- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041044438
作品紹介・あらすじ
カルナバル(カーニバル)の国、ブラジル。日本人の父を持つ15歳のアリコは、映画館を出たところで同い年の不思議な少女から声をかけられる。右目は翡翠色、左目は水色の名前はナーダ、「なんにもない」という意味だという。何者にも縛られず自由気ままな一人暮らしの彼女が、引きこもりがちのアリコには眩しく映った。ある日、ナーダに誘われたパーティで、アリコはジットという青年に出会う。ジッドに会っちゃだめ…とナーダからくぎを刺されるが、自分の気持ちに嘘がつけないアリコは恋に落ちていく。しかし、彼から不思議なことを言われる。ジットだけではない、パーティで親しげにナーダから紹介された友人たちも改めて彼女のことを尋ねると、「そんな子いたかな?」。ナーダは本当に存在するのだろうか? 自分とどういう関係があるのだろうか? サンバのリズムに浮かび上がる光と影で描かれる、二人の少女の幻想的でミステリアスな物語!
感想・レビュー・書評
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#89奈良県立図書情報館ビブリオバトル「贈りたい本」で紹介された本です。
2部制で実施の第2部。
1部は通常回で、2部は奈良県内の書店員によるエキシビションでした。
2018.4.21
https://m.facebook.com/events/1211793018923515?view=permalink&id=1413558028747012 -
ブラジルが舞台、ということでなんだかワクワクする。ブラジルの描写が詳しくて、旅行したり取材したりしたのかなぁと思って調べたら、角野栄子さんはブラジルに滞在していたんですね。
ファンタジーです。想像していた以上のことは起こらないんですが、もし居なくなったはずの人が生きていたら… あの生きていると思われる人が実は死んだ人だったら… といった想像から物語が繰り広げられているのでは、と想像しました。
あとがきのちょっとした種明かし?も楽しい。 -
とても好きです。
リオデジャネイロのスラム街に住む不思議な女の子ナーダに出会い、惹かれ、翻弄される話。
リオのカーニバルに向けて空気がどんどん高まってなにか起きそうでこちらもドキドキします。 -
期待はずれ。。。
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ナーダはアリコを愛しつつも嫉妬もあり、ジットをめぐっての複雑な気持ちもあり、あんな行動になってしまったのだろう。
しかし、私は主人公のアリコがあまり好きになれなかった。顔はかわいいようだが、愛想がなく、引っ込み思案だと言っているものの、結構自分勝手で、周りの人を振り回している。その点、ナーダとどっちもどっちだ。
アリコはナーダを突っぱねたかと思うと追いかけ、近づいてくると振り払う。ジットに対してもそんな感じ。いい加減にして欲しいと思った。子どもだから仕方ないのかもしれないけれど、あんな態度では親切に近づいてきた人も離れていってしまうだろうに。ジットはアリコのどこが気に入ったのだろう? -
魔女の宅急便のようなファンタジーを期待すると、現代の世界に近すぎて少し物足りなくなるような、現代小説に少しだけ不思議な要素が入った物語。
途中まではぐんぐん読み進み、途中から少し想像できてペースダウン。といっても、育児の合間を縫って二日で読了。しかし双子の子どもを持つ私には胸の痛む。
ブラジルやポルトガルの空気はこんな感じなのかなと想像しながら読みました。 -
少女の,自分という存在の認識過程の物語.映像を想像して物語にのめり込むことが多いが,他作品と同様本作も匂いと音を感じさせる筆致のため中々物語に入っていけない.
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他の方のレビューを読んでから
買いましたが
没入できませんでした。
ブラジルの風物に
馴染みがなかったからか
そもそも気候風土が
自分に合わなかったからか
どの登場人物の心情にも
寄り添えないまま読了。
カルナバルやイパネマの
海岸など ブラジルらしさは
添えられていましたが
それらが物語とは有機的に
結びついてはいなかったように
思います。