新 怖い絵

著者 : 中野京子
  • KADOKAWA/角川書店 (2016年7月30日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (212ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041046425

作品紹介

「怖い絵」シリーズの大ヒットで知られる中野京子が、満を持して刊行する新刊。モネ、ミレー、シャガール……誰もが知るきれいな名画に、まさかこんな怖い物語が潜んでいたとは……。

新 怖い絵の感想・レビュー・書評

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  • いやー、面白かったです。ここに収録されているのではない、「泣く女」編の表紙である、レディ・ジェーン・グレイの処刑の話を読みたくて借りてきたのですが、まさか怖い絵シリーズが全部で四冊もあるとは思わず。自分の無知が恥ずかしい。
    早めに全作取り寄せたいですね。
    ちょっと前の笙野頼子さんの作品でも書きましたが、今はもう辞めてしまった職場に就職した頃から本が読めなくなりまして。簡単な本、イラストが多い本なんかは読めたのですが、まだまだ集中ができない。長いことうんうん唸っていたのですが、そろそろ泣き言も言ってられないと手にとってみて正解だった。
    まだ多少集中は途切れるし昔より速く読めないけれど、これで充分。
    絵画を読み解くとはその絵画の背景や衣服の細かいつくり、歴史や当時の宗教背景などもきちんと知らないと書けないのだな、と作者さんの教養の広さにため息が出た。なのに、文章は読みやすく、哀切に満ちて、そしてどことなく美しい。
    最初に紹介されていたのが「折れた背骨」だったのがより私を引き込んだ。あちこちに釘が刺され身体の中央を引き裂かれ背骨は折れた。目には涙。つながった眉。口ひげまで描かれている。ヨーロッパの絵を思い浮かべていたのでこれは?と一気に疑問が沸く。
    そして描かれるフリーダの悲しい人生。なのにそれでも負の感情を自画像にぶつけ続けた、なんと呼んでいいのかわからない複雑な感情に圧倒された。この章だけ全文引用したいくらいには。
    今度この怖い絵シリーズの展覧会が行われるらしくてとても楽しみですが職なしの身ではどこまで行けるやら。

  • この「怖い絵」シリーズはこの本で5冊目だそう。
    その中で私が読んだのは多分2冊。
    今まで読んだ本と比べてこの本はトーンダウンが否めなかった。
    インパクト感が薄れているし、ちょっと趣旨とズレてないか?というのもあった。

    今までの本と同じく、一見見ただけで怖い、気持ち悪い、という絵やこの絵のどこが怖いんだろう?というのがある。
    まず、最初の絵、フリーダ・カーロの「折れた背骨」という絵は一見して気持ち悪い。
    女性の体の真ん中がすっぱりと割れていてその中に一本の柱が骨のように通っている。
    そして、この絵を描いたフリーダ・カーロの半生が紹介されているが、その説明を読んでこの絵を見た時に「怖い」と感じるものはなかった。
    そして、続くミレーの「落穂拾い」。
    何故、この絵が怖いのか、その後の説明文を読んで何となくピンとこなかった。
    そんな感じで読んでいて怖いな・・・と思う部分が絵からもその絵を説明されている文からもあまり感じられない。

    特にこれちょっと違うんじゃないか・・・と思ったのは有名な殺人ピエロ、ゲイシーの絵、そのまんまピエロを描いた絵が紹介されていること。
    別に芸術的な絵でなし、描いた人間は芸術家でもなかった訳だからちょっとこの本の趣旨とズレていると思う。
    それでもそれなりに面白かったらいいけど、ここに書かれているのは本やテレビで紹介されている事だし、私が殺人者の絵を見て知りたいのは絵に表れている作者の異常心理。
    だけど、この本の作者は心理学者ではないからそこには触れられていない。

    ただ、興味深いな・・・とか、なるほど・・・と勉強になった事もあった。
    例えば、フラゴナールの「ぶらんこ」という絵。
    この絵は一見して美しい女性がブランコをこいで、それを男性が下から眺めているという美しい絵だけど、その背景にはその時代のフランスの階級層の結婚制度がかいま見える。
    実は皮肉で残酷な絵だと、この絵を見ただけでは分からない。

    また、絵に描かれている状況や時代、背景を読み解くには絵に描かれている絵を見ればいい、というのは勉強になった。
    レーピンの「思いがけなく」は、みすぼらしい恰好の男性が部屋に入ってきて、それを迎える家族らしい人たちが描かれているが、その絵に描かれた絵を見るだけで、それがどの国で、どの時代なのか、男性がどうしてこのような恰好をしているのかが分かる。

    でも、この本の説明文を見なくても絵を見ただけで、何となく不安な気持ちやザワザワした気持ちになる。
    どことなく、何かが変だと感じるし、描かれている人物の表情だとか、色づかいだとか、怖いように描いてないのに、見ていると何か落ち着かない気分になる。
    私のような絵の分からない者にもそう感じさせる。
    それが絵の作者の力量なんだと見ていて思った。

  • 一枚の絵が
    中野京子さんのお話し(文章)の前と後では
    見方ががらっと変わって見える
    これが「怖い絵」シリーズの醍醐味ですね

    よく見知った「絵」も
    あまり知らない「絵」も
    よくわかった気にさせてもらえる
    これも「怖い絵」シリーズの読み方です

    何回もついつい読み込んでしまう
    それが「怖い絵」シリーズの楽しみです

  • 一枚の絵画の背景にある文化、歴史、画家自身の人生、依頼主の人生を解説しながらその絵を鑑賞する手引きとなる一冊。「新」とあるとおり、同様の本を数冊すでに著者は出版している。
    今まで私は「絵画」そのものを何となく印象に残る作品である、また心に深く突き刺さるといった感覚で鑑賞してきた。このシリーズを始めて読んだが、これを読むと1枚の作品にもそれにまつわる時代背景や画家の人生等いろいろな要素が複雑に絡み合い出来上がっているとわかる。私の知らない画家やあまり一般には知られていない画家の作品も含め、このように解説をされるとただ「絵」そのものを観るのとは違う感動を覚える。また著者の文章はまるでドラマや小説を読むようでそのストーリーに引き込まれていく。
    「絵」そのものだけで鑑賞する方法、その絵の背景を知り鑑賞する方法、鑑賞方法にはいろいろあり、それぞれに違った面白さがあることを発見した。

  • 「怖い絵」シリーズが帰って来た。一見、何が怖いのか分からないが、描かれているものの意味、背景を知るとゾッとする。何度も冒頭のカラー写真のページを見て楽しみました。

  • 今回の本で一番印象に残ったのは、やはり表紙にも掲載されている「オフィーリア」かなあ。美しい怖さが好き。
    あと「眠るエンディミオン」。月の光の表現が美しい。
    同じ肉体を描いていても、「ダンテとウェルギリウス」の生々しさの方は好みでは無い(絵自体が怖い場面だし)
    怖い絵展を観に行きたくてシリーズを立て続けに読んでいる今日この頃

  • 請求記号:723||N 39
    資料ID:W0187479

  • どんな絵も観て覗き込んでいけば、怖くなる。

  • 17/08/02

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