魔女と思い出と赤い目をした女の子 サクラダリセット2 (角川文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041041895

作品紹介・あらすじ

管理局に呼び出され、魔女と名乗る謎の女性に会うことになったケイと美空。その女性は、能力者の街・咲良田の未来を長年監視していた。一方で謎の少女がケイたちの周辺に現れる。彼女の目は赤く輝いていた……。

感想・レビュー・書評

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  • 河野裕の魔女と思い出と赤い目をした女の子を読みました。

    咲良田を舞台にしたSF、サクラダリセットの2冊目でした。
    時間を戻すことができるリセットの能力を持つ春﨑美空とリセットを越えても記憶を保持できる浅井ケイとの二人はいつも一緒に行動しています。

    浅井ケイの中学時代の後輩、岡絵里は浅井ケイに勝ちたいと言うことだけで、咲良田の超能力管理局の中枢に近い「魔女」に会いに行こうとします。
    浅井ケイは「魔女」と岡絵里を管理局から守ることが出来るのでしょうか。

    コンピューターゲームでは、物語の序盤で敵として登場するメンバーが次々に仲間になっていき、強くなったパーティーで終盤に待ち受ける悪の帝王を倒すという定番のストーリーがありますが、この物語もそのような展開になるのでしょうか。

  • 河野氏が語る優しさや強さは一般的な定義とは少しずれているものの、作品の世界観に浸るうちに徐々に自分の中にも染み込んでくる感覚が好きだなあ。
    能力の使い方が想定外であることが多いけど、こんな展開を想定して能力を設計していたとしたら凄い想像力ですね。

  • サクラダリセット、シリーズ第2弾。

    本作もとても面白かったです。
    「リセット」能力が使われるため、事象の流れが分からなくならないように、普通の小説よりもじっくり読まないといけないところが、サクラダリセットを楽しむ醍醐味かなぁと思います。

    能力者の能力の組み合わせ、その能力の制限を上手く利用して、不可能と思われることを可能にしていく、浅井ケイの知略に脱帽です。ケイの記憶保持、春埼のリセット、村瀬の物を消去する能力、そして佐々野の写真の中に入る能力を的確に組み合わせ魔女の救出作戦は凄かった。

    浅井ケイは2年前と現在(高校一年生)では、考え方や行動が随分変わったのかな?

    シリーズ第3弾も楽しみです。

  •  入れ子式のストーリーを計算しつくしてるなぁと思った。映画のインセプションみたいだ。

     まず事件が起きて、物語は三日前から始まる。これは春埼の能力リセットによるもの。時間は三日前にさかのぼる。
     失敗を繰り返しながらも、どうにか解決できる方法を探して再び戻る。

     さらに今回は新たに、写真の中の世界に入り込む能力で時間は30年前にまでさかのぼる。

     サクラダリセットシリーズ2巻目、だんだん面白くなってきた。


     ケイはとある初老の男性、佐々野に頼まれる。

     マクガフィンが欲しいといわれ、またマクガフィンが、と思う。あれは、ただの石だ。

     破れたジーンズをはき、十字架のチョーカーをつけた、赤い目をした女の子に能力を奪われ、マクガフィンでどうにかならないかという。

     ポラロイドカメラで写真を撮る、そして写真を破るときの二回に能力を使うと、写真の世界に十分だけ入れる。思い出に浸るための能力だという。

     
     管理局に呼び出されて、すべての未来を見通す能力を持つ女性に会った帰り、ケイは突然に赤い目の女の子に話しかけられる。

     「やっほぅ、先輩」

     彼女、岡絵里は、ケイが中学生のときの後輩だった。彼女は明らかにケイに敵対している。彼女は他人の能力を封じることができる。

     そのタイミングで、春埼がビルから出てきてしまった。岡が振り向くと同時に、ケイはリセットを宣言した。


     自己同一性の思考実験、スワンプマン。もし、沼の横を歩いていた男が雷に打たれて死に、雷の作用でまったく偶然に沼から同じ思考、記憶、容貌を持った男が生まれたとしよう。
     今までと同じ生活を暮らし、他人もその男に気が付かない。しかし、男は確かに雷に打たれて死んだ。

     沼から生まれた男は、雷に打たれた男と同一だと言えるだろうか?

     
     写真の中に移っていた、二年前にケイが死なせてしまった少女。
     
     ケイは、自分が求めていた能力を手にする。
     

  • すべての人の、すべての死は、きっとどこかに悲しみを含む。(91ページ)
    .
    なにも、求めていない。
    ただそこに、彼の意思があればいい。他に必要なものなんてひとつもありはしない。(100ページ)
    .
    私は、私の愛を確信したい。
    できるならそれを、確信してから死にたい。(162ページ)

  • 魔女の最期の願い事は。
    確実に使用できる状態を作れたら、どんな能力よりも優れたものになるのでは。
    決められた未来を歩いていたからこそ、何十年
    も先の出来事を計画する事が出来たのだろ。

  • 河野先生の哲学が好みかもしれない。
    しっかり読むほど味が出る。

  • たまたま1を読んだら2も読みたくなった。
    猫と喋る子が好きなのだが、今回は出番なし。

  • 5

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著者プロフィール

徳島県出身。2009年に『サクラダリセット CAT,GHOST and REVOLUTION SUNDAY』で、角川スニーカー文庫よりデビュー。若者を中心に人気を博し、シリーズは7冊を数える。他著作に「つれづれ、北野坂探偵舎」シリーズ(角川文庫)、『いなくなれ、群青』(新潮文庫)に始まる「階段島」シリーズなどがある。

「2023年 『昨日星を探した言い訳』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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