沙羅沙羅越え (1) (角川文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041044377

作品紹介・あらすじ

戦国時代末期。越中の佐々成政は、家康に、秀吉への徹底抗戦を懇願するため、厳冬期の飛騨山脈越えを決意する。何度でも負けてやる――「白い地獄」に挑んだ生真面目な戦国武将の生き様とは。中山義秀文学賞受賞作。

感想・レビュー・書評

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  • 黒部の太陽にも出てくる沙羅沙羅越えをさらっと体験できます。立山黒部アルペンルート行く前におすすめ。

  • 単なる登山本にせず、黒百合伝説と内通者ミステリーもあわせて飽きさせない構成。
    成政の心理描写、秀吉利家家康との比較など、上手くまとめていた。
    短編で終わってもおかしくないテーマを長編にしているが、間延びせずに熱いまま一気に読めた

  • 山に関する本が読みたいと思って手に取りました。

    厳しい冬の立山を越える物語。

    自分の意思ではどうにもならない、
    自然の厳しさ。
    心を震わせるような美しい姿を見せるときもあれば
    仲間の命をあっけなく奪っていく。

    著者も文庫版追記で述べていたが、
    山岳場面をもう少し読みたかったので、
    星は2つとした。

    後日談として、山岳場面が読んでみたい。
    (知らないだけでもう発表されているのかな?)

  • ★★★☆
    描寫佐佐成政在1584年家康信雄聯盟與秀吉交戰中(後來信雄脫隊和議),他決定要前往浜松城請求家康繼續與秀吉交戰。然而此舉必須瞞過正在交戰狀態的前田利家以及城內間諜,並且必須越過冬天嚴峻無比的立山。
    第一次讀這位作者的書,節奏輕快好讀,然而卻有略薄之感。山岳小說我讀得並不多,個人感覺最重要的山岳之旅寫得倒是普通。另外一方面富山城中找間諜,可能是刻意要製造一種如偵探小說的懸疑感,但其實很早就大概可以猜出犯人為何(葉子的藉口也太牽強了),寫到最後倒是有點雞肋,早百合部分倒是沒有太多感動。
    反而這本書令我印象最深刻的是,佐佐越山之後然而家康也已經講和因此只是徒勞,最終仍然剃頭降於秀吉軍門,然而他發現秀吉是忍了許多屈辱才能爬上來,以及秀吉逼他吃蚱蜢的橋段...這段反而令我動容。尤其是秀吉最後說了短短的"許す"的力道令人戰慄。然而最後作者再回頭寫成政回想自己在山上忘記了什麼,面對嚴寒,人隨時都還是有希望,活著真好。可以理解作者刻意把這段移到最後來寫,是想留下這個梗,可惜,這個部分卻讓人感動並不深,反而刻意感太想,略嫌做作。
    作者有組織輕快的故事的功力,然而依然不乏組合感,故事之中依然看得出"接縫",較為可惜,時代感也較薄弱,早百合的部分可看出作者希望引起讀者共鳴,但無法讓人感動,反而書中成政淺薄的行為(牽著她的手帶她逃走,然後差點被殺?就算她只是做做樣子?)讓人時代感頓失,這不是當代戀愛小說。此外,結尾甚為可惜,作者似乎描寫厚重深刻的火候似乎還有待加強。只能說,很當代。如果想更上一層樓,希望他可以讀讀尾上弥生子。

  • 2019.8.7完了
    久しぶりに読み易く、テンポよく、分かりやすい書き方に出会う。仕事してるのに2日で読んでしまった。
    佐々成政のイメージはどうしても偏屈になりがち。信長の野望と裏切り、一揆の影響かもしれないけど。
    ここの佐々は人間臭く、とても共感がもてた。
    実際こういう領主は多かったんだろうが、時代の結果、異なる印象を抱かせることもおおいんだろう。
    なによりこの作家も最後に創作ですと括っているからなにが本当かなど分かり得ませんが。

  • 真面目な成政が秀吉に対抗する為冬の立山に挑み家康を動かそうとする物語。読んでいると妙に共感してしまう場面に出くわしたが作者のあとがきで謎が解けた。作者のフルマラソンの体験談をこの成政の立山踏破に重ねた作品だと知り自分も初マラソンに参加した時の未知の体験をする不安と期待の気持ちが蘇ってきた。これだけ共感出来た作品は初めてだったので楽しく読めました。

  •  大町には丸三年住んでいた。冬に街から仰ぎ見る北アルプスは、晴れた日は白い屏風が西の空を塞いでいるようだった。
     厳冬期に入る山ではない。しかし、四百年も前に武将自らが冬の北アルプス越えを決行した。
     どのルートを通ったかは定かではないが、北アルプスを越えたことは史実らしい。

     富山の戦国大名、佐々成政。
     西に前田、東には上杉に囲まれ、窮状を打破すべく浜松の徳川に陳情へ向かう。
     生きて越えられるかわからない北アルプス越えに加え、留守の間に前田から襲撃を受け、さらには本丸の情報が洩れており間者の存在もある。
     
     史実では、佐々成政の沙羅沙羅越えは徒労に終わる。
     しかし、全てが徒労だったのか。
     北アルプスの厳しさと、人間の小ささを武将の目を通して描く。

  • 佐々成政が、小牧長久手の戦い後、家康に会い秀吉に降らないように説得しにいくため、冬の立山雪中行軍するという話。現在のザラ峠が沙羅沙羅峠と言われている。沙=ミズが少ない、羅=網羅というように、網、捕らえるという意味を持つ。

  • http://wp.me/p7ihpL-5a

    冬山の描写、容赦のなさや荘厳さ。
    やっぱり人為を越えた自然の凄さっていうものの前には、人間がいかに無力かわかりますね。
    成政がその自然の荘厳さの中にいる時に、下界では思惑と陰謀が渦巻いていることに少し滑稽味があるよなぁ。
    成政は立山の雪の中で何を見てしまったんだろう。

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著者プロフィール

かぜの・まちお
1951年生まれ。’93年「黒牛と妖怪」で第17回歴史文学賞を受賞してデビュー。主な著書には『わるじい慈剣帖』(双葉文庫)、『姫は、三十一』(角川文庫)『大名やくざ』(幻冬舎時代小説文庫)、『占い同心 鬼堂民斎』(祥伝社文庫)などの文庫書下ろしシリーズのほか、単行本に『卜伝飄々』などがある。『妻は、くノ一』は市川染五郎の主演でテレビドラマ化され人気を博した。2015年、『耳袋秘帖』シリーズ(文春文庫)で第4回歴史時代作家クラブシリーズ賞を、『沙羅沙羅越え』(KADOKAWA)で第21回中山義秀文学賞を受賞した。「この時代小説がすごい! 2016年版」(宝島社)では文庫書下ろし部門作家別ランキング1位。絶大な実力と人気の時代小説家。本作は「潜入 味見方同心」シリーズの完結作。



「2023年 『潜入 味見方同心(六) 肉欲もりもり不精進料理』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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