私の家では何も起こらない (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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  • レビュー :37
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041046401

作品紹介・あらすじ

小さな丘の上に建つ二階建ての古い家。幽霊屋敷に魅了された人々の記憶が奏でる不穏な物語の数々。キッチンで殺しあった姉妹、少女の傍らで自殺した殺人鬼の美少年…。そして驚愕のラスト!

感想・レビュー・書評

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  • 昔から小説でも映画でもよくある、幽霊屋敷の物語。
    「この家には、私(家族)以外の何かがいる」
    丘の上に建つ、こぢんまりとした美しい洋館。その設定だけでもう、正統派の幽霊屋敷物語だ。

    丘の上の洋館に住む、1人の女性作家。かつて叔母が住んでいたというその家を、彼女は買い取ったのだという。
    周辺では昔からその家は“幽霊が出る家”だと有名で、そういったマニアの人間もしばしば訪れる。
    しかし作家の女性は「私の家に幽霊はいない。私の家では何も起こらない」と語る。
    その言葉は本当なのか。過去を辿ることで、真実が明かされていく。

    10の章に分かれた小説で、この家が幽霊屋敷と呼ばれるようになった理由(事件)が、ひとつずつ描かれている。
    時系列はばらばらなので、こことここが繋がっている、というのを読み解くのも面白い。
    括りとしてはホラー小説なのかもしれないけれど(「幽」というホラー誌に連載されていたとのこと)過度に怖がらせようとか、もったいぶって真相を明かすのを先延ばしにしようという感じはなくて、淡々と綺麗な描写で物語は進む。
    恐らく残酷と言われるシーンもあるのだけど、淡々としているせいか、まるで童話を読んでいるような感覚があった。

    大工の親子が家を直しに訪れる章があるのだけど、その章はとくに、コミカルな感じさえ受けた。どことなく温かく、怖いんだけど怖くない。ディズニーランドのホーンテッドマンションみたいな感じ。
    幽霊は怖い。だけど、生きている人間はもっと怖い。そう思える描写も。
    かつてその家に縁があった幽霊たちは、ただシンプルにその家を愛していたから離れがたいだけなのかも。

    最終章は単行本化するにあたって書き足したらしいのだけど、個人的にはなくても良かったかな、と。その方が、童話的な雰囲気の余韻が残ったように思う。

    恩田陸さんは幽霊屋敷の作品が昔からとても好きで、いつか自分も、と思っていたそう。
    ぞっとする恐ろしい幽霊屋敷の作品は数多あるけれど、こういう怖さもあるけれどどことなく温かくて可愛らしい部分もある作品は、あまり覚えがないかも、と思った。

  • ダ・ヴィンチ文庫版が個人的に見づらかったのでこちらで買い直し。

    *単行本からの転載*

    ある丘の上の家が舞台の連作短編集。分類としてはホラーか。
    恩田さん独特の文章で、とても凄惨な出来事なのにそうとは感じさせない不思議な余韻。
    各話は少しずつ繋がっているのですが、年代も登場人物もはっきりしないまま曖昧で、それがまた魅力。

  • さらりと読めるけれど静かな恐怖がじわじわとしみこんでくるような短編集。ダイレクトな恐怖ではなく、なんとなく不安になる。夜、自分の家なのに、廊下の暗がりや扉の向こうにふと理由も分からない恐怖を感じたことを思い出させるような。
    各短編はリンクしているけれど、一度読んだだけでは時事系列を理解することは難しい。でもこの分量なら再読も苦ではない。
    曰くつきのお屋敷の描写は、けれどどこかとても美しく魅力的。でも、過去に起こったことを知った上で住めといわれたらやっぱり住めないかなあ…

  • これは私の大好物なタイプの恩田陸作品で非常に楽しめた。恩田さんの書く不穏が好きで。
    巻末にも書いてらしたけど、シャーリィ・ジャクスンやデュ・モーリアの影響を色濃く感じさせながらも、恩田さん独特の味付けになっていて、頁をサクサクサクサク捲ることが出来た。
    家というものが持つ不気味さを存分に感じさせてくれる一品。

    また名久井さんによる装丁が凄く素敵。
    持ってるだけでも嬉しい文庫本かも。

  • ダ・ヴィンチ文庫版を持ってるので、増補でもない限り買わないかも。
    でも表紙は気になる。どんなデザインになるのかな~。

  • 【昔読んだ本】
    幽霊視点が多いので、そこまでは怖くない。
    後半には幽霊さん、突然コミカルになってちょっと笑えた。

  • 幽霊屋敷の短編集。
    私には少し難しかったです。
    これはホラーに分類されるものなのでしょうか、、、緊張感みたいなものが感じられませんでした。

  • 小さな丘の上に佇む古い洋館。
    そこは、幽霊屋敷と誰からも恐れられる場所。
    家に刻印された記憶たちが紐解かれていく……。

    2018年4月22日読了。
    思っていた以上にホラーで、最後まで読み通すのがちょっとキツかったです。
    それでも読み通せたのは、恩田さんの文章が読みやすかったからに他なりません。
    ホラーが苦手な方にはオススメ出来ませんが、得意な方も食事前や寝る前は避けたほうがいいかも?
    想像力を煽られる感じなので、、あとで勝手に想像してしまって、眠れなくなりました(^^;;

  • 蜂蜜と遠雷がよすぎたので、最近の恩田陸作品をと思い読んでみたけどいまいち。。
    学生時代好きだった上と外や3月~もいま読むとしっくりこないのかも。

  • 私の気分の問題かもしれませんが、
    なかなかその世界へ入っていけず、
    読み進めるのに苦労しました。
    でも、中盤は面白かったです。

    同じ家で起きた出来事とはいえ、
    「私は風の音に耳を澄ます」のような怖さと
    「俺と彼らと彼女たち」のようなコミカルで
    微笑ましいエピソードが体験できるとは、
    思ってもみなかったです。

    附記がなかったら★3つでした。

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