うるさい日本の私 (角川文庫)

著者 : 中島義道
  • KADOKAWA/角川書店 (2016年5月25日発売)
3.78
  • (2)
  • (3)
  • (4)
  • (0)
  • (0)
  • 本棚登録 :27
  • レビュー :4
  • Amazon.co.jp ・本 (235ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041044827

作品紹介・あらすじ

家を一歩出れば、町に溢れる案内、呼びかけ、注意。意味も効果も考えず、「みんなのため」と流されるお節介放送の暴力性に、哲学者は論で闘いを挑む。各企業はどう対処したのか。自己反省も掲載した名エッセイ!

うるさい日本の私 (角川文庫)の感想・レビュー・書評

並び替え:

表示形式:

表示件数:

  • 著者の中島義道はドイツ哲学を専門とする哲学者で、本書にも出てくる通り、「戦う哲学者」との異名を持つ。
    本書は、「音漬け社会・日本(=うるさい日本)」に対して、著者が様々なところに寄せた告発文を素材にまとめたもので、1996年に発刊され、その後いくつかの出版社で文庫化されている。単行本出版時の反響は大きく、朝日新聞の「天声人語」、NHKのラジオ番組、The Japan Times、Chicago Tribuneなどに取り上げられたという。
    内容は、日本の社会が如何に「音漬け社会」となっているかを、駅、電車、バス、商店街、デパート、銀行、竿竹屋、広報車、海水浴場、プール、防災無線、美術館、京都や日光の社寺等を挙げて、これでもかと語り、更にそれを辞めさせるための自身の戦闘の様子と結果を、これまたこれでもかと綴っている。因みに、中島氏が問題にしている「音」とは、「エスカレーターにお乗りの際はベルトにおつかまり黄色い線の内側に・・・」、「当駅は終日禁煙です。おタバコはご遠慮ください」、「駆け込み乗車は危ないですからおやめください」、「切符をお取りください/切符は回収されます」、「まもなく終点でございます」、「足元にお気を付けください」、「危険物の持ち込みはご遠慮ください」、「走行中急停車することがありますので、お立ちの方はつり革や手すりにおつかまりください」、「カードをお入れください。現金及びカードの取り忘れにご注意ください」、「準備運動をしてから泳ぎましょう」、「置き引きに注意しましょう」、「ゴミは片づけましょう」、「当日券をお求めの方はこちらに一列に並んでください。券をお持ちの方はそのままお入りください」等々の、実質的な効果のない「騒音」である。
    そして、その「音漬け社会」を作っている真の原因は、いまや日本を完全に支配している、マジョリティの考えをお互いに察する「優しさ(思いやり)」であるが、それは実はいじめを生み出す最大の原因にもなっており、「音漬け社会」を解体するためには、「察する」ことを縮小し、「語る(対話をする)」ことを拡大する必要があると主張している。
    本書で取り上げられる「音」に対する私の感覚は、相対的には中島氏に近く、爆笑しながらも頷ける部分は少なくなかったのだが、その元凶については、本書でも触れられている「自己責任意識の欠如」にあるように思う。
    中島氏が称賛する(無駄な音の存在しない)銀座や鎌倉の小町通りのような街・場所が広がれば、それは素晴らしいことである。
    (2017年5月了)

  • 街の騒音に耐えられない筆者による闘いの記録。マジョリティの日本人の知らない日本人は音に寛容だが、彼は騒音源たる企業・店舗・個人に対して直接抗議をする。90年代に書かれた本なので、彼の抗議は肉声・直筆手紙によりなされ、一部は改善がなされ一部は黙殺される。俺もエスカレーターのアナウンスはまじウザいと感じるが、実際に抗議し、その記録を残す筆者には感服。少々冗長。
    角川文庫により再販されたのは2016年4月。

  • 単なる苦情でなく、行動にうつしている
    また、うるさいことのみに注目するのでなく、
    人間としてこの放送は必要か、とか、
    うるささに鈍感な日本人の様子に対する疑問とか、
    生活の基本を振り返ることができた

  • この本は、生活にあふれている音の暴力について話されている。いや、怒っている。初めから終わりの寸前まで怒っている。話がまっすぐ入って来すぎる。
    いつも不機嫌で難しい数学教師を思い出した。とても苦手だ。

    著者殿には申し訳がないのだけど、話はわかるが気持ち的に受け入れなれない。が、言われていることは本当にマトモ。

    最後に”もう少し「理論的なもの」”として自身の共著を引用しているじゃないか!
    そっちも読もう。

全4件中 1 - 4件を表示

うるさい日本の私 (角川文庫)のその他の作品

中島義道の作品

うるさい日本の私 (角川文庫)はこんな本です

ツイートする