ナーダという名の少女 (角川文庫)

著者 : 角野栄子
  • KADOKAWA/角川書店 (2016年7月23日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (244ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041044438

作品紹介

カルナバル(カーニバル)の国、ブラジル。日本人の父を持つ15歳のアリコは、映画館を出たところで同い年の不思議な少女から声をかけられる。右目は翡翠色、左目は水色の名前はナーダ、「なんにもない」という意味だという。何者にも縛られず自由気ままな一人暮らしの彼女が、引きこもりがちのアリコには眩しく映った。ある日、ナーダに誘われたパーティで、アリコはジットという青年に出会う。ジッドに会っちゃだめ…とナーダからくぎを刺されるが、自分の気持ちに嘘がつけないアリコは恋に落ちていく。しかし、彼から不思議なことを言われる。ジットだけではない、パーティで親しげにナーダから紹介された友人たちも改めて彼女のことを尋ねると、「そんな子いたかな?」。ナーダは本当に存在するのだろうか? 自分とどういう関係があるのだろうか? サンバのリズムに浮かび上がる光と影で描かれる、二人の少女の幻想的でミステリアスな物語!

ナーダという名の少女 (角川文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 全部読み終わると、物語の冒頭でアリコが観ていた『世界の始まりへの旅』という映画のタイトルが意味を持って来る気がする。あの世とこの世、日本とブラジルとポルトガルのあいだを、アリコの心は旅をするんだもの。父親と二人で目立たないようにひっそりと暮らすことで、かえって目立ってしまうナオキとアリコ。なんといってもここはみんなが明るく楽しく生を謳歌するリオ・デジャネイロなのだから。ただ、陽射しの強いところには影ができるように、そんな底抜けに明るいカリオカ(リオッ子)の中にも、サンバのリズムにも、悲しみを感じ取る、感受性の強いアリコ。子どものころの思い出で、バイーアからきた黒人の白いスカートの中で踊る、ちっちゃなアリコ。その中でママエと呼び合う、アリコの原体験ともいえるシーンが鮮烈で印象的。
    詳しくは書かれていないけれど、バイーアという場所はサトウキビ産業の働き手として連れてこられた黒人による、アフリカ文化が残る場所。描かれている白いレースも、画像検索すればその美しく繊細な生地を纏った、現地の女性たちの姿を見ることができる。その歴史を思えば、明るいリズミカルなダンスも哀愁を帯びて聞こえることだろう。
    ナオキとたった二人だと思っていた「ファミリー」が、ポルトガルでママエの家族と会うことで広がって、同時にアリコの世界もぐっと広がるところでちょっと泣いてしまった。これが『世界の始まりの旅』だったんだ。そして、アリコはこれから、ジッドと手を取り合って新しい自分を生きることになるんだな。姉妹のナーダにも見守られながら。
    ナーダのオッドアイは、何かのメタファーなのかな。この世を見る目と、あの世を見る目?

  • 少女の,自分という存在の認識過程の物語.映像を想像して物語にのめり込むことが多いが,他作品と同様本作も匂いと音を感じさせる筆致のため中々物語に入っていけない.

  • 他の方のレビューを読んでから
    買いましたが
    没入できませんでした。

    ブラジルの風物に
    馴染みがなかったからか
    そもそも気候風土が
    自分に合わなかったからか
    どの登場人物の心情にも
    寄り添えないまま読了。

    カルナバルやイパネマの
    海岸など ブラジルらしさは
    添えられていましたが
    それらが物語とは有機的に
    結びついてはいなかったように
    思います。

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