マジカル・ヒストリー・ツアー ミステリと美術で読む近代 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041047491

作品紹介・あらすじ

気鋭の歴史作家が『時の娘』『薔薇の名前』『わたしの名は赤』などの名作をとおして、小説・宗教・美術が交差する「近代の謎」を読み解く!

感想・レビュー・書評

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  • 19世紀に生まれた小説の一ジャンル「ミステリ」。なぜこの時期にミステリが生まれ、一大ジャンルとなったのか。名作ミステリ、絵画や建築、中世から近代へと移行した当時の時代背景などをもとに考察する。まえがきで、「本書を読むことで結末の推測がやや容易になるかもしれない」として、「時の娘」「緋色の研究」「ノーザンガー・アビー」「薔薇の名前」の4つが挙げられている。私は「緋色の研究」を除いて未読だけど、犯人が分かってしまうようなネタバレはなかった。むしろ「薔薇の名前」はすごく読みたくなった。「荒野のホームズ」「わたしの名は赤」も面白そうだ。ミステリ好きなので楽しめた。

  • 『薔薇の名前』とか『私の名は赤』とか、私の好きな本がとりあげられて論評されてて、楽しく読めました。私にはすごいおもしろかったけど、よくよく考えたら、けっこうマニアックな本ですよね。どれくらい一般受けするのでしょう? 角川文庫って、たまにこういう類の本が出版されるのでおもしろいです。ほかには、国語辞典の遊び方、とか。(2018年1月13日読了)

  • 肖像画、産業革命、作家の生きた時代と、母国の歴史の重さ。そういう様々な視点から、ミステリの構造を解いていく本。書籍というのは娯楽ではあるけれど、社会や政治を色濃く反映するものなのだな、ということが良く分かります。

    難しい歴史背景はさておき、文中に例として引かれた作品がどれも面白そうで、何篇か通販で購入しました。一般の書店のベストセラーの棚には絶対に並ばない、ここで紹介されなかったら出会えなかったであろう作品たち。これらを読むのも楽しみです。

  • 昔はやったニューヒストリシズムの文芸批評のような本かと思っていた。
    いくつかの、ミステリの嚆矢となる作品を取り上げ、それぞれを書かれた当時の時代背景(そこには美術品も含む)の中に置いて解釈する、というようなー。
    ところが、この本の射程はもっと長かったのだ。
    近代という時代の特質が、見ることや語ることを変質させ、ミステリというジャンルを生んでいくという運動を解明しようとした本だと理解した。

    とはいうものの、やはりどこかで富山多佳夫さんの本や、その論じ方を思い出さずにはいられず、既視感がどうもぬぐえなかった。

  • 名作のミステリを、産業革命や宗教裁判など、史実・その時代背景から読み解く評論。
    物語の中に書かれた、逃走の話を当時の時刻表などから調べ、どのように逃走したのか、どういう時代背景で逃げられたのか等を読み解く。
    また挿絵や当時の美術から、その登場人物がどのような宗教を信じていたか、本心はどうだったのかも読み解いている。
    普通に読むのとは違う面白い見方で、とても楽しんで読めた。
    ここに紹介されたミステリを、これを踏まえて読んでみたい。

  •  ミステリというジャンルが生まれたのは、1800年代半ばのイギリスであり、これまでに多くの名作が出版されました。
     本書は、ミステリの誕生と変遷の時代背景について解説しています。その他、歴史を題材とした「歴史ミステリ」 に焦点を当て、コナン・ドイルの『緋色の研究』等に出てくる美術や宗教について深く掘り下げることで、作品の魅力を解き明かして
    いきます。
     この本を読んだ後は、ミステリに対する価値観が大きく変わり、作品をより楽しむことが出来るようになるでしょう。

    京都外国語大学付属図書館所蔵情報
    資料ID:607220 請求記号:902.3||Kad (単行本のみ所蔵)

  • なんとなく手に取った本ですが…波長が合わなかった感じが。残念。

  • 絵画をミステリィという視点から再解釈する.結局,絵画も文化の結実の一つであり,その時代の文化に対する深度を表していて,表層的に見るだけでも面白いけれど追究するといくらでも考え込めることを再認識する.

  • 「小説あります」という小説がお気に入りで、その著者である門井さんが直木賞を取って話題になっていたので、門井作品を何か読もうと思って本作を手に取りました。

    が……本作は評論だったのですね。その点については、ちゃんと裏表紙を読まずに買った私が悪いのですが……

    私は特にミステリファンというわけではなく、本作で題材となっている作品も読んだことがあるのは「緋色の研究」くらいで、あとは題名を知っている程度。なので、正直なところ教科書を読んでいるような感覚しか抱けず、「読もう」という気力もなかなか湧き上がってこなくて、読了するまで随分と時間を要してしまいました。

    もし本作で取り上げられている作品にとても興味があれば楽しめたかもしれませんが、読んだことのない作品に関する薀蓄を楽しむのは少々無理があったのかもしれません。

    いずれ題材となった作品を読む機会があり、それらに興味をもって読了できた時がきたら、本作を再読したいと思います。

  • 祝文庫化!

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著者プロフィール

1971年群馬県生まれ。同志社大学文学部卒業。2003年、第42回オール讀物推理小説新人賞を「キッドナッパーズ」で受賞しデビュー。15年に『東京帝大叡古教授』が第153回直木賞候補、16年に『家康、江戸を建てる』が第155回直木賞候補となる。16年に『マジカル・ヒストリー・ツアー ミステリと美術で読む近代』で第69回日本推理作家協会賞(評論その他の部門)、同年に咲くやこの花賞(文芸その他部門)を受賞。18年に『銀河鉄道の父』で第158回直木賞を受賞。近著に『ロミオとジュリエットと三人の魔女』『信長、鉄砲で君臨する』『江戸一新』などがある。

「2023年 『どうした、家康』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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