- Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041043424
作品紹介・あらすじ
リバーサイドに建つ瀟洒なマンション。
209号室には、少年「あおい」が住んでいる……。
やりがいのある仕事を辞め、専業主婦となった菜穂。
夫は家のことは何一つせず、気が向けば子供の遊び相手になる程度。
「これじゃまるで大きな子供ね」といらだちが募っていたある日、
209号室に住む「葵」という名の美少年が現れる。
葵は息子の遊び相手を務め、ありがたく思う菜穂だったが、次第に夫までもが子供のような奇妙な振る舞いを始め……。
自分の力でマイホームを購入し、理想的な年下夫も手に入れた亜沙子。
妻と死別した、憧れの上司と結婚した千晶。
妹に彼氏を寝取られ、慰謝料をもらって新たな人生を踏み出した和葉……。
一見「ちゃんとして」見える女たちは、しずかに歪み、壊れていく。
……209号室の少年、葵によって。
そして、209号室のオーナー、羽美の周りでも奇怪な出来事が起き始め……。
これは呪いか、人災か。女の業が交差する、ホラーミステリ決定版。
感想・レビュー・書評
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怖そうでいろいろ期待しながら読みすすめたものの、途中飽きてしまい、でも最後はちょっと面白いと思えた。
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あるマンションに住む何組かの家族が崩壊を迎える。
そこには常にある少年の姿が見え隠れしていて…
連作短編になっていてそれぞれの章だけでも独立したお話として読める。
オカルトやホラーの要素も含まれているが、自分としては現実世界にありそうな話・サスペンスとして読んだ。
これはこの作品に限った事ではないが、どちらかというと男性が主人公の小説を手に取る事が多くて
主人公の行動や心の動きに親近感や理解を感じるからなのだが、この作品の主人公達は全員女性。
自分が男でなければ、もっと深く理解し共感し刺さる読書が出来たのかもしれないと残念な気持ちになる程、登場人物たちの心理が綿密に描かれていて、作り物の下の土台はしっかりしている印象を持った。 -
ホラー…というより、土着の民俗学ミックス不条理求母物語。続きが気になるという意味では面白いのだが、怖さ控えめ。むしろ女性の受ける不条理さに腹立たしささえ感じる。こういうテイストは明確な説明はせずぼかした方がより不可解な心持ちになるので、最終章がおしい。
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7年前の櫛木さんの作品。装丁にはなんとも表現しがたい子供が。タイトル的にこの子が209号室にいるんだろう。と、ページを捲る。
まぁなかなかゾワゾワするホラーテイスト。今流行の瑕疵物件的な。第1話、ベランダのシーンにはヒンヤリ。第2話の不気味な義母にムムムッ。第3話は前妻の仏壇にドキリ。第4話はチョコレートが美味しそうだけど…。第5話で全ての謎が解けて、全話が繋がるのだった。そして最後の1行には顔を歪ませる。
でもやっぱ第1話が1番ゾクッとしたかな。やっぱ櫛木さんのホラーはきっちり良い仕事をしてくれているなと。 -
以前読んだ「チェインドッグ」が中々面白かったので本作も手に取りましたがイヤミスにホラー&ミステリーがミックスされていて怖いながらも最後まで面白く読めました。
表紙に描かれた209号室に住んでいる「葵 あおい」が中心となって物語が進みます。
一見「ちゃんとして」見える女性達が葵によって少しづつ歪み壊れて行きます。
その他、チョコレート依存症の女性や嫁姑の話など どこにでもいそうに見える普通の人々が葵の出現で変化して行く様にゾッとしました。
乾いた雰囲気の心理的ホラーが好きな方にオススメの1冊。 -
ホラーは好きなので軽い気持ちで読みはじめたら1話と2話だけ読んでとても心が折れてつらくなりました。これは無理だとあきらめて、とばして5話を読んだらきぶんの悪さにくわえてとても怖い思いをしましたww