確率思考の戦略論 USJでも実証された数学マーケティングの力

  • KADOKAWA/角川書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (311ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041041420

作品紹介・あらすじ

世界屈指のマーケター&アナリストが、USJに導入した秘伝の数式を公開。

ビジネス戦略の成否は「確率」で決まっている。
その確率はある程度まで操作することができる。

八方塞りに思える状況でも、市場構造や消費者の本質を理解していると、
勝てなさそうに見える局面や相手に対しても勝つチャンスのある戦い方、
つまり勝つ確率の高い戦略を導き出すことができる。
その戦略を導き出すのが「数学マーケティング」である。

感想・レビュー・書評

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  • マーケティングを、差別化による顧客の獲得や、営業活動をせずに顧客を獲得する、というような文脈で見ている人には読む価値ありです。

    ・勝てる戦いを探す
    ・市場構造や消費者の本質=「消費者のプレファレンス」
    ・プレファレンスを高めるために活動すること。

    差別化は、そのための一手段にすぎない、ということを知れたの目から鱗でした。

    他にも、数学をベースとした貴重な考え方があるので、繰り返す読み直す価値ありです。

  • ■確率思考のマーケティング

    ■序章
    この人は自信満々なんだな。書き口はあまり好きでない。まあ本だからそこは無視すればいいか。
    数学マーケティングを学ぶことを目的としてて、ビジネスは確率で決まっていて、その確立はある程度のところまではコントロール出来るってことなんだね。
    マーケター及びストラジテストとアナリスト。おれにアナリストはたぶん向いてない。けどそれも知らないといけないというスタンスで読んでいこう。

    ■第1章
    •目に見えるものは現象に過ぎず、なぜなぜなぜと本質を捉えること。そしてそれはほとんどシンプルだということ。
    └そういうことを考える時間を確保することは大事なんだろうな。それを分析というんだろうな。まわりからみるとサボってるように見えるかもだけど。
    •で、それは消費者のプレファンス=相対的な好意度(ブランド、価格、製品パフォーマンス)ということ。すべてのものは消費者に縛られていると。いまやってるネット広告もそうなのかなあ。広告ってなんのためのものなのかとか考えてみてもいいのかもな。そうすると楽しさがわかったりして。

    ■第2章
    •ビジネスを拡大するには、プレファンスと認知と配荷だと。なるほどしっくりくる。広告はそのための手段だもんな。これはマーケティングの本だった。
    配荷とは、市場の何%の消費者がその商品を買おうと思えば物理的に買える状態にあるかという指標だそう。
    •そのバランスも実は難しいということなんだろうな。認知と配荷を試みた結果、プレファンスが減少するということもありえるから。
    •認知と第一ブランド想起率の意味合いの違い
    •caseとしてUSJのハリーポッターあげてたが、本の出版とインバウンド需要の安倍総理の来阪があったことをあげていて、あまりcaseとしてなりたってないんじゃないか笑
    •消費者のプレファンスを伸ばす戦略の話。MとKの式があって、Mは投票数のようなもの。それを伸ばすやり方は、水平と垂直がある。投票する人を増やすか、投票する回数を増やすか。
    •で、caseとして、USJの話。これはわかりやすかった。入場料金とかの兼ね合いが気になってきたけど。シンプルにMを伸ばすためには。を考え抜いた結果なんだね。

    ■第3章
    •マーケティングは出来るだけ確率をあげないといけない。
    確かに結局のところはやってみなきゃわからないのかもしれないが、実行する上で、その確率は担保できないとな。ただの実験じゃあるまいし、ビジネスなのだし。
    •認知率×配下率×過去購入率×エポークトセット率×年間購入率
    →目的)総世帯数×1年間に買う人×平均購入回数×平均購入額=年間売上
    •差別化などはあくまでMを増やすためのものだと肝に命じること。
    自己満になりがちだもんな、尖ることって。
    •製品パフォーマンスはリピートかトライアルかによって変わる。なるほどね。ぼったくりバーはトライアルにフォーカスした結果だわな。
    •「マーケターの仕事は値上げしながらもMを増やすこと」と断言してる筆者に感心した。
    プレミアムプライシングは、まわりまわって経済を良くするという背景のもとね。
    牛丼屋とかまさにその逆だよなあ。

    ■第4章
    •ここで急に実務的なビジネス論が展開されてきた。リーダー論とか。
    •左には冷静さ。右手には情熱。とこういうのは言われてきた。言われてきているということは、それはそうなんだろうな。その方法を知りたいとか思うけど、否応なくそういうものなのかもな。
    で、それをするしないを選ぶのは自分。そういう環境になったときに、するしないを一時的な気分で決めるのではなく、逃げずに決めていくということなのかもな。
    そういう環境にないときは、それはそれで良いのかもしれないとも思う。
    一時的な気分でそれを取りに行っても、本来の意志と反するなら、きっと自分自身では納得いかなくなって、トータルでみてうまくいかないということになる。
    と、最近は思っている。

    ■第5章
    •この章から7章までは今西さんによる市場調査の話。一度読んだだけでは理解できない。
    そういうものなのかと捉えておく

    ■第6章
    •需要予測の方法と実践について。これはテキストで読んでもある程度の理解までしかいかないな。こういういうのは自分で体験しないとわからないと思う。
    けど、ハリーポッターの例を読み込むことで、理解までは促進できる。知っているというところまではもっていける。
    •具体的なテストの例もあるので、じっくりと読み込むのも良い

    ■第7章
    •消費者データについて。気に留めておくべき大事なのは3つ。代表性があるか。必ず誤差を含むということ。聞き方や状況によってバイアスがかかること。
    •未来にかかわるデータは絶対値はあやしいが、相対値はわりと正しい。好き嫌いの順番は変わらないから。
    けど、注意も必要。値段による影響はどうか。選択肢が同等に比較できるか。票割れを起こさないか。
    •まとめをしっかり読んで理解するところからだな。言ってることはわかるという状態

    ■第8章
    •組織論。これまでの論を実行するための組織について説明している。
    こういうところまで説明するのは、きっと実務経験者だからできたことなんだろうな。

  • 良書。3つのテーマの新書が1冊にまとまって税抜3200円のような構成。

    1つ目のテーマは、マーケティングの予測数字を使った意思決定と組織はどうあるべきか。

    この一文、重要。
    「会社の重要な意志決定を消費者の代理人であるマーケターに委ねる覚悟もないのに、消費者プレファレンスにおいて勝ちにいく会社を夢想するのはやめた方が良い」


    2つ目は、既存の統計学と需要予測の関係。

    わかる数字から消費者の購買頻度の分布を予想して、頻度が変わるとどう売上に影響出るか、を予測できる…という話かな。

    NBDモデルの平均購入頻度が同じなら
    分布の形状が違っても売上は同じ、というのは重要。

    ある消費者一人の、長期間で見た単位期間のある商品カテゴリやそのなかのブランドの購入頻度はポアソン分布

    ある期間の消費者全体で見た購入頻度は負の二項分布(NBDモデル)

    消費者個人の単位期間のカテゴリ(またはブランド)の平均購入回数はガンマ分布。
    平均回数Mと、分布の形状を決めるKがパラメータ。
    既存の調査からMとKを出して、予測に使う…のかな。


    3つ目、
    Excelに入れて使える実例モデル。
    コールセンターのアーラン式みたいなものか。

    1 ガンマポアソンリーセンシーモデル
    2 負の二項分布
    3 カテゴリー進出順位モデル
    4 トライアルモデル、リピートモデル
    5 平均購入額・量モデル
    6 デリシュレーNBDモデル

    紙が分厚くて一ページの文字数も少ないので見た目ほど手強くはない。
    数式の理解は手間取る。

  • タイトルは難しそうだけど、中身は平易。
    統計や数字に弱い人にも伝えたいと言う著者の情熱を感じる。
    とは言え、やっぱり数字と統計に明るいに越したことなし。そう言う気持ちにさせてくれるのもまた良い。

  • 統計学や数学に疎くても読みやすく、かなり斬新かつ刺激的でおもしろい。ビジネスを志すならこういった視点を持ってみてもいい。価格は高いが相応の価値あり。

  • プリファレンス、認知、配荷

    wisdom of crowds

  • 飲み始めると面白いのに時間がとてもかかった本。
    市場構造の本質はプレファレンス。ブランドに対する相対的な好意度。これは、ブランドエクイティ(ブランドが有する資産的な価値)、価格、製品パフォーマンスの3つにより決まる。
    エボークトセット。購入候補であるいくつかのブランドの組み合わせ。
    競合と奪い合っているのは、延べ購入回数におけるシェア。
    経営資源の配分先は、好意度、認知、配荷。
    プレファレンスを上げる=選ばれる確率、自社ブランドの購入延べ回数であるMを上げる。
    プレファレンスを上げるには、ファンを増やす水平拡大と、一人当たり投票数を増やす垂直拡大の2つ。
    市場全体から新規顧客を獲得する方法を常に意識しておく。

    2018.05

  • ためになった。

  • この本は:
    感情を数字で具体化し、それを戦略で勝つ方法

    気になるところ:
    ・相対的な消費者のプレファランス=市場構造のDNA
    ・売り上げを上げる方法
    1プレファランスを高める
    2認知
    3配荷を
    ・相対エクイティー、差別化
    ・サイコパス=数字の冷静判断
    →江藤さんの「1円でも多く稼ぐ」ということを考える
    「恋は目を曇らせる」

    面白い事例:
    ・V字回復を出版した理由
    →数値分析・エクイティー調査
    →自分たちの市場でのライバルと比較した時に広告費を使うのは、現実的ではないと思ったから、「地方のテーマパーク」というイメージ打破のために、認知度アップのためにメディアへのアプローチを考えてやったというところ
    ・臓器提供の意思率の差
    →意思決定は嫌がられる
    →コンテンツを高めればいいという話ではなく、ではなく見せ方

    次に学びたいこと:
    ・スナップマートでのプレファランスを深堀たい
    ・スナップマートの競合分析
    ・サイコパス(数字の冷静な判断ができる)になりたい

  • マーケティングの仕事をしていて、戦略を立てるためにUSJの本をよんでいて、この本に出会いました。 今までの自分が、いかに確率の低いところで勝負していたのかがわかりました。また視野の狭さにも気付かされました。この本を使いこなして、社内にも浸透させていきたいと思っています。

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著者プロフィール

戦略家・マーケター。高等数学を用いた独自の戦略理論、革新的なアイデアを生み出す ノウハウ、マーケティング理論等、一連の暗黙知であったマーケティングノウハウを形式知化し「森岡メソッド」を開発。経営危機にあったUSJに導入し、わずか数年で劇的に経営再建した。現在は、マーケティング精鋭集団「株式会社 刀」を率い、マーケティングによる日本の活性化に邁進中。

「2018年 『マーケティングとは「組織革命」である。』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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