- Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041047385
作品紹介・あらすじ
人間の深奥に潜む、弱く、歪んだ心。どうしようもなく罪を犯してしまった人間と、それを取り巻く人々の業と哀しみを描ききった珠玉の5篇。2007年『悪人』、14年『怒り』、そして……著者最高傑作の誕生
感想・レビュー・書評
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ミステリではありません
後味の悪いお話、5編
面白いかどうかという類いの作品ではありません
犯罪に至る描写が巧みで、どれもどこかで見たような事件でした詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
この作者の奥行きの深さを感じさせます。いろんな色合いの違う作品を紡ぎ出す力量に感服します。個人的には「横道世之介」のような作品が好きですが。
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短編5編。
実話をベースにし、犯罪そのものよりも人物を描く。
読んでいる最中に、そういえばそんな事件があったと思い出した。犯罪には共感できないが、なんとなく堕ちていってしまう様にはうなずいてしまう場面も。
読了後に、ネットで事件を調べてみて、更に内容に重みが出た。 -
短編集です。
どのお話もイヤミス系かな。
最後になんか「えー」っていうモヤモヤが残る。
こんな事からこじれて犯罪が起きる事もあるんだっていう、犯罪の背景みたいなのが切ない感じ。
実際の事件がモチーフになってるらしいので、もしかしたらこういう背景だったのかもって事なんだろうけど。
日常でもよくある、誤解とか思い込みとか小さい事が大きくなると犯罪にもつながるんだなと。
だから他人事じゃないよって事なのかな。
やっぱり吉田さんには長編を書いて欲しい。 -
どこか身近で、どこか他人事の犯罪短編集。犯罪者がなぜ犯罪を犯してしまうのか。周囲が悪いのか、環境が悪いのか、あるいは自分自身が悪いのか。紙一重な部分を読み手に心理的に訴えかけてくる文章がスゴイなぁ、と。
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5つの犯罪の物語。
読みながらこれはあの事件がモチーフなんだな、とか、これはあの人がモデルだな、とか思いながら読む。
犯罪はそれがどんなものであっても、どんな理由があったとしても、許されるものじゃない。でもこの5つの物語を読むと一つの犯罪が行われるまでにはいくつかの分岐点といくつかの偶然と、そしていくつかの扉があったのにな、と思う。誰かがどこかの時点でその犯罪への道を変えることができたはずなのに、とそう思ってしまう。許されないことだし許してはいけないことだとは思うけれど。やりきれない思いで溺れそうだ。 -
誰でも、私でも、私の周りにいる人々も、
何かしらで箍が外れたらば、
誰にも、自分でさえ分からない理由で
犯罪者になりうる。
よく言われる、一歩間違えたら貴方も私も。
脆く崩れそうな気持ちをどこで、何を持って、
食い止めるのか。
最後の話、山之内が呟く「なんで?」。
この一言が、この短編集を締めくくる。
自分には関係ない話だと思っているからこそ、怖い。
吉田修一氏、微かに心がざわつく感じを描かれるのが、
本当に巧い。 -
読み終わった際にやるせなさが残る。普通の人たちが犯罪に落ちて行ってしまう姿が悲しい。
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人間のの悲しさ、業の深さ
いろいろ考えました。忘れたけど
一番好きなのがありました。
吉田修一好きです。人間のの悲しさ、業の深さ
いろいろ考えました。忘れたけど
一番好きなのがありました。
吉田修一好きです。2020/02/01 -
2020/02/02
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短編で非常に読みやすかった!
読後感がなんとも言えない -
短編の犯罪小説が5作日
それぞれが短いのでサクッと読めます。
それほど重い感じではなかったです。