最終増補版 餃子の王将社長射殺事件 (角川文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041047378

作品紹介・あらすじ

2013年12月19日、「餃子の王将」チェーンを全国展開する「王将フードサービス」本社前で社長(当時)の大東隆行氏が射殺される事件が起こった。住宅街の中での堂々の犯行にもかかわらず事件からもうすぐ3年、捜査は大きな進展をすることなく現在を迎えている。実行犯そして黒幕は誰なのか。また創業者一族、暴力団、中国マフィアとの関連性とは? 単行本版刊行後の裏社会の動向などを追った最終章を新たに追加。難解事件の真相に迫る著者渾身のノンフィクション。

文庫版まえがき
序章 老婦人の告白 終戦時の満州で……/男の名はカトウ・アサオ
第1章 暁の銃弾 至近距離から撃ち込まれた四発/防犯カメラの死角に潜む/標的にされた「開かれた会社」/初動捜査ミスで迷宮入り?/新しい“三種の神器”とは?/苦しませて殺す「処刑」か
第2章 企業テロ 闇から現れた二十五口径/拷問用に改造された弾丸/一発数千億円の銃弾/億単位の鳩レースを楽しむ男/一日でトンボ返りした中国人
第3章 原点回帰 カリスマとの出会い/出発点はリベンジだった/敵地で打つ常識外れの大博打/個性と誇りを失って経営危機に/“善意の融資”で再出発へ/サクセスストーリーの罠
第4章 ブラック企業 リストラなし賞与支給の裏側/パートから幹部まで研修漬け/サービス残業続きで過労死寸前/殺害前後の経済変化に注目せよ/「あいつら、やりやがったな」
第5章 創業家一族の闇 北九州を揺るがす四発の銃弾/創業者や御曹司が頼った人物/火事で深まった腐れ縁/ゴルフ場に異常融資した理由/京都と福岡を結ぶ点と線/無言で海外に消えた父子/コジンの名誉がかかっている
第6章 中国進出の罠 社会から抹殺された子供たち/古くて深い怨念がある/肝煎りの大連進出が失敗/東北マフィアの台頭/国際犯罪都市に乗り込んだ/女殺し屋「抱きつきのリン」/「黒道」が揺さぶりをかける
第7章 新華僑コネクション バンコクで夜の密談/ゴルフ場乗っ取りの陰で/すべてが連動していた/王将包囲網が再び動き出した!
文庫特別編 トラウマを乗り越えて これほど証拠がそろっているのになぜ……?/捜査当局が今、最も注視している「九州の闇」/射殺1か月前の社内報告書の中身

感想・レビュー・書評

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  •  この事件結局何だったのかなぁ、と気になって読んでみた。事実は小説より奇なりと言うけれど、嘘みたいな本当のような話。ヒットマン血縁説はさすがにないと思うけど。闇社会につながりがなくて良かったと安堵する一方、関わらざるを得ない職種があったり、真っ当に仕事をしていても企業テロを画策されたりとどこか別世界で起きた事件のよう。くだらない組織のしがらみで捜査が難航したり逮捕できなかったりしているとするなら馬鹿馬鹿しい。実行犯は捕まったようだが、黒幕は野放しか。
     綿密な取材を重ねてまとめあげられたことはわかるが、文章としては少し読みにくい。

  • 知っている企業だけに興味を持って読めた。結論様々な憶測はその範疇であり事実は分からないということか?

  • なにこれ面白くない。なにひとつはっきりしてないじゃん。訳わかんない。この中で一番面白かったのは王将創業者の孫がウクライナ人女性と結婚してその後DVを繰り返し仲直り旅行中のエジプトで息子を連れて失踪した、ってとこだけだわ。冒頭で婆さんが語る創業者は満州で憲兵だった、姉をレイプした、みたいなのも特に立派な伏線になってないし、思わせぶりなばかりな駄作ノンフィクション。

  • せっかくなので、本書のラストは王将で読み終わろうと思い、近所の王将へ行く。それはさておき、企業トップが殺されるという大事件、企業テロにも関わらず現在も未解決というのは、考えてみれば怖い話である。ヤクザやフロント企業、半グレ、チャイニーズマフィア、新華僑コネクションまで目白押しであり、王将に限った話ではないだろうが、それらのアンダーグラウンドと企業社会は切っても切れない関係だと再認識する。本書自体は同じ話の繰り返しや「俺は裏社会を知ってるぜ」感を出してくる著者の話に付き合うのに途中でダレてくるし、事件の本質に迫っているとも言い難い。しかし今後の事件の推移には注目したい。

  • 今更だけど、読んだら闇深かった。

    半グレとか、こういうほぼノンフィクションの闇深い話大好き。

  • 事件そのものよりも、被害者の人となりや、企業としての餃子の王将の成り立ちについて詳しい。大事件なのに迷宮入りだなんて闇が深すぎる

  • 発生当初からの違和感を、納得させる内容で紐解いていく文面。非常に興味深かった。

  • 事件の目撃証言や遺留物などが少ない殺人事件、
    動機も推測の域から超えない。
    机上の空論ばかりの一冊
    30/9/29

  • 王将の事件だけに限るとそう真新しい事は無い。ワイドショーでも語られていた背後関係とか王将の歴史みたいな事をもう少し丁寧に書いてある感じ。むしろ企業テロの歴史であるとか現代のヤクザ、チャイニーズマフィアについて王将周辺から学ぶみたいな感じ。あと、飲食が拡大、海外進出する際に生じるトラブルなどが語られる。そのへんに興味が持てれば面白く読めるかな。あと、後述、後で詳しくという記述が多く感じたかな。

  • 2013年12月に起きた餃子の王将社長射殺事件の真相を探る著者渾身のルポ。
    もちろん真犯人は2017年8月現在でもまだ明らかになっていないので、本書でも犯人の特定はできておらず、複数の可能性を示すだけにとどまっている。

    なお、本書は文庫であり、2014年に出版された単行本に出版後の追加情報を加えた「最終増補版」である。

    しょっちゅう王将の餃子を食しているので、どのような経緯や背景があったのかが気になり読んでみたが、思いのほか王将の闇が深いことがわかった。個人的には、射殺事件とは関係ないのだろうが、「大阪王将」との関係についてもちょっとでよいから経緯等に触れてもらえるとなおよかったと思う。

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著者プロフィール

東京都生まれ。早稲田大学卒業後、全国紙・雑誌記者を経てフリージャーナリスト。本名など身元に関する個人情報はすべて非公開。1995年、「ドキュメント『かい人21面相』の正体」でデビュー。グリコ・森永事件、三億円強奪事件、宮崎勤事件、オウム真理教事件など殺人・未解決事件や、闇社会がからんだ経済犯罪をテーマにしたノンフィクション作品を次々と発表している。近著に『餃子の王将社長射殺事件』『人を、殺してみたかった 名古屋大学女子学生・殺人事件の真相』(KADOKAWA)など。

「2020年 『政界ヤクザ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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