教室の灯りは謎の色

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店
2.79
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本棚登録 : 87
感想 : 18
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  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041042304

作品紹介・あらすじ

塾には通いながらも不登校を続ける、高校生の遥。遥には母親が教師をしている学校へ行けない理由があった。ある日、塾の近くのレンタルショップで事件が起き、遥は犯人だと疑われる。窮地を救ってくれたのは、居合わせた塾講師の黒澤だった。寡黙ながら救いの手を差し伸べてくれる黒澤に、遥の心は少しずつ解きほぐされていく。レンタルショップの事件は、遥が不登校になるきっかけとなった出来事にもつながっていき、やがて、黒澤の言葉が彼女の世界を変える――。

感想・レビュー・書評

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  • 中学生の時のいじめ問題でトラウマになった遥が高校生に成って塾に通うようになる。実は虐めの現況が同じ高校に入学していてしかも同じクラス。遥の不登校が始まる

  • 水生さんお得意の青春ミステリー不登校の高校生が学校の代わりに行く塾、そこで巻き起こる事件、家庭事情などで学校に行けなくなった人達。読んでいて、一緒に解決法を考えながら読んでしまいました。あとあじスッキリの青春ミステリーをあなたもじっくり読んで感動してください。黒澤先生塾講師にしておくにはもったいないカッコイイ先生でした。黒澤先生シリーズなんていいかも?

  • 高校じゃなく塾が舞台ってのがいいね。
    学校のセンセイと塾講師とでは生徒との距離感が微妙に違うし、ある意味、お互いに責任や義務がない分、謎解きもさらりとしていて読みやすい。
    一つ一つの謎自体には水生さんならではの毒気があって、それが「さらり」のなかでピリッと効いている。

  • 主人公が、とある理由で通う塾で、人間関係がもとで起こる事件を塾の先生と共に解決する物語。
    塾の仕組みや設備、生徒同士の人間関係などが分かりやすく書いてあって、とても読みやすかった。
    また、タイトルと表紙のイラストからして、普通の教室で何か起きるのだろうと思っていたが、予想外のストーリーでとても楽しめた。

  • 「水中トーチライト」
    支配者はすぐ側に居る。
    何歳になろうと上下関係は存在し、その中でも厄介なのは人の弱みに付け込み自分の手下にしてしまう存在だろうな。
    逃げ癖などと大人は言うが何も知らず逃げる手段も分からないまま心を壊してしまうのと、どちらが最適かは簡単だろうに。

    「消せない火」
    ストーカーと呼ばれた者。
    彼は最初から彼女のいい様に扱われていただけであり、それに気付きながらも逃れられない共依存に近い関係になっていたのだろうな。
    いくら何でも無実の彼に濡れ衣を着せたりストーカー呼ばわりするのは、過去にどんな事があれ冤罪を擦り付ける者達と変わらないのでは。

    「彼の憂鬱、彼の選択」
    何年経っても忘れられない。
    自分の事をさり気なく悪く言いながらも、相手の印象を悪くする様な話し方をしている時点で彼はその程度の人間なのだろうが嫌な人だな。
    契約期間に自己責任で辞める理由が出来たのであれば、人の家庭を壊して彼に対して最悪な形で去るというのは自分勝手にも程があるだろう。

    「罪のにおいは」
    彼を閉じ込めた犯人は。
    あれだけ人が出入りしている中で犯人を探すとなると、限られた人間にしか目が向かなくなるが閉じ込められた本人にまでは向かないよな。
    彼がいつまでも兄貴として弟の事まで過保護になってしまうばかり、彼は自分の力でどうにか出来なくなる前に兄離れをしたかったのかもな。

    「この手に灯りを」
    新たなる場所で再会を。
    彼女が居たからこそ一歩踏み出して過去と向き合い必死に頑張ろうとしていた矢先に、あんな事が起きてしまったらパニックにもなるだろうな。
    不本意でも虐めていた加害者と被害者という関係は一生消えないが、それを乗り越えて互いに新たな関係を作り上げる事は出来るからな。

  • 2019/10/11 読了。

    図書館から。
    著者作品初。

    読みやすかったー。
    学校以外の人間関係があるのっていいですね。
    様々理由はあるでしょうけど、学校だけが、すべてでは
    ない訳で本当に。


    黒澤先生みたいな人いいなー。

  • +++
    塾には通いながらも不登校を続ける、高校生の遥。遥には母親が教師をしている学校へ行けない理由があった。ある日、塾の近くのレンタルショップで事件が起き、遥は犯人だと疑われる。窮地を救ってくれたのは、居合わせた塾講師の黒澤だった。寡黙ながら救いの手を差し伸べてくれる黒澤に、遥の心は少しずつ解きほぐされていく。レンタルショップの事件は、遥が不登校になるきっかけとなった出来事にもつながっていき、やがて、黒澤の言葉が彼女の世界を変える――。
    +++

    言ってみれば、塾講師とその生徒のコンビ探偵物語と言えるだろうか。塾講師の黒澤は、身体に合わないおじさんぽい背広に、実はきれいな顔を隠すようなメガネをかけた、寡黙で一見冷たい先生なのだが、事に当たった際の着眼点と洞察力には、優れたものがある。一方の塾生・遥は、そんな先生を慕って、探偵の助手よろしく、事件にかかわるさまざまな調査を買って出る。それが解決につながることもなくはない。なので、コンビと言っていいかは微妙なところではあるのだが。黒澤の個人の事情に踏み込み過ぎないスタンスは好ましく、遥の一生懸命さも微笑ましい。もっと二人のコンビを見たい一冊である。

  • 軽い謎解き5作。塾講師と女子高生が身の回りの謎を解決していく。 2018.7.16

  • 5話からなる「謎解き」短編集。 
    訳ありエンカレッジ生の女子と学習塾講師が塾で起こる事件の謎解きに挑みます。 
    主人公の女子、事件の当事者だったり巻き込まれたりするのですがどうも考えが軽い(笑) 
    ま、10代前半はそんなものか・・・。 その軽さゆえ本書が本格的なイヤミスにならずに済んでいるのかも。 
    第3話「彼の憂鬱、彼の選択」が良かったかな 生臭くって

  • この人の本は初めて読んだけど、
    読みやすかった。
    学生の青春小説かなーと思ったら
    ちょっとしたミステリーでした。
    挿し絵とかあったら萌えただろうなぁ(笑)
    黒澤先生がどんな感じなのか気になる(*´∀`)

    また別の本も読んでみようかな、と思いました。

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著者プロフィール

三重県生まれ。2009年、島田荘司氏選考の第1回ばらのまち福山ミステリー文学新人賞優秀作を受賞した『少女たちの羅針盤』でデビュー。14年「五度目の春のヒヨコ」が第67回日本推理作家協会賞短編部門の候補に。20年『ランチ探偵』『ランチ探偵 容疑者のレシピ』が「ランチ合コン探偵 ~恋とグルメと謎解きと~」のタイトルでTVドラマ化。ほかに「社労士のヒナコ」シリーズ、『冷たい手』など著書多数。

「2022年 『ランチ探偵 彼女は謎に恋をする』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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