ホセ・ムヒカ 世界でいちばん貧しい大統領 (1) (角川文庫)
- KADOKAWA (2016年3月25日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041043271
作品紹介・あらすじ
【2016年4月、本書の刊行記念で初来日!】
「私たちは発展するためにこの世にやってきたわけではありません。この惑星に、幸せになるためにやってきたのです」
「貧乏とは少ししか持っていないことではなく、無限に多くを必要とし、もっともっとと欲しがることです」
「今の地球の危機の原因は、環境の危機ではなく政治の危機なのです」
2012年6月、ブラジル、リオデジャネイロで開かれた国連の「持続可能な開発会議」でのスピーチが世界中から注目され、「世界でいちばん貧しい大統領」として質素な暮らしぶりが話題となったホセ・ムヒカ。その彼に19年にわたり密着取材し、ホセ・ムヒカの半生に迫った渾身のルポ。
[内 容]
世界が抱える諸問題の根源は、我々の生き方そのものにあると説いた伝説的スピーチで、一躍時の人となった南米ウルグアイ前大統領ホセ・ムヒカ。一国の長でありながら庶民的生活を貫き、国民の目線に立ち続ける柔和で読書好きな老人の生涯は、貧困、ゲリラ活動、投獄など衝撃の過去に満ちていた――。
「私が大統領を辞めたら本にしてもいいよ」19年にわたる現地取材を基に著した歴史的ルポが満を持して遂に文庫化!
[目 次]
はじまり
1 大統領候補
2 大統領
3 無礼者
4 アナーキスト
5 模範
6 カウディージョ
7 ずる賢いキツネ
8 証人
9 老人
10 預言者
11 伝説
[ホセ・ムヒカ]
ウルグアイ東方共和国在住。1935年5月20日生まれ。第40代ウルグアイ大統領(2010-2015)。妻はルシア・トポランスキ上院議員。趣味は園芸。事故によって三本脚となったマヌエラを含む数匹の犬や猫、鶏らと暮らす。2013年と2014年にノーベル平和賞にノミネート。
南米ウルグアイの首都モンテビデオ郊外の貧しい家庭に生まれ、早くに父を亡くし、幼い頃からパン屋、花屋などで働く。10代から政治活動を始め、1960年代初期に当時の独裁政権に反抗する非合法政治組織トゥパマロスに加わる。ゲリラ活動による投獄は4度に及び、最後の投獄は13年間にわたった。85年、出獄した数日後に行った初の大演説では、許すこと、過去を乗り越えることの重要性を説いた。
その後再び政治活動を始め、94年には下院議員に選出され、トゥパマロス出身の初の国会議員となる。99年、所属政党である人民参加運動(MPP)が最大議席数を獲得。
2012年6月、ブラジル、リオデジャネイロで開かれた「持続可能な開発会議」でのスピーチが世界中から注目され、「世界でいちばん貧しい大統領」として質素な暮らしぶりが話題となった。
感想・レビュー・書評
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正しさと信念は必ずしも噛み合うわけではない。
けれど、絶対的な正しさより、その人の持っているひたむきな思いに、人は惹かれるものなのかなと思わされた。
「清貧」という言葉は、日本人好みのワードだ。
自らの給料の大半を貧しい人々に与え、モノを必要以上に持つことや、便利さに目が眩んでしまうことを毛嫌いする姿は、読んでいて好ましく感じる。
だからこそ、政治家としては異端なキャリアも、その生活も受け入れられていく。
難しいのは、ホセ•ムヒカのような大統領がありふれることはない、ということなのかもしれない。
人気を得られるのであれば、真似をすればいいのに、そうはならないのは、何故だろう。
たとえば「清貧」であることに心惹かれても、それは理想に対する憧れに留まってしまうのは、何故だろう。
そこに、誰かの発するひたむきさが関係しているのかもしれない。
「私たちは素晴らしい世界に生きているが、必ずしもその素晴らしさが見えているわけではない」
「人間は本質的には社会的な生き物で、時とともにエゴイストで野心的になる。これが、現代の人間が抱える不安なのだと思う」詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
オベハ・ネグラ=異端児と見られていた大統領。
ペペの愛称で親しまれているその人は今はもう世界中で有名だ。
トゥパマロス時代に経験した独房での生活が必要最低限の物で暮らせるベースを築いた。
国民と同じレベルでの生活をするという善良なイメージが強いが、そこは政治家としての狡猾さもしっかり持っていた。
お金を稼ぐことに非難している訳ではないところがまた面白い。
彼の言葉はとても理想的な未来を想像させてくれる。
しかしそれを実現させるのは難しく、実際には無理かもしれないし間違っている可能性もある。
けれど、恐れずに理想を口にする姿が本物のリーダーなのだと体現してくれている。 -
穏やかな好々爺にも見えるが経歴見るとかなり凄まじい。そんな経歴を経ているからこそ辿り着ける境地なのかも。
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ラテンアメリカの小国で政局運営することの難しさ、他国のリーダーについての感想など、およそ20年にわたり取材をしてきたジャーナリストに大統領自身が率直に語った貴重な証言集。
特に面白いと感じたのは、自身反政府ゲリラとして闘争してきたバリバリの左翼戦士だったはずが、大統領として国を統治する立場になると、そのイデオロギーを捨て、非常にプラグマティックに政局をコントロールしようと奮闘するところ。
ブラジルやアルゼンチンといったラテンアメリカの大国に伍していくためには、ウルグアイという小国の国際的なプレゼンスを高める必要がある、そのために、大統領自身がショーケースとなって注目を浴び、いつも人と違ったユニークな存在であろうとしてきたこと。 -
ウルグアイの名物大統領であるホセ・ムヒカ氏に10年に渡り交友があるジャーナリストが書いた氏の半生と哲学。
元々反政府ゲリラにいて、投獄経験がある氏が大統領になっているという事実にまず驚く。
彼はとても聡明で政治活動の間にジャーナリストに話した言葉たちはとても本質的で納得させられるものが多い。日本にもこんな首脳がいればな。。と思った。 -
翻訳だからか、とても読みづらかった。最初の章で断念…。
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やっぱり翻訳は読みにくい。最後まで読めない
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ホセ・ムヒカは、現実主義者であった。
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●たとえ一国の大統領であっても、自分の信念に従って生きること。
●本をたくさん読むこと。