- Amazon.co.jp ・本 (488ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041047811
作品紹介・あらすじ
妖怪が出現して暫くすると、相互監視や娯楽施設の閉鎖がはじまり、日本中が殺伐とした空気に支配されていった。「怪」関係者の一部は政府によって捕らえられてしまう。妖怪関係者は奪還を試みるが……。
感想・レビュー・書評
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Book bangさんの刊行記念インタビューがなかなかよかったので貼っておきます。
ロングインタビューの内容はもちろん、最後に登場キャラクター一覧があるのが秀逸。
https://www.bookbang.jp/review/article/522935
さて序、破、ときて急ともなれば、さすがにもう虚実の『実』はぶっ飛んで、アリエナイの境地なわけです。これどう収拾を付けるんだろうと思っていると、混沌を材料にしてさらに混沌が加速するというマッチポンプ状態で、本当にどうなるやら先がまったく読めませんでした。
そのなかでこのオチの付け方は、お見事!!!というか、終わってみればスタンダードな京極夏彦スタイルであったわけで、手腕としか形容のしようがないのであった。
もはや遠い記憶に思える物語の冒頭や、心の片隅に引っ掛かっていた違和感が、すっと最後の謎解きに繋がってしまうという、あっ、やられたー!感。かといって、肩透かし悔しい腹立たしいとかいうのでなく、なるほどそういうことだったか、と納得できてしまう。はいつまり、手腕です。
また、連載中に水木しげる大先生が逝去されたことで、どうなるのかなぁと思っていたら、そこもある種反映させた、見事な大団円でした。
リアルタイム連載ならではの面白さを最後まで堪能できて、いや満足満足。
読者を選ぶことは間違いないですが、私は非常に楽しめました。読んでよかった!詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
破と急の感想間違えちゃった。
うーん。
上巻中巻の面白さが嘘のように、次ページをめくるのが苦痛な、恐ろしいつまらなさだった。。
余裕がなかったりギスギスしても社会は成り立つのだろうし、それが風刺だフィクションだ、って言うのも別に良いんだけど、バカが余裕が必要だっていうのも首肯できるし、じゃあ不満を持ってるのがいかんのですよというのも分かるが、やはり単純に不愉快だったなぁ。こういうフィクションがあふれだす系は読者を蔑ろにしたり馬鹿にしたり無視するのが作法だったりするんだろうか。余裕がない間抜けに、バカになれない愚か者に俺達がバカを見せてやらなきゃ、バカにならなきゃ、って言うのは良いんだけど、それを読ませてるのは、今まさに読んでるのは読者にほかならないんじゃないの? 出版不況やら表現規制やら安保だったり各種社会問題だったり有るだろうが、そういうのを全部「市民」とひっくるめられて、ヤツらはキチガイだ自滅だ愚か者だといわれて、気持ちいいはずは無かろう。
妖怪バカ連中の馴れ合いがものすごく気持ち悪いし。
やっぱ幕の引き方は難しいよなぁ。最後の方は良い感じにはなったけど。
青嵐が出てきたことだけはココロから喝采ですよ。 -
ギャグメタ小説? 面白かったー。京極式妖怪大戦争。
繰り返されるバカ馬鹿ばか。
妖怪の人、怪談の人、クトゥルフの人、ホラー小説の人、ホラー漫画の人、もろもろ違うんだよねー。稲川淳二が出てこなかったのは許可が出なかったのか、別次元だったのか(笑)
妖怪は現象だからね、ホラーは創作だし、幽霊は居ない、創作はあくまで創作。実話は実話と信じている本人が言うから実話。なので不思議なことなどないのだよ。
それとは別で、受け入れて楽しむのは自由なの。だからこういうの大好き。 -
京極節に酔いしれ、笑い転げる(*`▽´*)そして続々と登場するゴージャスな妖怪と妖怪関係者に興奮!(*゚∀゚)=3映像化したら凄いぞ!!そしたら、この作品を活字アレルギーの人にもオススメできる!でも、いろんな問題で絶対無理なんだろうなぁ(-_-;)最後はやっぱり水木しげる大先生(*´ー`*)♪馬鹿ばんざーい\(^o^)/
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おそらく水木しげるさんへの追悼本。
妖怪ヲタ度が高いほど、いろいろ拾えて楽しめるし、妖怪・怪獣・怪物知識(アニメ・映画を含む)が多いほど、懐かしさや細かいディテールに涙する物語。
しかし、物語にあるように人生には「余裕」が必要なわけです。
余裕があるからこそ、社会的生産性が限りなくゼロの妖怪なんぞに情熱を注げられるバカでいられるわけで…。
物理的にも精神的にも余裕のない年末・年始にかけて読んでしまって大失敗!
まぁ、新たに「こんな本があるんだ~。そのうち読まなきゃ~」的な知識をいただきましたが、楽しめたかと言うと微妙なところ。
平成から元号が変わる今年。
もっと余裕のあるバカとして、妖怪道、自分の場合は特に怨霊道に邁進していきたいと思います。
※「そんな余裕ないのにぃ~!」←冷静な心の声 -
すばらしく面白かった。
クライマックスのオールスター感。 -
ようやく完結。はたして日本は立ち直ることができるのか……とどきどきしながら読みましたら。
ううむ……余裕のないのは嫌だけど。余裕だらけでもこれはこれで(苦笑)。何事も適度でないといけませんねえ。それにしても妖怪が好きだというだけでここまで「馬鹿」と言われてしまうとは。ま、必ずしも馬鹿が悪いわけではないようですが。
大物実在人物がこれでもかって登場する中。平山夢明さんの邪悪さが群を抜いています。酷い。酷すぎる。でも納得できてしまうのは何故だ。さらに妖怪大戦争。妖怪じゃないものもいっぱい湧いての大騒動。鈴木光司さん、なんてもの出してくれるんだ! そりゃあ現代の人はこれが一番怖いかも?
そして京極堂シリーズの読者には気になっていたあの人。やはりそういうことだったのか。とにかくおふざけお祭りモード満載の、楽しい作品でした。とはいえ、真面目な教訓も多少含まれているのかも。 -
終わりました。最後の9行で泣きました、号泣。
もちろん最後の最後の場面だけですが、やっぱり「序」で感じたようにこれは水木先生讃歌なんでス。読み進むにつれイラつきながらも反省しました、私もまた余裕がない人間になっていたと。後半、「急」ですわ、もーホンローされたかんじ。これは一気に3冊読むべきですヨ。