疫神 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店
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本棚登録 : 34
レビュー : 4
  • Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041044865

作品紹介・あらすじ

アフリカでオレンジカビを原因とする新型感染症が発生した。一方、長野県の山間にある小さな町では、不穏な気配が徐々に忍び寄ってきて――。ベストセラー『長い腕』の気鋭が放つ、戦慄の生物ミステリー!

感想・レビュー・書評

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  • この作者定番の手法が使われていて…それなのに油断してしまい、途中やっぱり驚かされてしまった。目に見えないものも怖いし、目に見えないものが見えてしまうのも怖い。

  • 3つの話がどう繋がるのか気になって、あっという間に読んでしまった。

    ただ、二海の息子が元だと分かったことで話が繋がるが、その息子がどう育ったのか、何を思って生きてきたのか、なぜ周りに普通の人だと認識されるのか、気になった。
    と、書いたところで思い出したけど、渡辺医師に言われてたこと思い出した!
    元にも『あの人』を殺したい衝動があったはずで、それをどうしてきたのか分からないけど分かられまいと普通に、いやに普通に過ごしてきたから誰の印象にも普通にしか残らなかったのだろうか。
    元の話が少ないから、もう少し書いてほしかったな。

    それでも、おもしろい作品でした。

  • 山崎草志『疫神(やまいがみ)』(角川文庫、2016年8月)読了。

    読みやすくサクサク読めた。

    冒頭、長野県に住む幼稚園児(桂也)を中心とした話から始まる。
    その直後、ケニアの炭鉱で発生した、致死率100%のオレンジカビの現場で調査するエミリー(米国疾病予防センター)の話が続く。そして次に、奥多摩で翻訳の仕事をする二海(ふたみ)一家の話が始まる。
    つまり、3つの話が同時に展開していく。

    オレンジカビの話では『ジェノサイド』や『生存者ゼロ』などと同じく、いわゆるパンデミックものなのかと思った。そこに幼稚園児一家や二海一家がどのように絡んでいくのかと想像を巡らせてページをめくった。

    エミリーは日本でオレンジカビを研究する向井元博士を訊ねて来日する。しかし向井博士は行方不明であり、足取りを辿っていく。幼稚園児の桂也は、悪いものは赤く、良いものは青く光って見えるという特殊な能力を持っていることが明らかとなる。
    また一方で、二海一家は、妻が特殊な気性に起因する殺人を犯してしまったため、乳飲み子を抱えて逃亡し始める。

    結論からいえば、パンデミックものではないし、パニックものでもない。一部でホラーものに似た場面もあるが(これが結構コワイ)、ホラーものでもない。別のいい方をすれば、パンデミックの可能性があり、パニックに陥る可能性もある、しかも気持ち悪さも詰め込まれて『この先どうなるの?』と思わされる小説であった。

    一見無関係に見える3つのストーリーは最後の最後に「種明かし」されることになる。まさに小説だからできる叙述トリックであり、それはそれで面白い。

    ただ、3つのストーリーとも、そこで扱われている「謎」が中途半端で「どうして?」と思うことがそれぞれにあった。たとえば、オレンジカビの話は途中から向井博士を追跡する話になり、オレンジカビそれ自体がどうなったのかは触れられていない。こういったことが桂也にもあったし、二海一家にもあった。
    作者としては読者をあえてミスリードさせる意図があったかもしれない。
    ネタバレになるのでこれ以上は書かないが、この点が残念だった。

  • 『長い腕』の作中ずーっと漂う不気味さが好きで早く新刊でないかなって思っていた。今回もずーっと漂う不安感に嵌まった。疫神も人を殺したくなる衝動の描写も、おどろおどろしくて魅力的。

    実は、世界を救うとかそういうところに感動を感じなかった。それよりも、関一家のそれぞれの想いに胸を打たれた。幼いけいやの、大人を想う気持ちが苦しかったし、愛しかった。

    偶然にも、うちに祖父、祖母の遺影がやってきた。勝手に運命的なものを感じてしまった。

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著者プロフィール

1961年愛媛県生まれ。京都大学理学部動物学科卒業。セガ・エンタープライゼス、バーチャルゲームセンターなど、ゲーム制作会社に勤務。『長い腕』で第21回横溝正史ミステリ大賞を受賞し、デビュー。2012年、その続編『長い腕』を11年ぶりに発表し、話題に。

「2016年 『疫神』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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