終末なにしてますか? もう一度だけ、会えますか?#03 (角川スニーカー文庫)
- KADOKAWA (2016年12月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (292ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041046562
作品紹介・あらすじ
あれから10日が経った。妖精の存在と特性についてはまだ極秘事項のままで、〈重く留まる十一番目の獣〉(クロワイヤンス)を仕留めたのは、フェオドール四位武官が極秘で預かっていた、最新の試作爆弾であるとされた。
常識を超えた強さで魔力(ヴェネノム)を熾した黄金妖精(レプラカーン)ラキシュはいまだ目覚めず、リンゴはもういない。
――フェオドールは結論した。
きっともう始めてしまうべきなのだろう。世界に敵対する、最初で最後の戦いを。
急転直下! 新シリーズ第3弾。
「だからね、わたし、やっと決めたよ。──きみの、邪魔をしてやる」
感想・レビュー・書評
-
詳細をみるコメント0件をすべて表示
-
あの元気の塊のようなコロンが泣き崩れるかのような表紙……!それだけでこの巻の内容がヤバイと伝わってくる
そして、その直感を裏切ることのない内容がもう……
冒頭の口絵の時点で変わり果ててしまったラキシュの形相が披露されるのだからキツイ。つまりそういうことなのかと理解させられる
リンゴの喪失、ラキシュの昏睡。自分を守るために二人がそうなってしまった事態と向き合うことが出来ずいつも異常に仮面を被るフェオドールが痛々しい痛々しい。そんな状況でもまだ小さいマシュマロ改めリィエルはフェオドールに構って構ってと纏わりついてくるわけで
捻くれていて嘘つきで、でも根っこの所は正直者で聡明なフェオドール。彼からすれば、リンゴやラキシュと同じような振る舞いをティアット達やリィエルがするんじゃないかと気が気でなくなってしまう。そうなれば更に向き合えなくなる
元々、犠牲の上に平和ボケしていた世界を許せなかったフェオドール。彼にとって世界を許せない理由がまた一つ増えてしまう
リンゴやラキシュを喪って哀しむのはティアット達も同じ。というか、コロンがラキシュの昏睡を前にしてあそこまで憔悴するとは思わなかったな。誰かコロンを支えてやってくれと思わずにいられない
だからこそ、直後のラキシュが変貌する展開はキツイ。口絵を見てこうなると判っていてもどうしようもない
ここで元ラキシュに対してフェオドールの堕鬼種の瞳が効いたのは今後どういう意味を持ってくるんだろう?
今のところは、まるで奥さんとの仲が微妙になったタイミングで愛人を作ってしまったみたいな空気感を感じてしまうのだけど
ただ、元ラキシュがそういった瞳の効果とは関係なくフェオドールの大望を肯定するような発言をしたのは驚き。人格が変わりコロン達の支えでなくなった彼女がフェオドールの支えになってしまうなんてなぁ…
巻の後半ではティアットとフェオドールの関係性を見つめ直すような描写がちらほらと
かつてのヴィレムとクトリは保護者と子供のような関係性から始まり、やがてかけがえのないパートナーとなっていったんだけど、ティアットとフェオドールはちょっと違う
大切なものを守るために命を使おうとするティアットとそれを間違っていると感じるフェオドール。二人の意見は対立しているように見えるけど、根っこの部分はかなり似通っている。でも二人共その感情に対して素直じゃないから似ている相手に対しても素直になれない。自分たちは対立しているのだと思ってしまう
お互いに相手のスタンスを大嫌いだと言う二人はある意味両想いと言えるのだろうね
二人は結局道が別れてしまう。でもそれは相手を思い遣るからで。相手を守るために相手のしようとしていることを邪魔すると決めたティアットとフェオドール
二人の道が再び交わることは有るのかな?
そういや、前作ラストで復活が示唆されて以来音沙汰が無かったヴィレム、何だか飛んでもないことになってない?今の彼はどういう状態にあるんだ?
また、ヴィレムの技がフェオドールに受け継がれたっぽい描写が有ったけど、あの意味って……?
追記
他の人の感想を読んで今更リィエルの正体に思い当たる。どうして自分は忘れてたんだ、あんな大事な描写を -
ラキシュが…
可愛い。
いや、そうなんだけどそうじゃない。
色々と一気に動き出しました。