受難

  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (528ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041042052

作品紹介・あらすじ

韓国の珍島沖で大型旅客フェリー「世月号」が沈没、三百人超の犠牲者が出る大惨事となった。船への過積載、乗組員の経験不足など、事故調査が進むにつれ、その杜撰な管理体制が明らかになる。さらに船会社のオーナーも事故直後から姿を消していた。時を同じくして、日系ブラジル人の津村リカルド民男が経営する韓国・麗水の細胞工学治療院に、冷凍保存された少女の遺体が運ばれた。依頼者の男は、滝壺に落下して溺死したその遺体を蘇らせてほしいという。津村はiPS細胞と最先端の3Dプリンターを駆使し、彼女のレプリカを作ることを決心する。見事に蘇生した少女は、徐々に記憶を取り戻しながら、世月号の事故に関心を抱いていくが……。

感想・レビュー・書評

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  • 76この作家には時代考証のしっかりした時代物が合うね。このようなSF的な主題に歴史考証を混ぜても本質がぼやけるような気がする。大作やけど残念でした。

  • 韓国の社会や風土、食文化に触れることができる小説です

    所蔵情報
    https://keiai-media.opac.jp/opac/Holding_list/search?rgtn=092081

  • 再生医療で生き還る設定が乗り切れない

     完全なSF小説なら乗れるんだけどなぁ。アルジャーノンのようなそうでないような。韓国のフェリー事件が下敷きらしいのだが、イマイチに感じた。

  • 3.3

  • 帯にiPS細胞が触れられてたが、再生医療が主題ではなかった。2014年4月16日、韓国客船セウォル(世越)号沈没事件を題材にしたフィクション。生きる価値、人間の欺瞞と対峙する倫理感に敬虔な気持ちになった。2017.1.22

  • 半島との関係に心を砕く作者ならではの作品。

    かの国で発生した未曾有の海難事故に対する作者なりの鎮魂だと思うが、筆が走り過ぎて深みに欠ける。

  • 沈没事故と再生医療を無理矢理つなげて
    史実も加えてちぐはぐ感あり。

  • 韓国のセウォル号の沈没事故がモチーフとなっており、そこに乗っていた親子。遺体となって見つかったが冷凍保存された。再生医療により皮膚などを3Dプリンターで作成し、脳や臓器を移して生き返っているのが凄い(笑)
    最終的には、祖父と思っていた人は父であり、沈没船のオーナーである事がわかり、娘が自殺に追い込み、本人も自殺してしまう。

  • う~ん 長い、お金持ちのすることは、はるか悲しい、

  • この著者のファンで、手に取ってみる。韓国のセウォル号の事件がモチーフとなっている。
    事件の内容の多くが一致していて、ノンフィクションか?と思ったが、そうではなく残念。死亡後冷凍保存されていた、女学生を再生医療で蘇生される。彼女が主人公となり、セウォル号の事件の真相に迫っていく話。

    セウォル号、再生医療と話題性の高いテーマを取り上げてはいるが、それだで、所々、なぜこのシーンが必要なのかと首を傾げる所多く、それでも最後はと思って読むが、ラストも全ての話が結ばれていない感があり、物語の切り貼り感を感じる。私が好きだった著者の「韓国、日本の歴史の重みと思い」という良いところは見受けられず残念。

    【済州島 四・三事件を調べてみた】
    1945年、北と南に分断されてしまった、韓国。反対する人達が、 済州島で反乱、警官と武力衝突を起こす。完全に鎮圧された1957年までには8万人の島民が殺害されたとも推測される。ハルラ山は 済州島にある山。

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著者プロフィール

1947年、福岡県小郡市生まれ。東京大学文学部仏文科卒業後、TBSに勤務。退職後、九州大学医学部に学び、精神科医に。’93年に『三たびの海峡』(新潮社)で第14回吉川英治文学新人賞、’95年『閉鎖病棟』(新潮社)で第8回山本周五郎賞、’97年『逃亡』(新潮社)で第10回柴田錬三郎賞、’10年『水神』(新潮社)で第29回新田次郎文学賞、’11年『ソルハ』(あかね書房)で第60回小学館児童出版文化賞、12年『蠅の帝国』『蛍の航跡』(ともに新潮社)で第1回日本医療小説大賞、13年『日御子』(講談社)で第2回歴史時代作家クラブ賞作品賞、2018年『守教』(新潮社)で第52回吉川英治文学賞および第24回中山義秀文学賞を受賞。近著に『天に星 地に花』(集英社)、『悲素』(新潮社)、『受難』(KADOKAWA)など。

「2020年 『襲来 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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