私の家では何も起こらない (角川文庫)

著者 : 恩田陸
  • KADOKAWA (2016年11月25日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041046401

作品紹介

小さな丘の上に建つ二階建ての古い家。幽霊屋敷に魅了された人々の記憶が奏でる不穏な物語の数々。キッチンで殺しあった姉妹、少女の傍らで自殺した殺人鬼の美少年…。そして驚愕のラスト!

私の家では何も起こらない (角川文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 昔から小説でも映画でもよくある、幽霊屋敷の物語。
    「この家には、私(家族)以外の何かがいる」
    丘の上に建つ、こぢんまりとした美しい洋館。その設定だけでもう、正統派の幽霊屋敷物語だ。

    丘の上の洋館に住む、1人の女性作家。かつて叔母が住んでいたというその家を、彼女は買い取ったのだという。
    周辺では昔からその家は“幽霊が出る家”だと有名で、そういったマニアの人間もしばしば訪れる。
    しかし作家の女性は「私の家に幽霊はいない。私の家では何も起こらない」と語る。
    その言葉は本当なのか。過去を辿ることで、真実が明かされていく。

    10の章に分かれた小説で、この家が幽霊屋敷と呼ばれるようになった理由(事件)が、ひとつずつ描かれている。
    時系列はばらばらなので、こことここが繋がっている、というのを読み解くのも面白い。
    括りとしてはホラー小説なのかもしれないけれど(「幽」というホラー誌に連載されていたとのこと)過度に怖がらせようとか、もったいぶって真相を明かすのを先延ばしにしようという感じはなくて、淡々と綺麗な描写で物語は進む。
    恐らく残酷と言われるシーンもあるのだけど、淡々としているせいか、まるで童話を読んでいるような感覚があった。

    大工の親子が家を直しに訪れる章があるのだけど、その章はとくに、コミカルな感じさえ受けた。どことなく温かく、怖いんだけど怖くない。ディズニーランドのホーンテッドマンションみたいな感じ。
    幽霊は怖い。だけど、生きている人間はもっと怖い。そう思える描写も。
    かつてその家に縁があった幽霊たちは、ただシンプルにその家を愛していたから離れがたいだけなのかも。

    最終章は単行本化するにあたって書き足したらしいのだけど、個人的にはなくても良かったかな、と。その方が、童話的な雰囲気の余韻が残ったように思う。

    恩田陸さんは幽霊屋敷の作品が昔からとても好きで、いつか自分も、と思っていたそう。
    ぞっとする恐ろしい幽霊屋敷の作品は数多あるけれど、こういう怖さもあるけれどどことなく温かくて可愛らしい部分もある作品は、あまり覚えがないかも、と思った。

  • ダ・ヴィンチ文庫版が個人的に見づらかったのでこちらで買い直し。

    *単行本からの転載*

    ある丘の上の家が舞台の連作短編集。分類としてはホラーか。
    恩田さん独特の文章で、とても凄惨な出来事なのにそうとは感じさせない不思議な余韻。
    各話は少しずつ繋がっているのですが、年代も登場人物もはっきりしないまま曖昧で、それがまた魅力。

  • さらりと読めるけれど静かな恐怖がじわじわとしみこんでくるような短編集。ダイレクトな恐怖ではなく、なんとなく不安になる。夜、自分の家なのに、廊下の暗がりや扉の向こうにふと理由も分からない恐怖を感じたことを思い出させるような。
    各短編はリンクしているけれど、一度読んだだけでは時事系列を理解することは難しい。でもこの分量なら再読も苦ではない。
    曰くつきのお屋敷の描写は、けれどどこかとても美しく魅力的。でも、過去に起こったことを知った上で住めといわれたらやっぱり住めないかなあ…

  • これは私の大好物なタイプの恩田陸作品で非常に楽しめた。恩田さんの書く不穏が好きで。
    巻末にも書いてらしたけど、シャーリィ・ジャクスンやデュ・モーリアの影響を色濃く感じさせながらも、恩田さん独特の味付けになっていて、頁をサクサクサクサク捲ることが出来た。
    家というものが持つ不気味さを存分に感じさせてくれる一品。

    また名久井さんによる装丁が凄く素敵。
    持ってるだけでも嬉しい文庫本かも。

  • ダ・ヴィンチ文庫版を持ってるので、増補でもない限り買わないかも。
    でも表紙は気になる。どんなデザインになるのかな~。

  • タイトルと表紙に惹かれて購入

    わたしの家に関する短編が淡々と収録されている
    一番好きなのは、二作目。
    結末なんて最初からわかっているけれど、美しい表現に引き込まれる。

    全部淡々と、飄々と話が進むから直接的な怖さはないんだけど、ぞくっとくる
    三作目の幽霊の話、わたしの理解力が足りなくて話の面白さがよくわからなかった〜わかるようでわからないってすごく嫌だ

    あと、お家を修理する時、幽霊が可愛かった笑

    一番怖いのは、今住んでいる女性作家さん!笑

    2017.11.25

  • 心理的にじわじわくるホラー。
    子どもでも読めそう。

  • ほんとほんと、何も起らない。なんて。なかなかホラーでドキドキしながら読んだ。怖いんだけど止められなくなってしまう不思議な魅力に溢れる本書。ある一軒家を巡る数々の事件。加害者、被害者すべての魂がこの家に留まりいろいろな噂を生んでいく。事件のあらましが終わり最後、家を手直しに来た大工さんの話はとてもステキだった。幽霊との関わり合いに自然と笑みがこぼれる。キレイに仕上がった家を大工さんと幽霊が見上げるシーン。なんとも幸福な画が眼に浮かぶ。相手が幽霊だろうが人間だろうが、きちんと向き合えば心通じ合えるんだね。

  • 幽霊屋敷を舞台に、その屋敷にまつわる話とその屋敷を住まいにする作家と屋敷に憑いたモノたちを描く。

    初めは幽霊屋敷なので、なぜそのモノたちが憑いたかの話や、その屋敷での不思議な現象などホラー要素が強く、結構ドキドキさせられた。

    後半は屋敷を買い取った作家や屋敷をリフォームする親方衆などそのモノの存在を理解し認める様は、以前は人間であったからこそそのモノたちにも心があることを諭しているのかなぁとヒューマンな感じに移行していた。

    一見ホラー要素が強い作品だがそれだけでは終わらない所がさすが恩田さんだなぁ。

  • 幽霊屋敷の話...
    読みやすいけど、何も残らなかった。

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