マツリカ・マハリタ (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店
3.64
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本棚登録 : 79
レビュー : 10
  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041046159

作品紹介・あらすじ

新学期を迎えなかなかクラスになじめない柴山の下に、一年生の時に自殺をした生徒が、時々霊になって現れるという怪談話が舞い込んだ。その真実を突き止めるため、マツリカと共に捜査を開始した柴山だったが…!?

感想・レビュー・書評

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  • ミステリ。日常の謎。シリーズ2作目。
    主人公とマツリカさんの関係に変化が。
    ミステリとしては微妙かな。
    ”写真”がひとつのテーマに。
    主人公の過剰なネガティヴ思考は嫌いです。☆2.5くらい。

  • 学校近くの廃墟ビルに住みつき、望遠鏡で学校を観察している謎の美少女・マツリカ。
    彼女に命じられ、高校生の柴山は学校の怪談を調べていた。
    『一年生のりかこさん』という、過去に飛び降り自殺をしたという少女の霊にまつわる噂を追いかけるうちに、柴山はある真実に辿り着く・・・。

    前作同様、学校の怪談を調べていく中で出会う「日常の謎」をマツリカと柴山が解決するという話の流れになっています。

    謎自体は小粒で、何気ない謎なのですが、真相には誰かのままならない思いがつまっていて、それが明らかになるたびにどうしようもない切ない気持ちに駆られました。
    他人を羨む自信の無い自分に自己嫌悪を感じたり、楽しそうな周囲に入っていけず疎外感や引け目を感じたり。
    そんな葛藤や逡巡は誰もが覚える感情だと思いますが、読んでいて胸が締め付けられました。

    また、傷つきたくないあまりに他人と距離を置いてしまう自意識過剰な柴山が、謎の真相につまった誰かの気持ちに触れるたびに少しずつ変わっていきます。
    自分が周囲に受け入れられていると感じたり、他人も同じような孤独や悩みを抱えているんだと理解できると、おのずと自分から心を開いて他人を受け入れるようになるんですね。
    そうなると友人と呼べる人間関係が彼の周りにできるようになって、逆にマツリカの存在感が前作よりも弱くなりました。
    マツリカは虚像めいていて、柴山の妄想というか、孤独の象徴をあらわしているので、柴山に友人ができると造形が薄くなるんですね。
    しかも、今までマツリカに助けられるばかりだった柴山が、最後の章ではマツリカを助ける側となり、彼の成長がより明確なものとなりました。
    柴山の成長と相反するマツリカの存在意義。
    そんな二人の関係がどうなっていくのか、次作が楽しみです。

    相変わらず柴山の性的妄想描写がねちっこくて気持ち悪かったですが・・・それを煽りまくるマツリカさんもどうなんでしょう。
    女性に嫌われるタイプの女性なのかなあ。読んでいてあまりいい気持ちはしないよね。

  • とにかくフェティシズム過剰。ちょっときつい。日常の謎と言えば謎なのですが、えっそれなんなんみたいな終わりかたもいくつか。

  • 前作同様、最後の仕掛けは見事だけれど、今作はそれ以上に一つ一つの短編のレベルが上がっていた。謎を解いた先の展開で、柴山が果たす役割は大きく、彼のキャラクターがしっかり反映されている。それが最も顕著な⌈墜落インビジブル⌋が個人的ベスト。

  • 「小説の神様」で名を覚えた著者の作品ということで手に取りました。本作はシリーズ2作目なのですが、1作目が全く見つからず、仕方なく先に本作を読んでしまいました。

    1作目を読んでいなくても、主人公の柴山の境遇や人間関係はある程度分かったので、その点についてはあまり問題にならなかったかも。ただ、柴山の姉との関係はボンヤリとしてて、恐らくここは1作目を読んで補完する必要がありそう。

    オカルトチックな案件をロジカルに紐解いていくというのはある種の王道なんでしょうか(マスターキートン、バチカン奇跡調査官など)。

    しかし本作最大のミステリは、なんといってもマツリカさん本人の正体。

    結末自体は大きな驚きではありませんでしたが、それに至る過程でのミスリード(マツリカ=松本梨香子説)、特に写真についての榎本先生のコメントはとても上手いと思いました。このあたりは著者の特技であるマジックの経験がなせる技なのでしょうか?

    「小説の神様」で読み手を楽しませることにこだわりがありそうなところが伺えたのですが、それを体現した佳作だと思います。欲を言えば、予想をもっと超える驚きや展開が見たかったのですが、それはまた別の作品で。

  • マツリカの正体がついに、そして別れが訪れるのか!

  • (内容)
    柴山祐希、高校2年生。学校の向かいにある廃墟ビルに住み、望遠鏡で校舎を観察している美少女・マツリカに命じられて、学校の怪談を調べている。新学期、クラスになじめない柴山の下に、1年生の時に自殺した少女の霊が、ときどき校内に現れるという情報が舞い込んできた。その真実を突き止めるため、捜査を開始したが、調べていくうちに…!?他人と関わる事で、嫌いだった自分も、変わることができるはず。青春ミステリ。

  • 表現力のある作家様なので、語り手の柴犬君のネガティブモードが心をえぐってきます。でも周囲がすごく賑やかになってきたなぁ。本人が自分から動き出したことで周囲も変わっていくと言いますか光が見えてきたような。
    マツリカちゃんの美しさの描写は甘い香りがしてきそうに思えるほどだし、彼女は生活感のみならず存在そのものが謎という事実が魅力に花を添えていので、過去を紐解こうとする展開が沢山見えて隠されていてヒヤヒヤしました、引き込まれた……!

  • 1冊目と同じですが、主人公のエロ妄想がウザイ。男子高校生にエロ妄想があることは否定しないけど、これはさずがにウザイし気持ち悪いだろ。ここまで執拗な描写がまったく必要と思えないし。
    謎もこれといって特筆すべき要素がないし、この作品は何を楽しめばいいんでしょうか。

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著者プロフィール

【相沢沙呼(あいざわ・さこ)】
1983年埼玉県生まれ。2009年『午前零時のサンドリヨン』で第19回鮎川哲也賞を受賞しデビュー。2011年「原始人ランナウェイ」が第64回日本推理作家協会賞(短編部門)候補作、2018年『マツリカ・マトリョシカ』が第18回本格ミステリ大賞の候補作となる。繊細な筆致で、登場人物たちの心情を描き、ミステリ、青春小説、ライトノベルなど、ジャンルをまたいだ活躍を見せている。シリーズ前作『小説の神様』は、読書家たちの心を震わせる青春小説として、絶大な支持を受けた。

「2018年 『小説の神様 あなたを読む物語(上)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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