長く高い壁 The Great Wall

著者 :
  • KADOKAWA
3.09
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本棚登録 : 115
レビュー : 13
  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041048290

作品紹介・あらすじ

日中戦争の最中。従軍作家として北京にいた流行探偵作家の小柳逸馬に、突然の前線要請が下る。万里の長城、張飛嶺で待っていたのは、分隊10名全員死亡という大事件。日中戦争の真実と闇が解き明かされる!

感想・レビュー・書評

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  • 浅田次郎はじめての中国ミステリーと帯には書いてあったけど、浅田作品わどれだってみんな一種のミステリーだと思うわな。まあ、本格ミステリーというわけではないけれど。
    読み始めて10行で涙がこぼれた前作『おもかげ』とは少々違って、淡々と浅田節で事件が語られていく。
    しかしまあ、最後の情景描写文は素晴らしいね「長城は星空に眠る龍のように鎮まっている。」

  • 戦乱の中国と日本軍。これを書かせたら天下一の浅田次郎。
    面白くないはずはない、が、あまりストーリーに期待してもならない。日本軍の規律や清々しさを読む。

  • 2018/06/06-06/20
    ▶︎戦中外地で普通に行われていただろうことの異常性を明らかにした作品。戦争は善良な市民を狂気に走らせる。

  • 太古から民族と国家の戦争が絶えなかったヨーロッパ諸国に比べれば、単一民族であり、陸上の国境を持たなかった日本は、実に平和な国であったと言ってよかろう。何もまして和を尊んできたのである。そうした歴史が、そうであってくれれば良いと言う希望的観測を、いわば共通の国民性として形成したのであろう すべての命令は上から下へと、直線的に下達される。部隊行動に自由は許されない。しかも様々な法令が、将兵をがんじがらめにしている。いわばタテばかりでヨコのない社会だった 支那人から見た日本人は、倭い人だった 戦争が壮大な芝居に思えた。何十万もの兵隊が赤紙1枚でかき集められ、海を渡ってやってきて、物を食い、泣き笑い、少なからずが命を落とす。これまでに書き留めた供述は、そうした台本のほんの1部だった

  • この著者の魅力はウソをあたかも本当っぽく書くところだが、最近はウソ臭さがにじみ出ている気がするね。長年の愛読者には見え透いたウソ(笑)

    読者を見ていないのかね?自身の満足だけで終わっている感があります。

  • 万里の長城で日本軍の兵士たちの死体が発見された。
    戦死、ではない。
    軍属の探偵作家がその謎を解明するために派遣される。
    生き残りのやり手の実務家軍曹、刑務所帰りの一等兵、元銀行員の憲兵隊大尉、ヤクザあがりの伍長、中国人の大地主。
    それぞれの証言から藪の中の真実が浮かび上がってくる…
    浅田節は最小限に抑えられながらも隠し味として効いている。

  • 戦場の暗く重い雰囲気というのはあまりなくて、どの立場も人間味のある人物として描かれていて、胸糞悪いというようなことはなかった。
    実際の軍隊もこんな雰囲気になるよあなことはあったのか?
    日中戦争下の現地の人と日本軍の関係性は本当はどうだったのか、興味が湧いた。
    いつも通りの浅田次郎の手法、古き良き?ヤクザの姿勢など、浅田次郎っぽさ満載だった。

  • さすがに最後の最後での大どんでん返しはなかった。ただ、老陳は気の毒だったなぁ。その後、海野伍長は果たして山村大尉を放置できるんだろうか。と、事件の行く末はどうあれ、満州国を書き続けて久しい著者が、同じ舞台で門外漢ともいえるミステリーをもって一息ってのか、気分転換ってのか。何やらゆるい作だと感じつつも、当時の事変、戦争を追ううち、著者の胸中に蓄積した史実への憤りがここにぶつけられているようにも思える。

  • 浅田次郎氏の戦争ものでは「故郷」が秀作で涙なくては読めなかったからこれも期待して読んだものの、戦場ミステリーという訳の分からない分野で今一つ乗り切れない。
    それでも、浅田さんの筆力で読みだしたら戦線離脱できず、とうとう最後まで読んでしまった。

    北京から半日がかりの万里の長城、張飛嶺。そこで待っていたのは、第一分隊10名が全員死亡という大事件だった。銃撃でもなく、傷病でもない、この事件の謎を解くべく派遣されたのは従軍探偵作家。関係者への聞き取りを進めていく内に明らかになる隊内での軋轢、保身のための嘘、軍ならではの論理・・・。作家は無事に事件を解決できるのか。

    ミステリーといっても事件の謎は副次的なもので、そこは浅田次郎、日中戦争における「戦争の大義」、「軍人にとっての戦争」とは何かを真正面から問いかける内容になっている。
    大義なき戦争のただ中にあって、将校は、兵士は本当に戦うべき相手を見失っていく。主人公の探偵作家の飄々としたなかにもすっとぼけた雰囲気に救われて読了したが、読後はむなしさだけが残る作品だった。

  • 日中戦争の最中。従軍作家として北京にいた流行探偵作家の小柳逸馬は、突然の要請で前線へ向かうことに。万里の長城、張飛嶺で待っていたのは、分隊10名全員死亡という大事件だった-。

    大義なき日中戦争、日本軍の内実、日本人と中国人の違いなどはわかったけれど、肝心のストーリーに全く魅力を感じなかった。ネットで本作の評価が高いのに驚く。
    (Ⅾ)

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プロフィール

浅田 次郎(あさだ じろう)
1951年、東京都出身。
1995年『地下鉄に乗って』で吉川英治文学新人賞、1997年『鉄道員』で直木三十五賞、2000年『壬生義士伝』で柴田錬三郎賞、2006年『お腹召しませ』で中央公論文芸賞と司馬遼太郎賞、2008年『中原の虹』で吉川英治文学賞を、2010年『終わらざる夏』で毎日出版文化賞、2016年『帰郷』で第43回大佛次郎賞それぞれ受賞。2015年には紫綬褒章も授与されている。
2018年現在、日本ペンクラブ会長、直木賞、柴田錬三郎賞、山本周五郎賞の選考委員を務める。

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