Dの殺人事件、まことに恐ろしきは

著者 :
  • KADOKAWA
3.54
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本棚登録 : 262
レビュー : 50
  • Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041046296

作品紹介・あらすじ

歌野晶午×江戸川乱歩――貴方を「非日常の興奮」に導く、超ミステリが誕生!
『葉桜の季節に君を想うということ』の異才が、刺激的なサプライズと最新テクノロジーで現代に蘇らせる乱歩ミステリ集!


カメラマンの「私」が渋谷の道玄坂で出会い、交流するようになったのは、賢いが生意気な少年・聖也。
その日も私は道玄坂のダイニングバーで聖也と話していたが、向いの薬局の様子がおかしい。駆けつけた私たちが発見したのは、カーペットの上に倒れた、上半身裸の女性だった。
その後、私と聖也は事件を探り始める。しかし、私はあることに気がついてしまい、元の世界には戻れなくなっていた――(表題作)。

「人間椅子」「押絵と旅する男」「D坂の殺人事件」「お勢登場」「赤い部屋」「陰獣」「人でなしの恋」「二銭銅貨」……サプライズ・ミステリの名手が、新たな魅力を吹き込む!

感想・レビュー・書評

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  • 歌野晶午×江戸川乱歩
    江戸川乱歩さんの作品をオマージュした作品。

    ●椅子? 人間!・・・原作「人間椅子」
    ●スマホと旅する男・・・原作「押絵と旅する男」
    ●Dの殺人事件、まことに恐ろしきは・・・原作「D坂の殺人事件」
    ●「お勢登場」を読んだ男・・・原作「お勢登場」
    ●赤い部屋はいかにリフォームされたか・・・原作「赤い部屋」
    ●陰獣幻戯・・・原作「陰獣」
    ●人でなしの恋からはじまる物語・・・原作「二銭銅貨」

    全編通しておもしろかったです。中でも「椅子?人間!」と「「お伊勢登場」が好き。
    おどろおどろしい乱歩の世界の雰囲気を若干残しつつ、スマホという現代的なアイテムも取り入れていました。
    その他の作品はもっとライトでVRやAIなどハイテクすぎてなじみが薄く、もうちょっと未来な感じました。
    それでも、ぞっとするホラーめいた薄気味悪さを味わえます。
    歌野さん好きだったけど「葉桜の~」のオチでちょっと、うぇwwとなって以来敬遠してしまいましたが、やっぱり読みやすくておもしろいですね。
    短編だからというのもあるけれど。

  • かの有名な江戸川乱歩。
    その珠玉の物語を大胆にアレンジ。
    元の幻想的、妖艶、恐怖、驚愕そんなエッセンスが散りばめられた世界観はそのまま、現代風のアレンジが面白い。
    『人間椅子』『押絵と旅する男』『D坂の殺人事件』『お勢登場』『赤い部屋』『陰獣』『人でなしの恋』を下敷きにした物語だ。
    私はこのうち、『お勢登場』『陰獣』『人でなしの恋』は(おそらく)未読で、原作を読む楽しみが増えた。

    本作はタイトルも秀逸なのだが、中でも表題作は面白い。
    団子坂ではなく道玄坂が舞台の物語で、まさにD坂。
    本書におけるD坂は日本屈指の繁華街にしていわゆるラブホ(ファッションホテル)街。
    そこにおいて起きた事件は艶めいていて残酷で、真に恐ろしげなるものは恐ろしい姿をしているとは限らないということを我々に語っている。

    『陰獣幻戯』ではまんまと著者の手腕にはまる。
    覗きとは相手を屈伏させ、それに喜びを見出す嗜好の事だそうだ。
    だから、屈伏させられないと知った時、その西壁の持ち主はどう出るか......。
    男女の妙、獣と呼ばれる訳、最後に待つもの。

    いくらリベラルであろうとしても、私の中にある「常識」が本書における驚きを生み出すのだとしたら、私が見ているリベラルなど絵に描いた餅にすぎないのだ。

  • ちょっと後味の悪いのが多すぎ。冒頭のなんかあまりにイヤな話で、読むのやめようかと思ったくらい。歌野晶午なので、さすがにヒネリがきいていて、その興味につられて読んでしまったけれど。その点では確かによくできていると思った。(ただ、最後の一篇だけは明らかに不出来だと思う。)

    でもなあ、元になってる乱歩の作品は、背徳的ではあるけれど下品ではないのだ。あれを現代に持ってくるとこうなるっていう確信犯的な作品なのかなあ。

  • 乱歩のさまざまな作品を題材にしたオマージュミステリ短編集。乱歩の元ネタについてはかなりネタバレされている様子なので、そちらを未読の人は控えた方がいいのかも? ちなみに私は「赤い部屋」だけ未読のようでした。
    雰囲気は乱歩なのだけれど。時代が現代で、それにともなってさまざまなハイテク機器が用いられているのが読みどころです。こういう機器が登場したのはミステリにとって縛りが大きくて大変、と思うのだけれど。それを逆手に取ることももちろんできるわけで。なるほど~。
    お気に入りは「スマホと旅する男」。このオチは読めなかった! そして「「お勢登場」を読んだ男」は想像通りの展開とはいえ、どきどき感が凄まじくて。これ、下手に希望がありそうな方が嫌だよねえ。

  • 名作ミステリを基にした短編集。ちょっと不気味でライトなイヤミスというのか。
    元になった作品を全て知っていたら、また違った読み方になったんだろうなぁ。

  • これは!
    江戸川乱歩作品を読んでないから比較はできないんだけど、江戸川乱歩作品を読みたくなったのは確実!

  • 2018.3.12読了 24冊目

  • 江戸川乱歩の要素を濃く残しつつ、今あったらこんな話になるかも?な短編集。
    どの話も胸糞悪い展開で、ニヤリとほくそ笑みました。こうでなくっちゃ。
    生きた人間の欲望が、一番怖いなぁと思わされました。
    ずば抜けていい作品、というのは正直なく、どの作品もゾワッとする気味の悪さ、面白さでした。
    そしてSNSやゲーム、アイドル事情などの描写から作者の歌野氏は若い感覚を持った人なんだなとも思いました。

  • 7本の短編はいずれも珠玉。どんでん返しのひっくり返しに酔いしれた。驚愕もあれば、泣きあり、笑いありで、かなりの勢いで情緒が揺らされた。凄すぎる。ところどころに現れる小さなユーモアと寂寥が非常にいいアクセントになっている。非日常を漂わせながらも、いろんな場面で不思議に身につまらせられる現実感も秀逸。どこか中二階の世界を浮遊したような幻想があった。

  • H29/9/23

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著者プロフィール

1988年9月、『長い家の殺人』でデビュー。

「2017年 『7人の名探偵 新本格30周年記念アンソロジー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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