- Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041041147
作品紹介・あらすじ
なぜ彼女は、『枕草子』を書いたのか――。28歳の清少納言は、帝の妃である17歳の中宮定子様に仕え始めた。華やかな宮中の雰囲気になじめずにいたが、定子様に導かれ、その才能を開花させていく。機転をもって知識を披露し、清少納言はやがて、宮中での存在感を強める。しかし幸福なときは長くは続かず、権力を掌握せんとする藤原道長と定子様の政争に巻き込まれて……。清少納言の心ふるわす生涯を描く、珠玉の歴史小説!
感想・レビュー・書評
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「千年の黙 異本源氏物語」という紫式部視点での物語を読んだことがあるが、これは清少納言(中宮定子)視点なので、読み比べをしている感じが面白かった。
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大河ドラマその他のおかげでマイブーム平安時代が続いてるうちに、教科書でさわりを読んだ程度の『枕草子』をちゃんと読もうと思っていたのだけど、図書館は予約待ちでなかなか届かないので、ひとまずこちらの小説を読むことに。本作は清少納言が主人公、中宮定子様の女房となった彼女が、定子様のお人柄に惹かれ尽くすうちに枕草子を書くことになる物語。
私は大河ドラマの、ファーストサマ―ウイカ演じるイケイケの清少納言ききょうさんが大好きなのですが、こちらの清少納言は才女ながらも性格は引っ込み思案で控えめ、容姿や年齢(女房としてはアラサーは年齢高め)にコンプレックスがありつつも、恋愛については相思相愛でなければ結婚しないという頑固な意思の持ち主。最初の夫とは離婚、次の夫とは死別、三度目の結婚までに藤原実方、藤原斉信、藤原行成らと浮名も流すあたり、なかなかのモテだと思うのだけど、本人は自己肯定感低め。
個人的に本書の清少納言のキャラクターは、私にはちょっと掴みにくかった。結婚歴や恋愛遍歴だけざっと見るなら、大河のイケイケ少納言のほうがキャラとしては説得力ある気がする。しかし本書の清少納言はどこまでも引っ込み思案。無論そういう内向的な面がなければ、書物を書くことはできなかろうとは思う反面、彼女のうじうじいじいじしたところに、少々イラっとしたりもしてしまった。つまりあんまり彼女を好きになれなかった。
とはいえとにかく清少納言といえば、定子さま推し!定子様尊い!なところはブレず。その気持ちが枕草子を書く原動力となるのはこれもう史実。その背景にあったことを知る面白さはありました。 -
枕草子のできるまでの、清少納言のみた世界。
カラッとしたサバサバした女子の平安エッセイ
と思っていたら、切なくなりました。
和歌もたくさんでてきて、おすすめします。 -
源氏物語と枕草子、両者を読んだ時に枕草子の方が奥が深いと感じ、清少納言には興味があった。「こう言ったら褒められた」とか「こんなことするなんてダサっ」的な内容で、やっぱり鼻につくな~と思いましたが、それが定子のイメージアップ戦略だったとしたら、やはり優秀な参謀だったのだと思う。有名な歌が随所にちりばめられていて、解釈はもちろん、どういう状況で詠まれたものなのかもわかり、勉強になった。
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平安時代に生きた清少納言の物語です。
なぜ、「枕草子」を書こうと思ったのかが描かれています。
永井路子さんの「この世をば」で、藤原道長の物語を読んでおり、人間関係やしきたりなどの予備知識があったためすんなり読めました。
歴史小説ですが、文体は読みやすかったです。 -
枕草子の裏方本のような作品。清少納言がどんな気持ち、どんな経緯で枕を書いていたかがリアルに描かれている。
時代が違いすぎることもあって共感しにくいところも多々あるが、主君の定子をひたすら褒めて愛する感じは現代の「推し」活さながら。批判もあったようだが、逆境に負けず真っ直ぐに推しを信じ抜く人生は楽しそうで眩しく思えた。 -
前から気になっていたけど、来年の大河もあるし友人も読んでいたので。
清少納言が語り部の、生い立ちから定子様に出会って別れるまでの話。一乗の法とか香炉峰の雪とか知っている言葉の意味を初めて知った。俺は愛の話が大好き。