沙羅沙羅越え (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店
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本棚登録 : 29
レビュー : 5
  • Amazon.co.jp ・本 (360ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041044377

作品紹介・あらすじ

戦国時代末期。越中の佐々成政は、家康に、秀吉への徹底抗戦を懇願するため、厳冬期の飛騨山脈越えを決意する。何度でも負けてやる――「白い地獄」に挑んだ生真面目な戦国武将の生き様とは。中山義秀文学賞受賞作。

感想・レビュー・書評

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  • 2019.8.7完了
    久しぶりに読み易く、テンポよく、分かりやすい書き方に出会う。仕事してるのに2日で読んでしまった。
    佐々成政のイメージはどうしても偏屈になりがち。信長の野望と裏切り、一揆の影響かもしれないけど。
    ここの佐々は人間臭く、とても共感がもてた。
    実際こういう領主は多かったんだろうが、時代の結果、異なる印象を抱かせることもおおいんだろう。
    なによりこの作家も最後に創作ですと括っているからなにが本当かなど分かり得ませんが。

  • 真面目な成政が秀吉に対抗する為冬の立山に挑み家康を動かそうとする物語。読んでいると妙に共感してしまう場面に出くわしたが作者のあとがきで謎が解けた。作者のフルマラソンの体験談をこの成政の立山踏破に重ねた作品だと知り自分も初マラソンに参加した時の未知の体験をする不安と期待の気持ちが蘇ってきた。これだけ共感出来た作品は初めてだったので楽しく読めました。

  •  大町には丸三年住んでいた。冬に街から仰ぎ見る北アルプスは、晴れた日は白い屏風が西の空を塞いでいるようだった。
     厳冬期に入る山ではない。しかし、四百年も前に武将自らが冬の北アルプス越えを決行した。
     どのルートを通ったかは定かではないが、北アルプスを越えたことは史実らしい。

     富山の戦国大名、佐々成政。
     西に前田、東には上杉に囲まれ、窮状を打破すべく浜松の徳川に陳情へ向かう。
     生きて越えられるかわからない北アルプス越えに加え、留守の間に前田から襲撃を受け、さらには本丸の情報が洩れており間者の存在もある。
     
     史実では、佐々成政の沙羅沙羅越えは徒労に終わる。
     しかし、全てが徒労だったのか。
     北アルプスの厳しさと、人間の小ささを武将の目を通して描く。

  • 佐々成政が、小牧長久手の戦い後、家康に会い秀吉に降らないように説得しにいくため、冬の立山雪中行軍するという話。現在のザラ峠が沙羅沙羅峠と言われている。沙=ミズが少ない、羅=網羅というように、網、捕らえるという意味を持つ。

  • http://wp.me/p7ihpL-5a

    冬山の描写、容赦のなさや荘厳さ。
    やっぱり人為を越えた自然の凄さっていうものの前には、人間がいかに無力かわかりますね。
    成政がその自然の荘厳さの中にいる時に、下界では思惑と陰謀が渦巻いていることに少し滑稽味があるよなぁ。
    成政は立山の雪の中で何を見てしまったんだろう。

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著者プロフィール

1951年福島県生まれ。立教大学法学部卒。1992年「黒牛と妖怪」で歴史文学賞を受賞しデビュー。2015年、〈耳袋秘帖〉シリーズで第4回歴史時代作家クラブシリーズ賞、『沙羅沙羅越え』で中山義秀文学賞を受賞。主な作品に、「妻は、くノ一」シリーズ、「四十郎化け物始末」シリーズ、「女が、さむらい」シリーズ、「大名やくざ」シリーズ、『卜伝飄々』などがある。

「2019年 『完本 妻は、くノ一(五) 国境の南/濤の彼方』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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