愛の詩集―室生犀星詩集 (角川文庫)

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感想 : 15
  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041047071

感想・レビュー・書評

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  • 室生犀星の詩集を読んで思ったのは、この人は孤独で、真っ直ぐに愛を求めていたんだなあということ。「愛あるところに」や「誰かをさがすために」が好き。

  • この詩集とは金沢の古本屋さんで出会いました。
    本を読んで、この人ほど自分の気持ちや価値観が似ていると思ったものはない。「雨の詩」と「樹を眺む」は特に価値観の分かれるところだと思います。この人の孤独や優しさ、どうしようもない寂しさが伝わってきて、目に涙が浮かびました。なんて美しい言葉を紡ぐ方だろう。本を通してこの方と対話することができて良かった。大好きです。

  • はる
    おれがいつも詩をかいてゐると永遠がやつて来てひたひに何かしらなすつて行く手をやつて見るけれどすこしのあとも残さない素早い奴だ
    おれはいつもそいつを見やうとして
    あせつて手を焼いてゐる
    時がだんだん進んで行く
    おれの心にしみを遺しておれのひたひをいつもひりひりさせて行く
    けれどもおれは詩をやめない
    おれはやはり街から街をあるいたり
    深い泥濘にはまつたりしてゐる


    ああ 胴震ひして本を読め
    たしかなとこを掴んでから
    しづかな朝のくるまで よくねむれ!


    けふといふ日
    時計でも十二時を打つときおしまひの鐘をよくきくと、とても 大きく打つ。
    これがけふのおわかれなのね、けふがもう帰つて来ないために、けふが地球の上にもうなくなり、ほかの無くなつた日にまぎれ込んでなんでもない日になつていく。茫々何千年の歳月に連れこまれるのだ、けふといふ日、そんな日があつたか知らと、どんなにけふが華やかな日であつても、人びとはさう言つてわすれて行く。けふの去るのを停めることが出来ない、けふ一日だけでも好く生きなければならない。

    詩集 昨日いらつしつて下さい に好きな詩がたくさんありました。

    きのふ いらつしつてください。
    きのふの今ごろいらつしつてください。そして昨日の顔にお逢ひください。わたくしは何時も昨日の中にゐますから。

  • 室生犀星とスロー再生は似てる。

  • <選んだ理由>
    勝田文「Daddy Long Legs」の中で「読書」が引用されています。
    ”春のにおいやひざしをいっぱい吸い込んでページをめくる”
    そんな、本を読む喜びにあふれていた詩だったので気になりました。
    なんとなくamazonでは買いたくないなと思ったので、本屋さんでぼちぼち探しております。

  • 人生のバイブル。彼は何処までもかなしくさみしい人のさがを描く天才だ。早世した息子を思う詩には落涙必死。女性の語り口での詩もなんだかかわゆい。とにかくだいすき。

  • 好きな詩集。お父さんが死んだあと、遺品のノートに「ふるさとは遠きにありて思ふものそしてかなしくうたふもの」って書き留めてあるのを見つけた。お父さんも好きだったのか。

  • 小景異情その三がすきです。

  • 近づき、遠のき、また静かに近づきたい

  • 「雨は愛のようだ」

    たまらん。日本語たまらん。
    日本人でよかった。

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著者プロフィール

1889年石川県生まれ。詩人、作家。1915年、萩原朔太郎、山村暮鳥らと交わり、『卓上噴水』を創刊。18年『愛の詩集』を自費出版、以後『抒情小曲集』『寂しき都会』など数々の詩集を刊行。58年『杏っ子』により読売文学賞、59年『我が愛する詩人の伝記』により毎日出版文化賞、『かげろふの日記遺文』により野間文芸賞を受賞。1962年没。

「2021年 『写文集 我が愛する詩人の伝記』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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