Dの殺人事件、まことに恐ろしきは

著者 :
  • KADOKAWA
3.51
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本棚登録 : 431
感想 : 70
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  • Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041046296

感想・レビュー・書評

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  • 乱歩作品をもとに現代風にアレンジされた七つの短編集。もとになっている作品を再読したくなる(陰獣は未読)。〔椅子?人間!〕、〔陰獣幻戯〕、〔人でなしの恋からはじまる物語〕が面白かった。〔赤い部屋はいかにリフォームされたか?〕はオチが読めてしまい、いまいちだった。原作の方がはるかに面白いと思う。

    • moboyokohamaさん
      面白そうですねえ。
      若い頃胸躍らせて読んだ乱歩作品に歌野晶午さんがアレンジを加えるって。
      読んでみようっと。
      面白そうですねえ。
      若い頃胸躍らせて読んだ乱歩作品に歌野晶午さんがアレンジを加えるって。
      読んでみようっと。
      2022/02/15
    • 借買無 乱読さん
      moboyokohamaさん
      コメント、ありがとうございます。
      ぜひ読んでみて下さい。
      moboyokohamaさん
      コメント、ありがとうございます。
      ぜひ読んでみて下さい。
      2022/02/15
  • かの有名な江戸川乱歩。
    その珠玉の物語を大胆にアレンジ。
    元の幻想的、妖艶、恐怖、驚愕そんなエッセンスが散りばめられた世界観はそのまま、現代風のアレンジが面白い。
    『人間椅子』『押絵と旅する男』『D坂の殺人事件』『お勢登場』『赤い部屋』『陰獣』『人でなしの恋』を下敷きにした物語だ。
    私はこのうち、『お勢登場』『陰獣』『人でなしの恋』は(おそらく)未読で、原作を読む楽しみが増えた。

    本作はタイトルも秀逸なのだが、中でも表題作は面白い。
    団子坂ではなく道玄坂が舞台の物語で、まさにD坂。
    本書におけるD坂は日本屈指の繁華街にしていわゆるラブホ(ファッションホテル)街。
    そこにおいて起きた事件は艶めいていて残酷で、真に恐ろしげなるものは恐ろしい姿をしているとは限らないということを我々に語っている。

    『陰獣幻戯』ではまんまと著者の手腕にはまる。
    覗きとは相手を屈伏させ、それに喜びを見出す嗜好の事だそうだ。
    だから、屈伏させられないと知った時、その西壁の持ち主はどう出るか......。
    男女の妙、獣と呼ばれる訳、最後に待つもの。

    いくらリベラルであろうとしても、私の中にある「常識」が本書における驚きを生み出すのだとしたら、私が見ているリベラルなど絵に描いた餅にすぎないのだ。

  • ちょっと後味の悪いのが多すぎ。冒頭のなんかあまりにイヤな話で、読むのやめようかと思ったくらい。歌野晶午なので、さすがにヒネリがきいていて、その興味につられて読んでしまったけれど。その点では確かによくできていると思った。(ただ、最後の一篇だけは明らかに不出来だと思う。)

    でもなあ、元になってる乱歩の作品は、背徳的ではあるけれど下品ではないのだ。あれを現代に持ってくるとこうなるっていう確信犯的な作品なのかなあ。

  • 楽しく読めたな

  • 乱歩が好きなので読んでみた。
    ひねりやどんでん返しもあるし、乱歩の作品をうまく現代風にオマージュしてあって原作へのリスペクトが感じられてよかった。

    ただ、話の展開はだいたい読めるし、読めなかったとしてもあぁそうかぁ…くらいの…なんだろうそんなに驚きはなかったかなぁ。そつなくこなしてる感じ。
    乱歩の原作が好きだったからどうしても比べてしまうのかも。
    乱歩特有のあのおどろおどろしい雰囲気が好きだったから。

    表題作と、『人でなしの恋からはじまる物語』は好きだった。
    人でなし~は、モロに本家の『人でなしの恋』じゃんとおもったらそこからまたさらに展開があって、暗号に取り組む感じも乱歩らしさがあってよかった。
    オチは『算盤が恋を語る物語』的な、なーんだみたいな感じもあった。

  • 本格も手がけるミステリ作家でエロスを正面から取り上げる作家の代表格が歌野さんと西澤さんかな。本作はデジタルとエロス、時々本格って感じ。

  • 後半だんだん上がってきて、選ぶとすれば「陰獣幻戯」「人でなしの恋から始まる物語」。同じオマージュとは言っても、西尾維新の美少年シリーズとはえらく違うなと。江戸川乱歩の作品はあまり読んだことがないけれど、元ネタ作品を読みたくなった。

  • 読後感が悪すぎて最後まで読めなかった。

  • 名作ミステリを基にした短編集。ちょっと不気味でライトなイヤミスというのか。
    元になった作品を全て知っていたら、また違った読み方になったんだろうなぁ。

  • 2018.3.12読了 24冊目

著者プロフィール

1988年『長い家の殺人』でデビュー。2004年『葉桜の季節に君を想うということ』で第57回推理作家協会賞、第4回本格ミステリ大賞をダブル受賞。2010年『密室殺人ゲーム2.0』で第10回本格ミステリ大賞をふたたび受賞。

「2022年 『首切り島の一夜』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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