スリーパー (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 194
感想 : 14
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  • Amazon.co.jp ・本 (496ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041044513

作品紹介・あらすじ

殺人罪で米国の刑務所に服役する由良は、任務と引き替えに出獄、CIAのエージェントとなる。スリーパー(秘密工作員)として活動する由良のもとに、沖縄でのミサイルテロの情報が……。著者渾身の国際謀略長編!

感想・レビュー・書評

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  • 面白かった!
    本当にありそうな緊張感
    ただ、エンディングのことを思うと読む順番を間違えたかも?

  • 初期の楡周平作品のような国際謀略小説。

    これまでに読んだ小説の中で、これほどエンディングで驚いたのは余り記憶にない。もしかしたら全のストーリーは、このエンディングのためにあったのかも知れないと思うほど。過去に読んだ小説で、エンディングで驚かされたのは、フィリップ・マーゴリンの『黒い薔薇』、安孫子武丸の『殺戮にいたる病』だろうか。

    アメリカの刑務所に殺人の罪で収監されていた由良憲二はCIAの超法規的処置により、刑務所から出獄し、CIAのスパイとして北朝鮮の外貨資金調達を担当する高官と接触する。現代の国際情勢の表と裏がリアルに描かれ、ストーリーは驚愕のエンディングへとひた走る。

  • 面白かった!
    久々に楡さんのスパイアクションものを読みました。
    最後には驚愕のエンディング!!!
    このエンディングだけでも読む価値あり(笑)
    ってこのために、今までのシリーズがあったの(意味深)と思ってしまう!

    ストーリとしては、
    MBAホルダーで語学にも長け空手も使えるスーパー(ダーク)ヒーロー由良憲二。
    米国で無期懲役の判決を受けて服役中のところ、CIAの秘密工作員任務と引き換えに出獄することに。
    その任務は、日本での中国ー北朝鮮が絡むミサイルテロを阻止すること。
    カジノを通した北朝鮮の高官との接触
    北朝鮮の微妙な体制維持状況
    中国の思惑
    などなど
    そんな中、テロはどうなるのか?
    どうやって阻止するのか?
    といった展開です。

    日本、米国、中国、北朝鮮といった国際パワーバランスを本書のストーリがわかりやすく解説してくれます。
    さらに、本書を通して感じられるのが執筆当時の日本政府への批判。
    東日本大震災や普天間基地問題、自衛隊問題について辛辣に登場人物に語らせています。
    自分自身の考えとほぼ同じ共感できます。
    こうした国際情勢をベースとした物語を読むと、やはり日本の国防が心配になってしまいます。

    そしてエピローグで語らられる驚愕のエンディング。
    これはびっくりした。
    今までいろんなエンディングを読んできましたが、こう来たか!!って感じ。
    エンディングに出てくる小物が、あれ、どっかで読んだことがある(出てきた)って思ったんだけど...
    この驚きは共有してもらいたいので、これ以上記載しません。

    ということで、楡周平ファンの方には、すごーくお勧め!

  • 初期の楡作品を彷彿させるような国際諜報小説。
    元々の著者の得意ジャンルなのか、
    安心してグイグイ小説にのめり込んでいけます。

    さらに、純粋に物語を楽しめるだけでなく、
    中国・北朝鮮と日本、アメリカの4国間のパワーバランスがフィクションと。は思えないくらいリアルで、
    その辺のニュースを聞いているよりもよっぽど勉強になります。
    フィクションでしょうが、もしかしたら実際に起こったリアルでは?と
    本を読みながら思ってしまうほどです。

    さらに、現代のネット社会における情報が如何に筒抜けかについてのリアルが描写されており、
    ちょっとスマホやグーグルを使うのが怖くなってしまいます。

    安定の楡作品で、★4つ!と思いながら読んでいたのですが、
    初期の楡作品を読んだことのある人にとっては驚きの結末が。。
    ここで一気に★5つに格上げされてしまいました。
    恐るべし、楡周平。
    続編も出たら、もちろん読んでみたくなること間違いなし!

  • 殺人罪で無期懲役になった由良憲二。
    CIAの工作員としての任務を与えられる。
    北朝鮮高官は カジノにはまっていた。
    その弱点をうまくついて、カジノでの勝ち方を伝授し、
    そのまま スリーパーにとりこむ。
    この手法が みごとだね。
    金正恩の係累がよく見えた。
    張 成沢が、まだ健在だった頃の話。

    劣化ウランの発見。
    中国軍のエージェントが環境問題をとりあげ、
    マスコミを動かす。新聞記者のスクープ観。
    どこに、敵がいるのかが見えていないのだね。

    地対空ミサイルを使って、沖縄の基地で、
    アメリカ軍のC-130を撃ち落とそうとする。
    由良は、そのエージェントを取り押さえる。
    由良のイメージが ジェームスボンドばりなのが、おもしろい。
    北朝鮮 そして 中国。
    その距離感の中に 日本がいるが、
    日本に於けるアメリカの治外法権がよくわかる。

  • 各キャラの科白の中に 読者向けの解説コトバが散見されてて
    これは冗長というか余計なものに映った。

    こんなマイナスもあったけれども、
    本作は面白い!!

    2012年からの連載作だからか、
    当時の民主党政権の不作為・無能さを モチーフにしてて、
    やたらとリアルに感じられた。

    今となっては 苦笑と失笑になるのだけれど、
    特定アジア諸国に囲まれた地政上、
    安全保障の 苛烈さが緩和されることなって 今後もないわけで、
    そんな現実があるがゆえに本作の臨場感が鮮明になってて
    のめり込んで読み終えることができた。

  • 実は…特段に作者の名を確認せずに本作を眼に留め、タイトルと「沖縄でのテロを阻止すべく戦う」というような紹介だけで「これ!!」と入手して愉しんだのだが…この作者…最近は作品の幅を随分広げているようだが、1990年代に「不敵なダークヒーロー」が活躍する、犯罪や謀略の絡むアクションのシリーズで好評を博していた作家だ。幾つか、愉しく読んだ記憶も在る。或いは原点に戻ったのか?または、近年の様々な情勢の中、彼が創造する「不敵なダークヒーロー」の暗躍が「必要!?」とでも思ったのか?

    この種の作品…暗躍するテロ実行犯を倒すような辺りが爽快である他方、一定程度の事実を交えて綴られる“世界情勢”や「日本の様子」というようなモノに関して深く考えさせられる面も在る。非常に好みの分野として挙げたいような作品だ…

  • ★★★
    今月7冊目
    北朝鮮、中国、アメリカでちと難しい。久々楡周平作品のハードボイルド。
    ややこしくて途中きつかった。
    まあ、ラストに朝倉恭介が出てきたのが驚き

  • 国際情勢を学んだ。面白かった。

  • エピローグに震えた!!

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著者プロフィール

1957年生まれ。米国系企業に勤務中の96年、30万部を超えるベストセラーになった『Cの福音』で衝撃のデビューを飾る。翌年から作家業に専念、日本の地方創生の在り方を描き、政財界に多大な影響を及ぼした『プラチナタウン』をはじめ、経済小説、法廷ミステリーなど、綿密な取材に基づく作品で読者を魅了し続ける。著書に『介護退職』『国士』『和僑』『食王』(以上、祥伝社刊)他多数。

「2023年 『日本ゲートウェイ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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