代体

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店
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本棚登録 : 328
レビュー : 53
  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041041260

作品紹介・あらすじ

『百年法』(第66回日本推理作家協会賞)から4年。新たに現代社会に問いかける衝撃の問題作にして、一気読み必至のエンターテインメント大作!
人工知能が実現しつつある現代に生きる全ての人に問う――「あなたは、本当にあなたですか?」

近未来、日本。そこでは人びとの意識を取り出し、移転させる技術が発達。大病や大けがをした人間の意識を、一時的に「代体」と呼ばれる「器」に移し、日常生活に支障をきたさないようにすることがビジネスとなっていた。
大手代体メーカー、タカサキメディカルに勤める八田は、最新鋭の代体を医療機関に売り込む営業マン。今日も病院を営業のためにまわっていた。そんな中、自身が担当した患者(代体を使用中)が行方不明になり、無残な姿で発見される。残される大きな謎と汚れた「代体」。そこから警察、法務省、内務省、医療メーカー、研究者……そして患者や医師の利権や悪意が絡む、壮大な陰謀が動き出す。意識はどこに宿るのか、肉体は本当に自分のものなのか、そもそも意識とは何なのか……。科学と欲が倫理を凌駕する世界で、葛藤にまみれた男と女の壮大な戦いが始まる!

感想・レビュー・書評

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  • 割と面白かった。倫理的に重苦しくしなかったのがある意味では良かったのだろうし、逆に深みを欠いてしまったような気もする。「ギフテッド」を読んだときにも思ったことだけれど、過不足ない落とし所になんとか帰結させた感じかな。

  • 今読み終わった。拍手喝采だ。
    ハードな部分とソフトな部分が織り交ざり、物語のトーンは若干統一性に欠けるところはあると思う。個人的な好みから言えば、もっともっとハードに攻めてもらいたかった。でも、エンタメに徹して人間賛歌を謳いあげるその心意気は著者の矜持なのではないかとも思う。
    そして、ラストには泣かされた。ベタだけど。でもいいじゃん別に。ベタでも。
    ハチやアリにはたぶん、確固たる集合意識はある。人間にもたぶん、気付かないだけでそれはあるんじゃないかと思う。
    ミクロとマクロ、低次元と高次元の壁は、きっとどんどん取り払われていくのだろう。その先に何が待っているのか。SFは本当に興味深いな。
    どちらかといえば「百年法」のほうが好みだけれど、負けないくらいに十分面白かったです。

  • 3月-4。4.0点。
    意識を『代体』へ移せる近未来。
    創設の科学者が、陰謀を考える。
    意識の暴走が。。。

    面白い。さすが、こう言うの書かせるとうまい。
    ラストもホロリ。

  • 長期入院、治療中でも社会生活が出来るように開発された仮の肉体という設定が妙にリアルでそう遠くない未来を感じさせる。エンタメとして読むと後半は少し失速気味な感じもするけどSF的な目線で見ると後半の方が面白い。特殊案件処理班の面々が良いキなャラをしている割にはさらっと流れているようでちょっと勿体無い感じがした。でも面白かった。

  • 2016.11 百年法と同じくすごい小説でした。

  • 前に読んだ「百年法」という作品はかなりの長編でしたが、非常に完成度の高い作品でした。

    今回読んだ「代体」という作品も非常にクオリティが高かったです。

    SFのようだけど近未来に本当に起きそうなリアルティもあり、長編にかかわらず無駄のないストーリ展開はすごいです。

    ハラハラドキドキのストーリ展開なのに、最後の一文だけで涙が溢れそうになりました。

    思わず「天才」という言葉を使って表現したくなる作家です。

    大満足の作品です。

  • 分厚いので読むのに時間かかるかな、と思ったらどんどんページをめくらされた。
    オチがすごいな、神はいたんだ、みたいな。
    あれだけ超然としたガインの、本当の心の中にあった願いが「あの向かいの家の子と遊びたかった」なのが、切ない。

    ただ残念なのは、自動運転する車があって、意識を別の体に移せるような技術が発達した世界なのに、「女性の平均所得が低いまま」というところ。そこだけなんで現代ぽいのか理解に苦しんだ。

  • 「~これは事実上の不老不死だ。倫理的にきわめて厄介な問題を突きつけられることになる。だが、現代の人間社会はそれに向き合うだけの準備ができていない。」序盤でこんな表現が出て来て、ふと「百年法」を思い出す。

    代体自体は発想としてそこまで特異ではないかもしれないが、そこからの派生がすごい。代体のエネルギー残量、代体の安楽死、クリンガやブランク、ラザロの存在、全人類の総和的な五感などといった概念。細かく挙げればきりがないが、膨大で魅力的な妄想がこの世界を構築している。これを発想して形にできることが驚異的。 「サトラレ」がヒットした当時、自分が「サトラレ」なんじゃないかと密かに思ったことのある人も多いかと思うが、これもまた似た思いを抱く読者が出てきそう。

    Φ次元移動の下り(これに関しては実在する理論なの?)では筧さんと一緒に脱落しました。 虚無の新世界の主についても、つい思いを巡らせてしまうが、細かい理論をまったく理解できていない己の頭がたてる仮説には全く信用がおけない。

    オウラさんがかっこいいのに、終盤急激に存在感が薄くなったのが残念。

    いろいろ小難しい要素の上に成り立つ物語だが、とりあえず「母親は存在自体が偉大」ってことでいいでしょ。

  • ぐいぐい読了。

    空間理論諸々、文系一辺倒のわたしにはイメージとしてつかみにくいところがあったのが残念。

    進化とともに倫理との闘いは避けて通れないんだなーと。
    意識を置き換えるという話は、刑罰0だったかな?西条奈加の作品でもあったなぁ。

    と、まとまりない感想。

  • 面白かった…。
    体に不具合があったとき、意識を一旦他の入れ物に入れておいて治療などを行えたらという発想力。凄いなぁ。全くの根っからの文系の私は、SF作品を読んでも理解しきれない場合が多い。今回もそう。感覚で読んでる部分も多かった。
    でも、終盤に向かって、物語の中の「スピード」と一緒に、理解しきれないのに読む早さも増していった。好きな話のときはだいたいそうなる。大事に読みたいけど、早さがましちゃう。「その世界」の景色が怖かったけれど、自分を顧みても、そんなものかもなと。思ってしまった。(ネタバレしたくないからみんな読んで。)

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プロフィール

1965年愛知県生まれ。筑波大学大学院農学研究科修士課程修了後、製薬会社で農薬の研究開発に従事した後、『直線の死角』で第18回横溝正史ミステリ大賞を受賞し作家デビュー。2006年に『嫌われ松子の一生』が映画、ドラマ化される。2013年『百年法』で第66回日本推理作家協会賞を受賞。その他著作に『ジバク』『ギフテット』など。

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