- Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041048290
作品紹介・あらすじ
日中戦争中の万里の長城。探偵役を命じられた従軍作家が辿り着く驚愕の真相とは?
浅田作品初の戦場ミステリ。
1938年秋。流行探偵作家の小柳逸馬は、従軍作家として北京に派遣されていた。だが、突然の要請で、前線へ向かうこととなる。
検閲班長の川津中尉と共に、北京から半日がかりで辿り着いた先は、万里の長城、張飛嶺。
そこで待っていたのは、第一分隊10名が全員死亡という大事件だった。
なぜ、戦場に探偵作家が呼ばれたのか。10名は戦死ではないのか!?
分隊内での軋轢、保身のための嘘、軍ならではの論理――。
従軍作家の目を通し、日中戦争の真実と闇が、いま、解き明かされる。
「戦争の大義」「軍人にとっての戦争」とは何かを真摯に捉え、胸に迫る人間ドラマ。
感想・レビュー・書評
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久しぶりの浅田次郎作品。
好きな作家さんではあるのですが、語りを軸にされると途端に入り込みにくくなってしまうため、星2つ。
蒼穹の昴は大好きだけれど、珍妃の井戸になるとダメだったので今回もそのような感じです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
8月には戦争の悲惨さを忘れないために、このような本を読むことにしているけど、この本はかなりひねられた悲劇でした。繊細な文脈がなかなか頭に入って来ないので、辛かったです。
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浅田次郎はじめての中国ミステリーと帯には書いてあったけど、浅田作品わどれだってみんな一種のミステリーだと思うわな。まあ、本格ミステリーというわけではないけれど。
読み始めて10行で涙がこぼれた前作『おもかげ』とは少々違って、淡々と浅田節で事件が語られていく。
しかしまあ、最後の情景描写文は素晴らしいね「長城は星空に眠る龍のように鎮まっている。」 -
なかなかおもしろかった。時は昭和13年推理作家 小柳逸馬は従軍ペン部隊を志願すること多年(ママ)、皇軍占領した北京にてペンの初陣を飾る次第となった。(ママ)そこに検閲班長 河津中尉共々「密雲」の先の張飛嶺(万里の長城)守備隊に異変があったので、調査して報告するよう命令が下った。武漢作戦の開始直後の頃。守備隊を30名残して本隊3000名は転進、其の内10名が死亡したことがわかった。戦死ではない。さあ推理作家は何が真実か、解明できるのか、
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間伸び感があった。
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こんな軽快な文章も書く作家だったのか
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R4/7/3
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戦争の悔恨は根深く、首を垂れる。
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浅田次郎氏らしい作品。表に見えているものだけを信じては真実に辿り着けない。本人が口にしていることが本当のこととは限らない。人は平気で嘘をつく。自分のために人のために。辿り着いた真実は、人としてどうしても守らなければならないものだった。戦争という理不尽な世界で信義を通した物語。