アリハラせんぱいと救えないやっかいさん (1)

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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041047590

作品紹介・あらすじ

「わたし、北大に行きます。真の変人と出会わんがために!」
北海道大学2年、コドリタキ。珍妙なせんぱいと、身体を張った「変人研究」はじめました。

「自称」変人の皆さんへ。――住野よる(作家)
住野よる氏も共鳴! 個性という言葉が切々と胸に迫る、こじらせ系青春小説!

特別な自分の演出のために変人ぶろうとする、偽りの変人。それが、通称“やっかいさん”。
北海道大学2年コドリは、ある理由から“真の変人”を追い求めている。だがそれゆえ、やっかいさんから好かれがち。
ある日、心理系コース4年・アリハラと「とんでもない出会い方」をする。アリハラはコドリとやっかいさんらの関係に興味津々……かきまわし、あらゆるイベントを起こしたがる。
「アリハラこそ真の変人なのではないか?」と希望を持ったコドリは、あえて振り回されるうち、封印していた自分の気持ちと向き合うように。
しかし、アリハラには別の目的があった……。

あなたは「特別な人」ですか? それとも「やっかいさん」ですか?
読み終えたあとは自由になれる、今までにないこじらせ系青春小説!

感想・レビュー・書評

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  • 読後感がよかった。
    偏差値の高い大学にいけば真の変人に会えると思い大学に入学したコドリ。変なだけで本物の変人ではない人をやっかいさんだと思っている。
    コドリが自分には何もないと感じ、周りを何もみてなかったんじゃないかとショックを受けるところに共感できる。アリハラせんぱいの大人な態度に救われる気がする。

  • ものすごく心に響いた。自分のことを言われているようだった。これまでの人生を振り返ってしまった。引きこもってた主人公を2人が外に連れ出して、引き上げてくれたところが良かった。人との付き合い方に関して、自分の傾向を認識させてくれて、さらに考え方を矯正されてしまった。好きな小説は他にもあるけど、ここまで心に響いた(えぐられた)のは他になかった。文体は取っ付きにくかったけど、慣れたら心地よかった。他の本も読んでみよう。

  • ほんとやっかいさんはやっかいだなぁ。あまり読まないジャンルだったけど、軽く楽しめた

  • 自分も主人公みたいになってないか不安になった
    周りにこういう人がいるのを見たことあるだけに余計…

  • 「変人」に憧れる気持ちはわかる。
    人とは違う特別なものを持っている気になれるから。
    私も変人と仲良くしようとしたことがあるし、自分自身も変人になろうとしたことがある。
    中二病なんかもそれらのうちに含まれるのではないか。
    そう考えると、多くの人が少しは理解しやすいはずだ。

    右にならえがよしとされた昭和の時代から、平成に入って個性が注目されオンリーワンという言葉も流行った。
    ところが最近はそれが行き過ぎて個性がないと人ではないというようなところまできていて、就活では「あなたの特技は?人と違うところは?」と聞かれる。
    答えられなければ、社会に受け入れてもらえない。
    若者が自分を演出するようになったことにはそういう背景がありそうだ。

    でも、だんだんと年を取ってくると、変人もしくは変人ぶろうとする「やっかいさん」の突飛な行動に振り回されることに疲れて、普通の人を求めるようになる。
    もうその域に達してしまった私には、登場人物全員の行動があまりに過激で好きになれなかった。
    結局みんな自分勝手で、自分の行動が人を傷つけるということに気づいていない。
    終盤のわだかまりがありながらもアリハラを追い続け、文句の一つも言えないコドリにはいらいらしたし、その後の超展開の結末にも納得がいかなかった。
    そうはならんやろ、と突っ込みたくなった。

    文章は人気の個人Webブログみたいだ。
    丁寧語だったりそうじゃなかったり、言葉遣いがころころ変わる。
    体言止めが多いこともライトノベルとかブログの文章の特徴だろうか。
    体言止めが多いとリズム感がよくなることはあるだろうが、箇条書きのように見えてきて全体のまとまりは悪くなる。
    読みやすく読ませる文章ではあるのだが、言葉が崩れていて文芸という芸術の枠には入らない。

    著者は私と同じ北海道出身で、物語の舞台でもある北海道大学を卒業している。
    今回はあまり好きな作品ではなかったが、物語中に札幌市内の様子が描かれるとやはり少しワクワクする。
    もう一冊くらい読んでみようか。

  • きっと誰も何ももってないんです。ですが、何か『特別』であることを世の中に強要されているような時代なのです。その胡散臭い『特別』に疑問を感じる人と、何もなくても『特別』になろうとしてる人。両者を温かく包んでくれる物語です。
    『特別』とか『特別じゃない』とかそういうものを超えた先に、"それぞれなりの特別"が眠っているのかも?

  • 地元が舞台の小説なので読んでみた。
    う~ん。
    若い子ならすんなりと読めるのだろうか?
    イマドキの若者の話言葉が多く、中年オバサンにはひっかかるものがある。
    やっかいな人々を巡るお話で、結局は“友達ってイイネ”ってことなのだろう。
    学生にはオススメ。

  • とにかく変人に出会いたい大学2年生の主人公コドリん。しかし実際には特別な自分を演出する変人ぶった偽の「やっかいさん」にしか出会えない。そんなときに文学部の研究棟でアリハラせんぱいに出会う。アリハラせんぱいはコドリんが探し求めた変人なのか…という内容。やっかいさんは誰なのか、話が進むにつれて面白くなってくる。人に興味を持つって面白いね。

  • <あなたもわたしもやっかいさん>
    厭世マニュアルより読みやすかったのは,ひとえに登用するキャラクタがまだとっつきやすかったからだと思う.
    厭世マニュアルが好きな人にも,はじめての阿川せんりにも.
    あ,あと女の子たちがわちゃわちゃしているのを読むのが好きな人にも?

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著者プロフィール

1988年北海道生まれ。北海道大学文学部卒。2015年『厭世マニュアル』で第6回野性時代フロンティア文学賞を受賞しデビュー。他の著書に『アリハラせんぱいと救えないやっかいさん』『ウチらは悪くないのです。』がある。

「2019年 『行きたくない』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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