- Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041046272
作品紹介・あらすじ
何も持たない人間でも生きていく方法がある。
東日本大震災、そして熊本地震で被災した著者が世界に投げかける、新時代の生き方
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東日本大震災を経て「新政府内閣総理大臣」となり『独立国家のつくりかた』を著した坂口恭平。
その生き方の思考ベースが詰まった現代人必読の書がついに文庫化! 「家」「仕事」「生活」についての先入観を覆す一冊。
3.11、そして熊本地震を体験しての、文庫版書き下ろし原稿も収録。
解説=九龍ジョー
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何もシステムや法律を変えろというつもりはない。
ぼくらの抱いている「家」「仕事」「生活」についての先入観を一つずつ疑っていくこと。
ぼくらひとりひとりの思考を転換させ、新たなる視点を加えること。
それが本書の狙いである。
(「はじめに」より)
感想・レビュー・書評
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「ニートの歩き方(pha)」で紹介されていた本。
路上生活への見方が変わった。何も持たなくても都市で生きていくことはできる。エコロジカルな生活っていうのはなんだろうと考えさせられた。 -
勝手に野鳥や野草を採って食べるハウツー本と誤解していた。東京都心におけるホームレスハウツー本だった。
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人の住環境をもう一度根本から見つめ直そうという主旨だが
一歩間違うとホームレス讃歌と受け取られかねない微妙な
内容か。あくまで都市での話であり、田舎ではどうなるのか
どうすれば良いのかという考察がないのは残念。どこでどう
転んでも、最終的にはこういう暮らし方もあるというのは
知っておいて損はない。 -
生活の知恵というか。。為になった。
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「もしも東京で、無一文で生きていかなければならなくなったらどうやって生きる?」という切り口で、都会で人から物を貰ったり、不用品を拾ったりして生きる方法が書かれた本。
簡単に言うと、ホームレスの生き方が書かれた本である。
どこでどのような物が得られて、それをどのように使うことで衣食住を充実させるか。
ホームレスとして生きていく気がなくとも、災害などが起きた際にダンボールで暖を取る方法など知っていれば役に立つし、街の見え方が変わってくる情報でいっぱいだった。 -
『超高感度カメラとマイクによって縦横無尽に映し出されるフィールドレコーディング』
『高い解像度の視点を持って都市を見ていく』
『動き続けて変化しつづけるものこそが強度を獲得する』
『見た目には何の変哲もない空間であったとしても、その壁に張られたポスターのテープの貼り具合や、コンセントにつないでいるタコ足配線の乱雑さ、動き回る人々の動線、着ている服の違い、商品が羅列されている様子、飛び交う会話の音、そして、真夜中であるにもかかわらず、室内が蛍光灯の灯りで満ち溢れている状態……。そんなことをこれまでよりも敏感に捉えることができた。無意識に立てられた雑音、会話音、店内で流れている流行歌などが混ざって一つの空間を満たしているのも、デュシャンのコールテン・オーケストラのごとく耳で聴き取れるようになった。』
『解像度の高い視点さえ持っていれば、場所を大きく移動せずとも、複数の旅行をしているような感覚で街を歩くことができるだろう。』
最終章はすごくよかった 視座のレイヤーを深くするということについて
1〜5章はなるほどとはなったけど、全員が全員都市型狩猟採集民になったら「都市の幸」もクソも無いと思うので、まるで理想像かのように「○○のすゝめ」としてポップに広く推奨するのは違和感があった、選択したわけじゃなくて生きるためにそうせざるを得ない人々もいるわけだし 実録としては面白い
自分の場合は、都市生活もコンクリートジャングルも先人たちの有形/無形の遺産を受け継いで文化的次元に「進歩」した結果だと捉えているので、それを利用しない手はないんじゃないかとも思った あえて振り出しに戻ってゼロから生活を生み出す根源的な喜びを感じるよりは、灰色の建物に囲まれながらもその中でさらなる高尚な文化みたいなものを求めていたいと思ってしまう 現時点では
例えばApple製品に囲まれてすべてをクラウドに同期させて生活についてこだわったり悩んだりすることは放棄してある意味大きな枠組みに自分の生活すべてを委ねてしまって、そこで捻出された時間や節約されたエネルギーを使ってさらなる音楽とかコンテンツとか新しい好きなものに出会ったりする方が好きだな、ジョブスみたいに、自分の理想はそっちかもな、と思った -
よい