ファミレス 下 (角川文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041042199

作品紹介・あらすじ

中学校教師の宮本陽平が見つけた離婚届には、妻・美代子の署名が入っていた。
彼女に問いただすこともできずに途方に暮れる陽平。
そして料理仲間の一博の家では、料理講師のエリカとその臨月の娘がなぜか居候。
陽平と、幼なじみの康文も巻き込んだ出産騒動に。
50歳前後のオヤジ3人それぞれの奮闘の行方は――? 
「メシをつくって食べること」を横軸に描き出す、夫婦、家族、友情。
人生の滋味がぎゅっと詰まったおいしい物語。

●2017年1月公開映画「恋妻家宮本」原作

感想・レビュー・書評

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  • 妻と生まれた子供のために、手料理を学んだコージー。
    大怪我を負った母が不倫をしていたことにショックを受けるドン。そんな彼は自分を鼓舞し、大好きな母やみんなに手料理を振る舞うことで、離れ離れになりそうな家族の危機を救った。
    長年別居していた桜子に離婚を宣言された一博。
    最後に最高のおもてなしをするため、全国各地で最高の食材を探し求め、最高の料理を作り、元妻をねぎらった。

    誰かの為に作る料理は、特別な味がするらしい。
    それぞれの家庭には、家庭の味付けがあるように家族のあり方も様々だ。
    落ち着くところに落ち着いた形。納得いくかいかないかは、読んだ人の感覚次第だと思う。

  • やっぱり面白かった。著者は分かりやすい言葉で、根源的で普段何となくスルーしていることを考えさせてくれます。それと、ほとんどの作品の読後感が良い。50歳前後の男たち3人を軸に夫婦のあり方や、その後の人生をどう送るべきなのかを問いかけてくれます。著者は、おじさんの気持ちと子供の心、女性の心を巧みに描いています。私が共感したのは、自分の人生の核とは何なのか。正直言って即答できません、考えなくては。正しさと正しさがぶつかると争いになるが、優しさと優しさがぶつかっても争いにはならない。そうだと思います。今の時代の人間関係、国際関係。優しさが欠けていると考えてしまいます。でも、誤った優しさは人を追い詰めてしまう、それも一理ある。「ファミレス」と言うタイトルと言うイメージとは違うような気がします。また、読み返してみたいです。あとがきで著者はコメディと評していますが違うのではないかと私的には思います。

  • 落ち着く所に落ち着いたというより、でこれからどうなってしまうのか分からないけれどそれぞれがまた自分の生活を始める。絶対もこうしていこうもはっきりしなくても、また続けていく。やっぱりこの先どうなるのかな、な話。

  • 人生は「メシをつくって食べること」。でも、どうせなら笑顔でこの時間を共有したい。夫婦、家族、友情の甘味と渋味がぎゅっと詰まった家族小説。
    重松さんらしい物語。作品はコミカルで軽いタッチだが、深いメッセージを感じる。「仲良しっていうのは、ケンカをしたあと、ちゃんと仲直りができる関係のこと」って言葉が心にガツンときた。

  • 中学教師の宮本陽平が見つけた離婚届には、妻・美代子の署名が入っていた。彼女に問いただすこともできずに途方に暮れる陽平。そして料理仲間の一博の家では、料理講師のエリカとその臨月の娘がなぜか居候。陽平と、幼なじみの康文も巻き込んだ出産騒動に。50歳前後のオヤジ3人それぞれの奮闘の行方は…?「メシをつくって食べること」を横軸に描き出す、夫婦、家族、友情。人生の滋味がぎゅっと詰まったおいしい物語。

  • いろいろな料理が食べられるファミレスってすごいとあらためて感じた。家族それぞれが好きなものを食べられる場所、、、行きたくなった。みんなで。

  • 妻の署名済みの離婚届を発見してしまった中学教師の陽平。妻が実家に行ったきり別居状態にある雑誌編集者の一博。バツイチ17歳年下の妻と再婚し、連れ子と共に幸せに暮らす総菜屋の康文。料理で繋がれた3人のオヤジが、問題を抱えながらも前に進んでいく。
    この手の話になると、オタオタするのは男(オヤジ)が相場だが、まあ実際そうなんだろなと。ただ、紙切れ喉元に突きつけているような生活はいかがなもなのだろうか?
    男の手料理や昔ながらの惣菜屋など、美味しそうで実際に試してみたくなるものもあった。

  • 面白かった
    読み終わって数週間経ったけど、本の中の人たち元気にしてるかなぁー、っと不思議な感覚になります
    生きてるって感じがすごくする

  • 結婚も離婚もしたことがないので当然なのかもしれないが、登場人物の誰ひとりとして心情を理解できなかった。何か思うところがあるにも関わらずそれを相手に言うこともせず、そのくせ「なんにも分かってない」と言ってくる非常に面倒くさく自分勝手な人間ばかりが出てくるのでびっくりしてしまった。離婚を切り出すのがみんな妻なのもなんだかなーと思った。なにひとつ共感できず登場人物に不快感しかなかったが、自分が結婚したら少しは理解できるようになるのだろうか。

  • 重松清の久しぶりの本。

    ※ファミレスはファミリーレスの略なんでは?という言葉が深い。

    3つの家族が織りなす決して円満ではないストーリー。
    50代を迎える筆者の心情が色濃く出た作品だったせいか、これまでの重松作品とは少し違ういびつさがありました。号泣するような物語ではない。後悔を受け入れ、少し笑える強さを持って前進するような物語。いつか自分もこのときの気持がわかるようになるのか。
    切ないだけではない。正しい別れもある。いびつな関係性を吸収するような物語。

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著者プロフィール

重松清
1963年岡山県生まれ。早稲田大学教育学部卒業。91年『ビフォア・ラン』でデビュー。99年『ナイフ』で坪田譲治文学賞、『エイジ』で山本周五郎賞、2001年『ビタミンF』で直木三十五賞、10年『十字架』で吉川英治文学賞を受賞。著書に『流星ワゴン』『疾走』『その日のまえに』『カシオペアの丘で』『とんび』『ステップ』『きみ去りしのち』『峠うどん物語』など多数。

「2023年 『カモナマイハウス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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