軽やかに余命を生きる

  • KADOKAWA (2016年5月31日発売)
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本 ・本 (208ページ) / ISBN・EAN: 9784041041437

作品紹介・あらすじ

逃れられない死に、人はどう向き合えばいいのか――。
進行がんにかかりながらもその現実を受け止め、
軽やかに淡々と生きる著者は、
自己の執着から離れ、いのちより大切な
自分だけの価値を見つけていました。
生と死に向き合うヒントを伝えます。


だれもが死に対して、自分の存在が消えるという恐れを抱きます。
万国共通のこの「いのちの苦」に対して、
外国では「いのちのケア」の専門家が医療の現場で患者さんをケアしていますが、
一方で、日本は医療技術は世界の最先端ながらも
「いのちのケア」の部分がすっぽり抜け落ちています。

医師として僧侶として、患者さんの「いのちの苦」に向き合ってきた著者は、
30年以上にわたって「いのちのケア」の専門家の必要性を訴えてきました。

その著者が、2016年10月に進行がんにかかっていることがわかりました。
判明した時点で、すでにステージ4bというがんのなかでももっとも進んだ段階、
6か月生きていられる確率は50パーセントという状況でした。

にもかかわらず、その後も変わらない日々を送り、招待された講演会も快く応じられています。
本書の制作を始めた当初は、自ら「完成した本は見られないですね」と言っていたのですが
治療法が功を奏し、完成まで校正もていねいにしてくださいました。

数百人の患者さんを看取り、つねに生と死について考えてきた著者ならではの
深い洞察をやさしくまとめました。

付録として、「いのちのケア」の専門家である「臨床仏教師」を養成している
神仁さんとの対談や、
著者が「いのちのケアの経典」と位置付ける般若心経の解釈なども掲載。
生と死を考えるヒントになる一冊です。

感想・レビュー・書評

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  • 死の淵に立ってなお日々を生き生きと過ごす作者の力強さ、死を恐れることなく自分が現世に残す事を考え、、それを生きがいにする気持ち。この人の生き方と残された偉業は長く生きている人たちを救うことになると感じます。
    人はお金に、外観に、見栄にと、内向きに要望が広がりますが死を目前にするとその価値観は一変するでしょう。日頃から俗な欲を抑え、自分に関わる人達を思いやり、余命を宣告されても変わらない生きがいを日頃から持っておきたいと思います。
    命のケアは先進医療では癒されない、例えばソクラテスの言葉のように古くから伝えられている洗練された考えが良い。
    ソクラテス「死ぬことは深い眠りから目覚めないこと、ゆっくり深く眠れた晩程幸せなことはない。もし目覚めるとしたら別世界だろう、もしかしたら先に亡くなった素晴らしい人達との会話ができるかもしれない」
    僧侶を含めた宗教者は死者ばかり見ることではなく生きている人の苦しみに寄り添うべき、仏教は行きている人のための宗教である。
    命の苦しみを癒すヨーガは一度実践してみたい。

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著者プロフィール

1946年生まれ。東京慈恵会医科大学卒業。1947年国立がんセンターに入職し、同センター研究所内分泌治療研究室長(病院内科医師併任)などをつとめる。1983年、実父が急逝し、実家の西明寺を継ぐために同センターを退職。大正大学で仏教を学び住職につく。その後、僧職をつとめるとともに、西明寺境内やその近隣に、医療施設や老人介護施設を開設し、地域医療や地域福祉にも力を入れている。また「臨床宗教師」「臨床仏教師」の必要性を30年以上にわたって訴え、国内外で多くの講演を行っている。

「2016年 『軽やかに余命を生きる 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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