確率思考の戦略論 USJでも実証された数学マーケティングの力

  • KADOKAWA/角川書店
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レビュー : 84
  • Amazon.co.jp ・本 (311ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041041420

作品紹介・あらすじ

世界屈指のマーケター&アナリストが、USJに導入した秘伝の数式を公開。

ビジネス戦略の成否は「確率」で決まっている。
その確率はある程度まで操作することができる。

八方塞りに思える状況でも、市場構造や消費者の本質を理解していると、
勝てなさそうに見える局面や相手に対しても勝つチャンスのある戦い方、
つまり勝つ確率の高い戦略を導き出すことができる。
その戦略を導き出すのが「数学マーケティング」である。

感想・レビュー・書評

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  • マーケティングを行う際にどこの数値に注力しながら、グロースさせていくかという本でした。ネタバレをするとプリファレンスという数値を最大化することが重要と書かれているのですが、どちらかというとリアルマーケットだったり、中小から大企業に当てはまる話なのかなと思いました。 ベンチャーやweb業界はもう少し良い公式が存在しており(数あるサービスからプリファレンスを伸ばすというのはあっているはず)、組織の動かし方も変わってくるのではないかと思いました。

  • 確率思考の戦略論
    ・なぜ、なぜ、なぜで本質を見抜く
    ・資本主義とは、人間の欲望をドライバーにして成り立っている社会
    ・消費者のプレファレンスによって決定される購買行動の仕組みは、どのカテゴリーでも一緒
    ・戦略の焦点 ①自社ブランドへのプレファレンスを高める、②認知を高める、③配荷を高める
    ・プレファレンスは①ブランドエクイティ、②製品パフォーマンス、③価格 で決まる
    ・戦略はゴールから考える
    ・人は仕事を選ぶが、仕事も人を選ぶ
    ・サイコパス性:感情が意思決定の邪魔にならない性質
    ・人間はデフォルトに従う性質が強い。判断や意思決定を避ける生き物。何も選ばないことを選ぶ人が圧倒的に多い。アングロサクソンはサイコパス的判断わ下せる人の確率が高い。
    ・成功するには、純粋に「成功する確率が高い戦略を見つけられるか、そして選べるか」が大事。
    ・戦略が正しいことは、成功のための必要条件だが、それだけでは不十分。合理的に準備して、精神的に戦う。数字に熱を込める。

  • マーケティングを、差別化による顧客の獲得や、営業活動をせずに顧客を獲得する、というような文脈で見ている人には読む価値ありです。

    ・勝てる戦いを探す
    ・市場構造や消費者の本質=「消費者のプレファレンス」
    ・プレファレンスを高めるために活動すること。

    差別化は、そのための一手段にすぎない、ということを知れたの目から鱗でした。

    他にも、数学をベースとした貴重な考え方があるので、繰り返す読み直す価値ありです。

  • ■確率思考のマーケティング

    ■序章
    この人は自信満々なんだな。書き口はあまり好きでない。まあ本だからそこは無視すればいいか。
    数学マーケティングを学ぶことを目的としてて、ビジネスは確率で決まっていて、その確立はある程度のところまではコントロール出来るってことなんだね。
    マーケター及びストラジテストとアナリスト。おれにアナリストはたぶん向いてない。けどそれも知らないといけないというスタンスで読んでいこう。

    ■第1章
    •目に見えるものは現象に過ぎず、なぜなぜなぜと本質を捉えること。そしてそれはほとんどシンプルだということ。
    └そういうことを考える時間を確保することは大事なんだろうな。それを分析というんだろうな。まわりからみるとサボってるように見えるかもだけど。
    •で、それは消費者のプレファンス=相対的な好意度(ブランド、価格、製品パフォーマンス)ということ。すべてのものは消費者に縛られていると。いまやってるネット広告もそうなのかなあ。広告ってなんのためのものなのかとか考えてみてもいいのかもな。そうすると楽しさがわかったりして。

    ■第2章
    •ビジネスを拡大するには、プレファンスと認知と配荷だと。なるほどしっくりくる。広告はそのための手段だもんな。これはマーケティングの本だった。
    配荷とは、市場の何%の消費者がその商品を買おうと思えば物理的に買える状態にあるかという指標だそう。
    •そのバランスも実は難しいということなんだろうな。認知と配荷を試みた結果、プレファンスが減少するということもありえるから。
    •認知と第一ブランド想起率の意味合いの違い
    •caseとしてUSJのハリーポッターあげてたが、本の出版とインバウンド需要の安倍総理の来阪があったことをあげていて、あまりcaseとしてなりたってないんじゃないか笑
    •消費者のプレファンスを伸ばす戦略の話。MとKの式があって、Mは投票数のようなもの。それを伸ばすやり方は、水平と垂直がある。投票する人を増やすか、投票する回数を増やすか。
    •で、caseとして、USJの話。これはわかりやすかった。入場料金とかの兼ね合いが気になってきたけど。シンプルにMを伸ばすためには。を考え抜いた結果なんだね。

    ■第3章
    •マーケティングは出来るだけ確率をあげないといけない。
    確かに結局のところはやってみなきゃわからないのかもしれないが、実行する上で、その確率は担保できないとな。ただの実験じゃあるまいし、ビジネスなのだし。
    •認知率×配下率×過去購入率×エポークトセット率×年間購入率
    →目的)総世帯数×1年間に買う人×平均購入回数×平均購入額=年間売上
    •差別化などはあくまでMを増やすためのものだと肝に命じること。
    自己満になりがちだもんな、尖ることって。
    •製品パフォーマンスはリピートかトライアルかによって変わる。なるほどね。ぼったくりバーはトライアルにフォーカスした結果だわな。
    •「マーケターの仕事は値上げしながらもMを増やすこと」と断言してる筆者に感心した。
    プレミアムプライシングは、まわりまわって経済を良くするという背景のもとね。
    牛丼屋とかまさにその逆だよなあ。

    ■第4章
    •ここで急に実務的なビジネス論が展開されてきた。リーダー論とか。
    •左には冷静さ。右手には情熱。とこういうのは言われてきた。言われてきているということは、それはそうなんだろうな。その方法を知りたいとか思うけど、否応なくそういうものなのかもな。
    で、それをするしないを選ぶのは自分。そういう環境になったときに、するしないを一時的な気分で決めるのではなく、逃げずに決めていくということなのかもな。
    そういう環境にないときは、それはそれで良いのかもしれないとも思う。
    一時的な気分でそれを取りに行っても、本来の意志と反するなら、きっと自分自身では納得いかなくなって、トータルでみてうまくいかないということになる。
    と、最近は思っている。

    ■第5章
    •この章から7章までは今西さんによる市場調査の話。一度読んだだけでは理解できない。
    そういうものなのかと捉えておく

    ■第6章
    •需要予測の方法と実践について。これはテキストで読んでもある程度の理解までしかいかないな。こういういうのは自分で体験しないとわからないと思う。
    けど、ハリーポッターの例を読み込むことで、理解までは促進できる。知っているというところまではもっていける。
    •具体的なテストの例もあるので、じっくりと読み込むのも良い

    ■第7章
    •消費者データについて。気に留めておくべき大事なのは3つ。代表性があるか。必ず誤差を含むということ。聞き方や状況によってバイアスがかかること。
    •未来にかかわるデータは絶対値はあやしいが、相対値はわりと正しい。好き嫌いの順番は変わらないから。
    けど、注意も必要。値段による影響はどうか。選択肢が同等に比較できるか。票割れを起こさないか。
    •まとめをしっかり読んで理解するところからだな。言ってることはわかるという状態

    ■第8章
    •組織論。これまでの論を実行するための組織について説明している。
    こういうところまで説明するのは、きっと実務経験者だからできたことなんだろうな。

  • 「ビジネス戦略の成否は『確率』で決まっている。そしてその確率はある程度まで操作することができる」

    世界屈指のマーケターとアナリストが、USJに導入した「数学マーケティング」の考え方について説明してくれる一冊。

    「人は1人1人、それぞれのプレファレンスに基づいたエボークト・セットに合ったサイコロを持ち、そのカテゴリーの購買回数の分だけサイコロを振っているようなものです。それぞれの個々人のサイコロを振る動作が、全体として集積されたものが『シェア』であり、シェアは市場全体のプレファレンスを表しています」

    「市場規模が一定と仮定すると、売上を伸ばすためには、1) 自社ブランドへのプレファレンスを高める、2) 認知を高める、3) 配荷を高める、の3つしかない」

    消費者の行動を数式化し、適切なデータを集め選び取り数式に当てはめていくことで、自信を持って戦略を組み立てていける、という話。

    数学ができなくて経済学部経営学科に逃げた人間としては読むのがしんどい… 6章とかちゃんと読めてないんでこういうの読める人と友達になります。

    緩やかに経済が縮小していく日本なので、「消費」以外の幸福追求のあり方を数字で示すことも上手いことできればいいなと読みながら考えたりしました。消費、消費じゃ、ないと思うんですね。まあこれはこの本に対する感想からはちょっと逸れるのですが。。

  • 3回読んでやっと理解できた!何回読んでも新しいひらめきが生まれる良書。

  • M(1顧客あたりの自社ブランドに対する投票数)が大事であることが強調されていた。

    個人的には、予測の話が参考になった。
    また、サイコパス性の話も面白かった。

    個別の事例としても面白く、ディズニーに比べて、USJは高いと思っていたが、その理由にあたる内容があった。

  • MarketingをScienceするための本。

    現場から得られた数字と経営陣の頭の中の戦略の接点を確立統計とArtでガッチャンコする流れが描かれている。
    P&Gマフィア(元P&Gの方々)がマーケッターとして各企業で活躍していることに今後も注目したい。

  • 確率思考の戦略つ目は、「売上を伸ばすためには、1)自社ブランドへのプレファレンスを高める、2)認知を高める、3)配荷を高める、の3つしかない 」ということ。プレファレンスは、一言でいうと好意度。主にブランド・エクイティー、価格、製品パフォーマンスの3つによって決定される。配荷率とは、市場にいる何%の消費者がその商品を買おうと思えば物理的に買える状態にあるかという指標。

    で、重要なプレファレンスを表す式がNDBモデルというもの。パラメータMは自社ブランドが選ばれる確率、Kは消費者の購入確率。通常負の二項分布が使われるらしい。この辺そうなんだろうなと納得。オペリスクやっていた時の損失発生確率もそうでした。離散型の分布はそもそもそんなに多くないし、理論的に導出が判り易いので全然異論はありません。そして、マーケティングは当然Mを伸ばすことが重要。Mを伸ばすためには垂直方向と水平方向があるという言い方をしていて、簡単にいえば、水平は全体の中でそのブランドを選んでもらう人を増やす方法、垂直はそのブランドを選んでくれる人の購入回数を増やす方法。本ではAKBの総選挙で説明されていた。例では具体名は出ていなかったけど、西野七瀬押しだとして、西野七瀬のファンを増やす方法と、西野七瀬ファンにより多くCDを買わせて投票してもらう方法。AKBの総選挙は熱狂的なファンがCDという名の投票権を買っているので、垂直方向もあるわけだけど、実際は水平方向に増やす方が現実的かな。個人的には同じものを購入する頻度を上げるのは難しいような気がする。結局マーケティングはこれなんですね。

    本では、この次にターゲティングの話が出ていた。ターゲットっていうのは、ある程度ターゲットを決めて集中的に認知度を上げてそのターゲットの中で水平方向のMを伸ばすことなんだと思うけど、そもそもターゲットのポテンシャルが小さいと、いくら認知度を上げても全体としてMは大きくならないという話だったと思う。

    この本は、「確率思考」といっているけど、基本的には確率論ではなくて構造をきちんと捉えろと言っているのだと思う。マーケティングの基本はプレファレンスを上げること。プレファレンスを上げるのは水平方向と垂直方向があるけど、まあ普通に考えると水平方向にMを上げるのが自然。そのためには、まず認知度してもらい、好意を持ってもらうことが重要なのだけど、幅広く認知してもらうのは効率的ではないので、ターゲティングして認知を上げることが大事。でもターゲティングが狭すぎると、いくら認知を上げても好感度を上げても需要は伸びない。こういう構造をきちんと捉えて、モデル化し、そこに数字を当てはめて考えると効果的な戦略が打てないということなんだと思う。何となくスッキリした。

  • USJを立て直したのかが書かれている良書。
    マーケティング戦略や企業戦略につながる知識がぎっしりと詰まっている。

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著者プロフィール

戦略家・マーケター。高等数学を用いた独自の戦略理論、革新的なアイデアを生み出す ノウハウ、マーケティング理論等、一連の暗黙知であったマーケティングノウハウを形式知化し「森岡メソッド」を開発。経営危機にあったUSJに導入し、わずか数年で劇的に経営再建した。現在は、マーケティング精鋭集団「株式会社 刀」を率い、マーケティングによる日本の活性化に邁進中。

「2018年 『マーケティングとは「組織革命」である。』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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