USJのジェットコースターはなぜ後ろ向きに走ったのか? (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店
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本棚登録 : 581
レビュー : 67
  • Amazon.co.jp ・本 (245ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041041925

作品紹介・あらすじ

お金がないならアイデアを振り絞れ! 後ろ向きコースター、ゾンビの大量放出、絶対生還できないアトラクション・・・斬新な戦略でV字回復活したUSJの軌跡をキーマンが綴る

感想・レビュー・書評

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  • いや〜面白かった!

    ハリウッド映画のテーマパークとして2001年に大阪に誕生したユニバーサル・スタジオ・ジャパン。初年度こそ年間1100万人を集めたが、それ以降は集客が伸びず、2009年度は700万人台にまで減ってしまった。このピンチをどう乗り越えるのか?お金がないならアイデアを振り絞れ!後ろ向きコースター、ゾンビの大量放出、絶対生還できないアトラクション…斬新な企画を次々打ち出し、USJはV字回復していく。

    2010年に入社した凄腕マーケターの森岡氏がその全てを語る一冊。
    めちゃくちゃ面白かった!
    マーケティングに携わる人には超オススメ。
    マーケティングの真髄に触れることができると思う。

    そして、文庫版のあとがきでさらに痺れる。

    この本自体がハリーポッターを大成功させるためのアイデアの一つ、マーケティングの苦肉の策だったなんて。

    (なんとなく実感してたけど…だってUSJいきたいし!)

    この人凄いわ。

  • ジリ貧だったUSJを起死回生させたマーケター森岡氏。なにしろマーケターという言葉すら知らなかった私は、利益云々とは対極にありそうな仕事をしているものですから、ビジネスの話に疎いのです。しかしこういった話が常にそうであるように、何もビジネスだけに限った話ではありません。変化を起こさないのは無難。でもときには変化を起こす必要性がある。こだわりを持つのは悪いことではないけれど、こだわるポイントをまちがえていないか。人にあれこれ言う前にまずは自分自身でやってみろ。『夢をかなえるゾウ』と併せて参考にしようかしらん。

  • 先日、TDLに関する本を読んだので、お次はUSJの巻。

    まず、書き方がわかりやすい!
    そもそも、経営論とかビジネス書的なものに食指が動かない私だけど、様々なイベントを、どんな狙いを持って打ち出し、結果どうなったかというチャートがわかりやすく書かれている。
    思わず、へーっと思わされてしまった自分。

    USJってハタから見ても、ああ、衰退してるな、と思う時期があった。
    やっぱりTDLには敵わんやろ、東京に対抗したって、所詮は大阪やからねーっと思っていた。

    ワンピースやら、エヴァやら、節操もなく打ち出すことにも、個人的には背水の陣かしらとまで、思っていた。

    けれど、ある時に家族がUSJに行く機会が増えたなーと思い、ハリーポッターは、「ハリーポッター以前」と「ハリーポッター以後」と言うくらい、ガラッと変わったように、思う。

    見苦しい、思うの乱発で申し訳ない。

    長期的な視野って、どれくらいのスパンで何を見通すものなのかなと疑問だったけれど、お金をズバッと使う年と、お金をいかに使わないかという年が考えられていることが、まず面白かった。

    そんなの当たり前でしょ、と思うかもしれないけど、事務的な立場にない自分にとって、長期的な仕事って、サイクルや段階こそ考えるけれど、この期間は低く乗り切るということを、肯定的に発想することがなかった。

    「一般論ですが、日本人は何でも自分でゼロから始めようとする、悪いクセがあるように思うのです。これは日本人の職人気質から来ているのではないかと思うのですが、人のアイデアを活用したり、それをベースに新たな価値を増築していくことが、スマートだと信じている人をあまり見たことがありません。」

    斬新な企画に果敢にアタックしていく筆者だけど、もう一つ、必ず渋い顔をしているCEOグレンさんの役所も大きい。
    何度も、議論を戦わせるシーンが書かれるのだけど、まあ任せておけば、という呑気さがないからこそ、色んなものがブラッシュアップされるんだろう。
    かといって、守りに入った否定を続ければ、そもそも生み出すことさえなくなっていく。
    このバランスを上手く取れてこその、ゴーサインなんだろうな、と素人ながら感心させられた。

  • 痺れた~
    本の存在意義を再確認…。

    いや凄い…。

    これから生きる上でのヒントをたくさんもらいました。
    感謝。

  • 凄腕マーケターの森岡氏が、2010年にUSJに入社し業績の奇跡的なV字回復を達成した3年間について語っている本。

    まず、2014年頃にハリーポッターの「The Wizarding World of Harry Potter」をオープンさせることに決めた。そのために450億の投資が必要であり、当時年間売上が800億であったUSJは、ハリーポッターのオープンまで最小限の出資で最大限の利益を上げ続けることが生き残る条件となった。そのために、分析を行い、アイディアを絞り、映画だけへの不必要な制限を取り払った新たなコンセプト「世界最高を、お届けしたい」を打ち出したり、子連れ向けの新エリアを最速で建造したりと、多くの施策を打ち出し成功しUSJの業績を改善してゆく。最終的には、無事にハリーポッターエリアのオープンにたどり着く。

    端的に言えば、森岡氏が天才である、という印象が一番強い。本人は本書中で否定しているが、これだけの重要なアイディアを自力で導き出し成功させる能力を持つ人間は類稀だと思う。第6章を除く全ての章はストーリー仕立てで、どんな困難があって、彼がもがき苦しんだ結果、とあるアイディアにたどり着き、頑張って実行し、感動的な成功をおさめる、という構造になっている。ただし、彼は第6章で、「イノベーションフレームワーク」という、アイディアを導き出すための方法論について少し触れている。「フレームワーク」「リアプライ」「ストック」「コミットメント」の4本の柱から成るアプローチである。ただし、ぶっちゃけ、普通であるので、あまり参考にならない。

    本自体は極めて面白い。今普通に提供されているUSJの各種アトラクションやショーの背後にこんなストーリーが有るのだと思うと感慨深い。それ以外のあらゆるものについても、きっと同様にマーケターの苦労や努力が背後に有るのだろうと思うと、世の中の見方が少し変わったと思う。

  • USJのヒット企画を考えるきっかけやプロセスがリアルに記載されている。USJ行く前に読むと楽しいかも。

  • 映画のテーマパークにアニメを持ち込んでぐちゃぐちゃにしちゃった人。
    人集めのために何でもやっちゃう人。
    そんな固定観念を払拭する内容。
    彼の数学的マーケティング理論の本を、次は読もう。

  • コースターが後ろ向きに疾走するという世界でも類を見ない斬新なライドがどのように生まれたか?(当初から「後ろ向き」を想定した設計されたのではなく、「前向き」として作られたコースターを後からの追加施策として実現させた)
    また、2010年で750万人と一度底を打った年間入場者数を何故翌年から見事にV字回復させることができたのか?しかも震災があったにもかかわらず。
    P&Gからユー・エス・ジェイに転職し、鮮やかな成功の立役者自身が語るので抜群におもしろい。2012年にユニバーサル・ワンダーランド、2014年にハリーポッターと特定の案件に予算を全振りし、会社のキャッシュフローを維持させるためにその間をないない尽くしの制約の中アイデアだけで乗り切る・・。そんな乾いた雑巾をさらに絞る苦行が続いた末に降って来たアイデア。
    以前大阪に住んでいた時は年パスを持っていてよく行った。当時の懐かしい記憶が蘇った。モンスター・ハンターとのコラボを実現するためにカプコンを訪問するエピソードには笑った。管理職で非常に多忙な身でありながら、2ndGを400時間超プレイする等バイタリティというか時間の作り方の上手さに脱帽する。

  • マーケティングの端くれとして、向上したい、何かヒントを!とすがる思いで読んだ。著者も言っている通り、マーケティングの論理を説いた本ではなく、とてもベーシックな考え方を教えてくれる。そして、熱。根気。難しい論理や数値でない。
    以下学び。
    ・強いアイデアを生み出すには?何を必死に考えれば良いかわかっていること。①良いアイデアとはどんな条件を満たすものか?②それら条件を組み合わせて良いアイデアを探すにあたって着眼点をどこに定めて頭脳をフル回転させるべきなのか?...これはどこにタカラ宝が埋まっているか、に予想をつける着眼点。
    ・考えるべきアイデアの必要条件を導き出す方法は①目的②戦略(必要条件)③戦術(アイデア)の順で考える
    ・数学的フレームワークでは、”足して100になる”仮説を立てて検証する。(畑のどこかに宝が埋まっているのに、やみくもに掘っていくでなく、A, B半分に分けて、まずAから掘っていく。AになければBになる という考え方
    ・世界のどこかに似た問題に直面した人がいるのではないか?re-apply
    ・アイデアは考え抜く。淡白な人にはアイデアの神様は降りてこない。

  • USJに招請された著者はまず、映画オンリーから、最高の感動のためのセレクトショップへのミッションを変更。
    そして、ファミリー層取り込みのためのファミリーエリア、ハリー・ポッターエリアを作ることで飛躍を遂げるとの戦略を策定。
    その後の戦略、戦術は、次のようなもの。
    10周年の2011年度には、上記戦略に係る投資余力を産み出すため、少ない予算で、しかも10周年にふさわしい盛り上がりの醸成求められた。既存のワンピースアトラクションの大々的宣伝、震災発生後の自粛ムードを解消するための(ゲストの罪悪感を解消するための)キッズフリーパス(しかも大阪府知事から発信)、ハロウィーンのゾンビ企画(投資不要のアイデア)、モンスターハンターアトラクションの実施(お金はないが情熱でカプコンと連携)、世界一のクリスマスツリー を10周年に実施。
    その後、2012年度に戦略通りファミリーエリアを企画しオープン。それまでターゲットとしてこなかった低年齢の子供連れファミリーを取り込んだ。(単発アトラクションではなく、エリアを新設することで、子供連れ層への遡及効果を高めた)
    2013年度は再び翌年度のハリー・ポッターエリアの投資のために少ない予算での戦いとなり、スパイダーマンの4K3D化及びこの効果的な宣伝展開、ジェットライドを後ろ向きに走らせるアイデア勝負をしかけた。

    この本には良いアイデアを産み出すための方法論も紹介されている。
    フレームワーク(どのあたりに狙いを定めるかの方向性)を決め、普段から外部の様々なアイデアを吸収しておき(リアプライ)使えるものの要素を抽出して使う、さまざまなことを経験して価値観をストックしておく、最後は何としてもアイデアを捻り出すという執念が必要。といったもので、さらに、アイデアを出したあと、それを実現する際の細部の作り込みかたによって成果が大きく左右されることにも触れている。

    とにかく、変化を恐れず、挑戦を続けることが大事だということ。

    著者ほどの確信をもってリスクをとる決断をできるようになるには、しの確信を得るための努力や方法論が非常に重要になってくると思う。そこらへんはこに本では詳しく触れられいなかったので、また別の著作もチェックしたい。

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著者プロフィール

戦略家・マーケター。高等数学を用いた独自の戦略理論、革新的なアイデアを生み出す ノウハウ、マーケティング理論等、一連の暗黙知であったマーケティングノウハウを形式知化し「森岡メソッド」を開発。経営危機にあったUSJに導入し、わずか数年で劇的に経営再建した。現在は、マーケティング精鋭集団「株式会社 刀」を率い、マーケティングによる日本の活性化に邁進中。

「2018年 『マーケティングとは「組織革命」である。』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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