ライオン・ブルー

著者 :
  • KADOKAWA
3.06
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本棚登録 : 84
レビュー : 14
  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041047743

作品紹介・あらすじ

関西某県の田舎町・獅子追の交番に異動した澤登耀司、30歳。過疎化が進む人口わずか4万人の町から、耀司の同期で交番勤務していた長原信介が姿を消した。県警本部が捜査に乗り出すも、長原の行方は見つからなかった。突然の失踪。長原は事件に巻き込まれたのか。耀司は先輩警官・晃光に振り回されながら長原失踪の真相を探っていく。やがて、町のゴミ屋敷の住人だった毛利宅が放火され、家主・淳一郎の遺体が見つかった。耀司は、長原が失踪直前に毛利淳一郎に会いに行っていたことを掴むが……。

感想・レビュー・書評

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  • 同期の警察官、長原の失踪事件の真相を探るために、澤登耀司は生まれ故郷の交番に異動してくる。真相を暴こうとすると、第二、第三の事件が起こる。小さな田舎町特有の癒着や利権争いも絡む中、澤登のとった行動は。。。
    甲子園での過去の傷から逃げることができないでいた澤登が、長原と出会うことによって真情の変化があり・・・という流れで、もっと一般的な意味での正義感の話かと思ったが。後味としては余り良い感じはしなかった。

  • 田舎の交番のお話。

  • つらい過去の記憶に苦しむ警察官が、失踪した同僚の事件を探るために故郷の交番に赴任したとたん、立て続けに事件が起こる。

    過疎の地域の特殊な人間関係や閉塞感が、終始重苦しくのしかかる。そして過去にとらわれ、家族との問題も抱えて鬱屈した主人公の苦悩はわかるのだが、そこからの行動にはどうにも納得できない。警察官が明確な理由をもたないままに殺人を重ね、同僚がそれを黙認して地域の平和を守るって…。

  • 237久々に面白いハードボイルドを読んだ。カッコつけず、過去の傷と向き合う闘いにしびれました。続編ないよね。

  • 田舎の交番を舞台にしたドロドロ物語でした。
    展開や推理にドキドキしたし田舎ルールや雰囲気がドス黒すぎて最後までモヤモヤしました。

    でも結局、主人公に殺人させて同僚にまで「引き継ぐ」とまで言わせた長原って一体何者?
    「長原」の存在が断片的すぎてずっと疑問でした。

    晃光との関係もよくわかりませんでした。

  • 初めて 呉さん作品を読みました。
    なんじゃこりゃ って感じでしょうか。

  • 心に大きな鬱屈を抱え、長らく離れていた故郷の田舎町・獅子追の交番に異動した澤登耀司30歳。過疎化が進む一見平和な町で、耀司の同期・長原が姿を消した。制服を着て、拳銃を携えたままで・・・
    県警本部が捜査に全力をあげるも、長原の行方は杳として知れず。失踪なのか、自殺したのか、はたまた事件に巻き込まれたのか。耀司は先輩警官・晃光の言動に不審を抱きながらも、長原失踪の真相を探っていく。
    やがて、町のゴミ屋敷が放火され、焼け跡から家主・毛利淳一郎の遺体が見つかった。

    過疎の町のどうしようもない閉塞感。開発に絡む利権とそこに巣くう人々。警察をも巻き込んだ悪の構図。そこにある目的をもって異動してきた警官・耀司の鬱屈。癖のある同僚たち。それらが作品全体に重く暗くのしかかり、ページをめくる手は遅々として進まない。

    真相が徐々に明らかになるにつれ、漸く勢いづいた終盤、253ページでの衝撃!
    これは反則なのかもしれないけれど、私的にはありです。普通の小説ならこんな終わり方はしないけど、世の中そんなきれいごとじゃ終わらないから。呉勝浩作品らしく後味は悪いですがそこも嫌いじゃない。

    「おれがおれになった場所ーーそれを故郷と呼ぶんやろ?」
    この町は、耀司にとって故郷になれたのかな~

  • 内容(「BOOK」データベースより)
    生まれ故郷である田舎町の交番に異動した澤登耀司、30歳。過疎化が進む町で、耀司の同期・長原が姿を消した。県警本部が捜査に全力をあげるも、長原の行方は分からなかった。事件に巻き込まれたのか。それとも自らの意志なのか。耀司は先輩警官・晃光の言動に不審を抱きながらも、長原失踪の真相を探っていく。やがて、町のゴミ屋敷が放火され、家主・毛利淳一郎の遺体が見つかった。耀司は、長原が失踪直前に毛利宅を訪ねていたことを掴むが…。乱歩賞作家が放つ衝撃の交番警察ミステリ!

    交番勤務の警官が主人公でこういうダークなものは読んだことないですね。そもそも表紙でこめかみに拳銃当ててますから不穏な空気満載です。誰も正しくないという稀有な本です。正義の鉄槌的なものを期待するとがっくり繰る事請け合いですが、僕はこれは高く評価したいです。閉塞感のある地方都市の人間関係。警察権力すらも包み込もうとする地元民の因習に満ちた空気。やる気のない警官たち。その中でどんよりと登場する何を考えているか分からない主人公。どこを向いてもくずばかりで、こんなところで暮らしていたら体が腐りそうですが、あくまでこれは巻き込まれた人たちだけの話で、実際は平均的な下り坂の地方都市で人々は日常を淡々と繰り返している訳です。その中で水面下では市井の人々が利権や血縁地縁にがんじがらめになりながら自分の利になるものを引き寄せようっと必死。地方の狭い村社会なので10年以上前の甲子園での失敗が大人になっても人々の記憶から消えず鬱屈に拍車が掛かる。すばらしく糞な舞台設定です。
    そんな温い糞の中をうごめくような話の中で次第に高まってくる緊張感、そして悪なのか正義なのかなど関係なくなっていく食い合いの世界。
    中盤までは誰にもシンパシーを感じられずにイライラしていましたが、中盤から吹っ切れたような展開になりぐいぐい引き込まれました。
    万人にお勧めではないですが僕は気に入りました。

  • 澤登耀司が警察学校で同僚だった長原信介失踪の原因を探る物語だが,個性ある登場人物が出てきて,非常に楽しめた.まず,同じ交番のメンバーで晃光大吾,それから県警の権藤だ.地元を牛耳っている千歳グループが警察と癒着しており,様々な事件の結末に影響を与えている.毛利淳一郎が火事で死んだのを皮切りにヤクザの金居鉄平が射殺される.そのニューナンブが長原のものだった.耀司の推理と大吾との掛け合い,耀司と権藤の情報交換などが交錯するなかで,大吾が的確な推理を展開する.長原殺しの犯人は意外な人物だったが,長原の姪のすみれの存在が光っている感じがした.

  • 生まれ故郷である田舎町の交番に異動した耀司。
    彼は何に悩み苦しんでいるのか。
    その理由が分かってくると同時に、耀司、先輩警官・福永と晃光の輪郭もはっきりとみえてくる。
    地元の再開発問題、同期・長原の失踪。
    彼はなぜ姿を消してしまったのか。
    中盤から私が惹かれたのは、先輩警官の晃光大吾。
    彼がまた悪いやつ。
    でも、晃光大吾から目が離せない。
    地域に密着した交番という狭い世界の中で、
    何が正義で何が悪なのか分からなくなった。
    警察・刑事ものは好きでよく読むが
    「ライオン・ブルー」も、どこに落ち着くか分からず最後まで楽しめた。

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著者プロフィール

呉 勝浩(ご かつひろ)
1981年青森県生まれ。大阪芸術大学映像学科卒業。2015年、『道徳の時間』で第61回江戸川乱歩賞を受賞。2018年『白い衝動』で第20回大藪春彦賞を受賞し、吉川英治新人文学賞候補にもなった。

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