- Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041043646
作品紹介・あらすじ
石高はわずか五千石だが、家格は十万石。日本一小さな大名家が治める喜連川藩では、名家ゆえの騒動が次々に巻き起こる。家格と藩を守るため、藩の中間管理職にして唯心一刀流の達人・天野一角が奔走する!
感想・レビュー・書評
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「購入」
江戸出府 ー 喜連川の風シリーズ1作目《文庫本》
2016.07発行。字の大きさは…小。2023.07.07~08読了。★★★☆☆
藩命、奥州道中、江戸屋敷、探索、難局、交渉、の6章。
剣の遣いて天野一角の活躍の物語です。
時は、天保七年(1836)。
石高五千石、下野国(栃木県)喜連川藩の家臣で剣の遣いて天野一角は、御所様(藩主)の命で江戸へ使いに行った。江戸屋敷の留守居役から肥後熊本54万石の細川家の内情を探るように言われる。留守居役は、細川家から1万両借りるために細川家の弱みを握り、借り入れを有利に運ぼうと考えた。
【読後】
おもしろい。
石高五千石だが幕府から家格十万石が許されている名族足利氏の血を引く喜連川藩主は、徳川幕府では将軍が隠居した時に使う特別な称号である「御所」という称号を使用することが許される特別な存在です。すなわち喜連川藩は、家格は大大名並み、石高は旗本並みです。物語は、天野一角が面白く、これからが楽しみです。
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喜連川の風シリーズ一覧
06.明星ノ巻2
05.明星ノ巻1
04.切腹覚悟
03.参勤交代
02.忠義の架橋
01.江戸出府 2023.07.08読了
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※参考
「喜連川藩」江戸幕府を開き源氏長者となった徳川家康は、かつての将軍家でありかつ源氏長者でもあった足利氏の格式を重んじ、高い尊称である「御所号」を許して厚遇した。5000石であったが享保年間には諸侯扱いとなり、藩庁が喜連川陣屋のままにもかかわらず10万石相当の国主並家格となった。
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面白かった
設定が物語の世界を決める
喜連川こそ時代小説の舞台でも異彩を放つ設定だな
どこか浮世離れした流れも好ましく読める
(新田岩松家の話もステキだ!)
さて、5000石にして10万石扱いの大名(小名)
喜連川家に起きる切なく小さな物語
でも、渦中の者にはえらいこっちゃという中学生の
悩みの用なストーリーです
設定だけじゃなく筆が立つ作者と見た! -
何もかも異例づくしの小国、喜連川藩。
飢饉に喘ぎ、江戸に出向き大藩に借金を申し込む。
さて、借りられるか? がテーマ。
が、トラブル、事件、が次々起きて物語はどんどん膨らんでいく。
これがページをめくらせる。
池井戸潤の時代小説版の趣き。
読後の爽快感も合わせて、痛快な時代小説だ。 -
時代小説というフォーマットを借りた
中間管理職が主人公のサラリーマン小説。
上からは無理難題を押し付けられ、
下からは突き上げられ、という
中間管理職の悲哀が何とも言えない。
喜連川藩という舞台設定が特殊で
そこが通り一遍の時代小説とはまた一味違っていて
なかなか面白い。 -
喜連川藩が、実際にあった藩とは思わなかった。
現在の栃木県さくら市喜連川地区に実在した藩で、本で、記されたように石高5000石しかない藩であった。
足利尊氏の次男が、祖になっているので特別扱いで、御所様・公方様と、呼ばれており、他の石高の高い大名よりも、別格扱いであった。
しかし、やはり、小さな土地でさえ、君臨するには、石高が、少なすぎる。
名君に使える家臣は、飢饉で、不満の村人たちに、主君からの使命の1万両を借金をどのようのにして獲得するか?
天野一角が、投獄されても、自分の案をさしだしたものは、、、
経済、政治で、改革をしていかねばならない小藩でありながら、名門の地位に居る名君の無理難題をどう切り抜けていくかが、現在の社会にも通じるものがあった。 -
2016年7月角川文庫刊。書下ろし。シリーズ1作め。小さな所帯の喜連川藩で起こる騒動を興味深く書いてあり、楽しめました。続きが楽しみです。
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シリーズ第一弾
かなり特殊な藩喜連川藩の中間管理職天野一角の活躍?
名君が故、問題もある主君に仕え、色々な事件を通して経験を!