- Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041046289
作品紹介・あらすじ
全身に“脳瘤”と呼ばれる“顔”が発症する奇病“人瘤病”が蔓延した日本。人瘤病患者は「間引かれる人」を意味する「人間」という蔑称で呼ばれ、その処遇は日本全土で大きな問題となっていた。そんな中、かつて人瘤病の感染爆発があった海晴市で殺人事件が起きる。墓地の管理施設で人瘤病患者の顔が潰され、地下室では少女が全身を殴打され殺されていたのだ。容疑者は4人の中学生。さらに、事件の真相を見抜いた男は、逆上した容疑者のひとりに突き飛ばされ、机の角で頭を打って死亡してしまった……かと思いきや、死んだはずの探偵の身体に発症した、いくつもの“顔”が喋り始め――。
感想・レビュー・書評
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人面瘡が蔓延する日本。
仙台,人面瘡風俗店の火災で女性死亡。
地獄のような海晴市第1中学校。
カブや人面瘡の2転3転する推理。
死者の生存,悪魔教師があの人だったり。
残酷グロだが現実離れした世界観で飽きない。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
開いた口が塞がらないとはまさにこのこと。傑作。
前作では結合人間という設定とミステリ部分が些か乖離していた感があったけど、本作ではきっちりと一つの物語になっている。
事件が起こるのは後半になってからだけど、退屈ということは全然なく、むしろページをめくる手が止まらなかったくらい。
説得力を持ったロジックによって披露されるいくつもの推理が、ひとつの事象から崩されていく快感。特殊設定をこれでもかと活かしたトリック。そして全てが腑に落ちる、それでも気づくことが出来なかった仕掛け。ああ愉しい! -
うげうげと頭を抱えながら読みました。なんなんだ、これは…
白井さん、ってほんと、なんでこんなキモチワルイ設定ばかり思いつくんでしょうか。
けれど、白井さんのキモチワルイ小説たちをいつも読んでしまうのは、このキモチワルイ設定の裏側に本格ミステリがきちんと鎮座しているからで。
だからうげうげと言いながらも読んでしまうんですよ。キモチワルイの好きな人にも、本格ミステリ好きにも楽しめるうげうげミステリ! -
知人から面白いミステリーだと紹介され、本作を手に取りました。
確かに二転三転、どころか四転五転してくるミステリーです。
が、読み始めてすぐ嫌悪感で気分がわるくなりました。
苦手な暴力描写あるし、これは無理だ、と読むのやめようかなって思ったりするのですが、どういうわけかページをめくる手がとまらない。
テンポがよくて構成が巧みなおかげか、続きが気になって本を閉じることができないのです!
不思議とこの独特の世界にのめり込んでしまいました。
ミステリー好きなかたは怖いもの見たさで手にとってみてはいかがでしょうか。
読書の幅が広がるかもしれませんよ。 -
異様な世界観だが、どうしてこうも異様な世界にしたがったのか、そもそもこれならミステリでなくても良かったのではないかと感じた。いっそ振り切ってホラーに走った方が面白かったのではないか。自分とは合わなかった一冊。
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著者の長編第3作。本当にどこからこんな発想が出てくるのだろう。全2作よりもさらにグロテスクさはパワーアップしている。緻密に貼られた伏線には全く気が抜けない。この様子ならまだまだ進化の余地がありそうなので楽しみだ。
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全身に“脳瘤”と呼ばれる“顔”が発症する奇病“人瘤病”が蔓延。うへぇとグロさに顔をしかめていると、人瘤病にも二種類あるなど大事な設定を読み飛ばしかねません。二つの視点の別ストーリーがこの異常な世界で展開されるのを追われるように読み進めました。殺人が起き、二つの物語が一つに重なった時、これが本格ミステリであることを思い出させられ、論理の積み重ねから明らかにされる後半の怒涛の展開に圧倒されました。嫌悪する人も多いでしょうが、白井さんの作る世界は本当に計算されていて見事だと思います。今後の作品も期待しています。
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面白かったー!
変わった設定で直ぐに話に引き込まれる。