反社会品

  • KADOKAWA (2016年8月29日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (304ページ) / ISBN・EAN: 9784041045916

作品紹介・あらすじ

法に護られた高齢者と、死にものぐるいで働く若年層に分断された社会。若者は圧倒的な劣勢で。(「占領」)「働かないヤツは人間の屑!」と主張する愛国一心の会が躍進した社会で、病人は。(「人間の屑」)七編。

AIがまとめたこの本の要点

プレミアム

みんなの感想まとめ

未来の社会を描いた短編集で、特に高齢化や医療制度に関する問題を鋭く取り上げています。各話は現実味があり、まるで近い将来に起こりうる出来事のように感じられ、政治や社会に無関心でいることの危険性を警告して...

感想・レビュー・書評

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  • いくつかの話があった。どれも未来に本当に起こりそうな、実際にありそうな怖い話だった。
    政治に無関心だと、話の通りになってしまいそう。

  • 医療や制度に対する問題点を取り上げているが、SFの短編集を読んでいる気分。
    ブラックユーモアというか…所々含み苦笑いが出てくる。
    全体的にテンポよく読みやすい。

  • 7編の反社会的(?)な物語。
    特に印象的なのは、「無能児はバラ色の夢を見るか?」(タイトルは間違いなく、フィリップ・K・ディック『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』からとっている)だ。
    出生前診断で異常ありとされた実に9割異常が中絶を選択しているという(出典:毎日新聞 http://mainichi.jp/articles/20160425/k00/00m/040/119000c)。
    それは仕方のない部分もあるだろう。
    やっと授かったから、社会保障もある、そんなことを言っても、育てる親の責任は重い。
    私が死んでしまった後は誰がこの子の面倒を見るの、仕事は続けられるの、育てられるの、どうして私が。
    不安や恐れはあまりに大きな現実としてやってくる。
    私は8ヶ月の時に子供に内部障害が見つかった。
    当然中絶できる期間は過ぎていた。
    ショックではあったが、望んでいた子だったし、きっと、大丈夫、と言い聞かせた。
    でも、もっと前にわかっていたら、違う障害が見つかっていたら、どうしただろう?
    命の選別だ、そう言われたとしても、それをせずにいられるほど、この社会は温かく思いやりがあり、充実しているだろうか?
    なぜ私たちの税金で役立たずを見てやらなきゃいけないんだ、生きる意味なんてあるのか、そんな考えから起きた神奈川の事件を他人事と思えない親は私だけではあるまい。
    ラストには愕然とした。
    医療は100%はなく、命は神の領域だと思わざるをえない。

    「命の重さ」も考えさせられる。
    献血が趣味で、よく行く。
    ドナーにもなりたい、そう思うけれど、家族はいい顔をしない。
    そして私も、今、死んだとしたら、自分の年齢以下の人に使って欲しいと思う。
    それは命に優劣をつけているのだろうか?

    他にも老人福祉、不倫、不妊、......どれも興味深いテーマばかり。
    単なるSF?
    いや、これは自分の中にある、自己中心的な心が体現されたパラレルワールドである。
    それを否定するか、受け入れるか。
    どちらにせよ、それによって、我々は自分の醜い姿を実感させられることだろう。

  • 短編集。
    少子・高齢化などの問題を、医療テーマを切り口に7編。一見理にかなったような話を、ありえない過激さで描く。
    かなりシニカルでブラック。まったく笑えないようなものもあれば、あーなるほどなと感心させられる場面も。
    しかしながら、こんな社会がこないように願う。

  • 何とも言えない読後感。出生前診断に翻弄された妊婦、断りきれず骨髄バンクに登録したが得られたものは…など。

  • 7話の医療短編集
    高齢問題、出生関連についての話が、織り込まれている。
    『不義の子』など、余りに医療に詳しすぎて、配偶者への疑念を抱かせてしまって、精神的におかしくなっているのだろうと思う。
    『命の重さ』は、上司からの圧力で、骨髄バンクへの登録をせざるを得ない状況に、家族たちの反応が、不安さが、増大しているのと、自分から積極的に登録を希望していないから、、、余計に本人も不安さが、大きく膨らんでしまっている。
    『のぞき穴』、、トイレの覗き穴から見た欲望で、医者になった男が、自分の精子を、不妊症の人の体外受精に、秘かに用いるのであるが、、、、
    だいぶ前に、どこかの御曹司が、アジアで、沢山の女性に自分の子供を作って、自分の家族(?)の一社会を作ろうとした出来事があったが、、、それに近いかもしれない。

    グロテスク、、、と、帯には書いてあったが、、私はこの本を最後まで読んでもスカッとしなかった。

    もう少し、夢のある医療について、描いてほしいと思った。

  • 医療系短編集。ブラックジョークのようなイメージ。
    不妊治療専門クリニックを開業、性質のよくない精子を持つ夫の精液と、自分の精液を入れ替える。自分自身は子どもをもうけていないが、世界中に自分の遺伝子を持つ子どもがたくさんいる…
    この話が一番面白かった。
    久坂部羊の作品は、外れがなく、医療現場をのぞき見るような面白さがある。

  • のぞき穴にひかれて読んだ。 
    老人社会を書いたもの なんか最近 同じようなのを読んだ気が・・ と思ったら 『限界国家』

  • あまり好みではなかった。

  • 多分、数年前に読んでるはず。

    「不義の子」「覗き穴」何となく覚えてる。

  • 医療問題を基調にした短編集。人間の屑、無脳児はバラ色の夢を見るか?、占領、不義の子、命の重さ、のぞき穴、老人の愉しみ。ちょっと後味が悪い。

  • 『老乱』がよかったので、続けて読んだが、こちらは私にはもうひとつだった。暗いというのか、希望がない感じが読んでいてしんどかった。

  • 2050.7.31-314

  • ブラックな医療短編7作。出生前診断、働けない人間の価値、高齢化社会、etc. 議論を醸すテーマは多いが、著者の他作品のような絶望感の強いものではなく、ユーモアが利いている。
    占領のオチは皮肉が染みた。

  • 医師ならではの知識と視点から痛烈に社会を皮肉る短編7編。ブラックと切り捨てるのは簡単ですが、全くの絵空事と片付けられる人が何人いるでしょうか。もうほとんどホラーのようで途中から読み進めるのが怖くなって、逆にすごい勢いでページをめくってしまいました。近い将来、いったいどんな世界が待っているのか。私たちはどんな選択ができるのでしょう。

  • 医療をテーマにブラックな読み心地でまとめられた短編集。とことん皮肉で悪辣な読み心地なのだけれど、まるっきりの絵空事ではなく。さすがにここまで極端ではないものの、こういう要素は現実にもあるということを忘れてはいけないよなあ、と考えさせられます。
    お気に入りは「不義の子」。これが一番ミステリ的にやられました。なんとも皮肉だけれど、くすりと笑わされる部分もあるかも。当事者だったら、笑えないでしょうが。知らないのが幸せですよきっと……。
    「無脳児はバラ色の夢を見るか?」はひどく考えさせられた作品です。出生前診断、たしかに手軽になった分余計な不安をしょい込むことにもなってしまうのですが。それが良いことなのか悪いことなのか、いくら考えても明確な答えは出そうにありません。

  • 医療にかかわるちょっとミステリーが入った短編集。「老人の愉しみ」と「命の重さ」がよかった。

  • 努力を称え心を病む者に屑と吐き捨てる社会、出生前診断の結果に悩む妻と世間の強い声、高齢者に有利で若者に厳しい近未来の三編が、問題提起の風味もありながら説教臭さのない独特の軽妙さ、斜に構え掛けても嫌味のない絶妙さで引き込まれた。他、劇団主宰なDNAの同じ双子の弟の不義疑惑、ドナーの葛藤と落胆等、全七編。

  • 反社会品という作品に相応しく、医療、家族の在り方を考える作品ではあったが、非常に読後感が悪い。
    それだけ筆者の問題提起が成功していると言うことなんだろうけど。

  • 2018 7/15

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著者プロフィール

医師・作家・大阪人間科学大学教授

「2016年 『とまどう男たち―死に方編』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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