー、全ての謎が綺麗に回収されていく心地良さと魅力的な登場人物。見事と言うしかない。

    東京の山間部の廃牧場のサイロで見付かった16年前に失踪した女子大生の変死体。さらには汐留の高層ホテルの屋上で起きた議員秘書の焼死事件。警視庁捜査一課の鏑木班が二つの変死事件の謎に迫る。

  • 評価は4.

    内容(BOOKデーターベース)
    東京の山間部、廃牧場のサイロで、16年前に失踪した女子大生・咲の死体が発見される。咲は胸を鉄パイプで貫かれ空中を飛んでいるようだった。翌週には、湾岸の高層ホテル屋上で殺人事件が発生。犯人は空を飛んで逃げたかのように姿を消していた。警視庁捜査第一課の鏑木班は、二つの事件に公安部の影を感じながらも、密かに捜査を進める。やがて、咲がかつて在籍していた「タンポポの会」という環境サークルにたどり着くが―。

    流石にシリーズ化されるだけ有り安定の内容だった。
    しかも公安を出し抜いちゃうのは爽快だった。

  • 鏑木・姫野・澤田・正木、警視庁シリーズ第3弾。

    あらすじ
    牧場だったサイロの中に、16年前の死体が見つかる。女子大生だった被害者は、幼い頃の姫野の隣人だった。さらに、事件が起き、どうやら大学サークルでの環境活動に原因があるらしい…。

    ダンデライオンはタンポポのこと。ストーリーではときどき都合よすぎかな?と思うところもあるけど、さくっと読めるし、だんだん登場人物のやりとりが楽しくなってくる。

  • シリーズ第三弾。今作も変死体の謎から始まる物語。期待を裏切らない最上のミステリでした。
    あらすじ(背表紙より)
    東京の山間部、廃牧場のサイロで、16年前に失踪した女子大生・咲の死体が発見される。咲は胸を鉄パイプで貫かれ空中を飛んでいるようだった。翌週には、湾岸の高層ホテル屋上で殺人事件が発生。犯人は空を飛んで逃げたかのように姿を消していた。警視庁捜査第一課の鏑木班は、二つの事件に公安部の影を感じながらも、密かに捜査を進める。やがて、咲がかつて在籍していた「タンポポの会」という環境サークルにたどり着くが―。

  • 人が空中で殺されるという、不可思議な事件が興味を惹きます。民間伝承が絡むあたりから「マスターキートン」「バチカン奇跡調査官」を連想しました。

    中盤までは少し緩慢な展開が続く印象でしたが、それ以降は一気にちりばめられた要素が収束していきます。そこからはページをめくる手が止められないくらい惹き込まれました。

    ただ、夢と咲の件はなんとか納得できましたが、八木百合香の存在はちょっと不満というか、納得がいかなかったです。これがアリならトリックとしてはなんでもアリのように思われて、ズルいなーと思ってしまったので…

    あとはヒメを除く鏑木捜査チームメンの描写が薄く感じられたのですが、あとがきで本作がシリーズ3作目と知って…多分、前作や前々作を読んでいたら印象が違っていたのだろうと思います。

  • 楽しく読みましたが、ストーリー展開など強引すぎる内内容。

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