長く高い壁 The Great Wall

  • KADOKAWA
3.16
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本棚登録 : 326
感想 : 39
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041048290

作品紹介・あらすじ

日中戦争中の万里の長城。探偵役を命じられた従軍作家が辿り着く驚愕の真相とは?
浅田作品初の戦場ミステリ。

1938年秋。流行探偵作家の小柳逸馬は、従軍作家として北京に派遣されていた。だが、突然の要請で、前線へ向かうこととなる。
検閲班長の川津中尉と共に、北京から半日がかりで辿り着いた先は、万里の長城、張飛嶺。
そこで待っていたのは、第一分隊10名が全員死亡という大事件だった。
なぜ、戦場に探偵作家が呼ばれたのか。10名は戦死ではないのか!? 
分隊内での軋轢、保身のための嘘、軍ならではの論理――。
従軍作家の目を通し、日中戦争の真実と闇が、いま、解き明かされる。
「戦争の大義」「軍人にとっての戦争」とは何かを真摯に捉え、胸に迫る人間ドラマ。

感想・レビュー・書評

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  • 久しぶりの浅田次郎作品。
    好きな作家さんではあるのですが、語りを軸にされると途端に入り込みにくくなってしまうため、星2つ。
    蒼穹の昴は大好きだけれど、珍妃の井戸になるとダメだったので今回もそのような感じです。

  • 8月には戦争の悲惨さを忘れないために、このような本を読むことにしているけど、この本はかなりひねられた悲劇でした。繊細な文脈がなかなか頭に入って来ないので、辛かったです。

  • 浅田次郎はじめての中国ミステリーと帯には書いてあったけど、浅田作品わどれだってみんな一種のミステリーだと思うわな。まあ、本格ミステリーというわけではないけれど。
    読み始めて10行で涙がこぼれた前作『おもかげ』とは少々違って、淡々と浅田節で事件が語られていく。
    しかしまあ、最後の情景描写文は素晴らしいね「長城は星空に眠る龍のように鎮まっている。」

  • なかなかおもしろかった。時は昭和13年推理作家 小柳逸馬は従軍ペン部隊を志願すること多年(ママ)、皇軍占領した北京にてペンの初陣を飾る次第となった。(ママ)そこに検閲班長 河津中尉共々「密雲」の先の張飛嶺(万里の長城)守備隊に異変があったので、調査して報告するよう命令が下った。武漢作戦の開始直後の頃。守備隊を30名残して本隊3000名は転進、其の内10名が死亡したことがわかった。戦死ではない。さあ推理作家は何が真実か、解明できるのか、
     

  • 間伸び感があった。

  • こんな軽快な文章も書く作家だったのか

  • R4/7/3

  • 戦争の悔恨は根深く、首を垂れる。

  • 浅田次郎氏らしい作品。表に見えているものだけを信じては真実に辿り着けない。本人が口にしていることが本当のこととは限らない。人は平気で嘘をつく。自分のために人のために。辿り着いた真実は、人としてどうしても守らなければならないものだった。戦争という理不尽な世界で信義を通した物語。

  • 登場人物を整理できなかった。というか、こっちの集中力のなさという感じで、なんとか最後まで読んだ。

    浅田次郎すきだったのになあ、と感じるこの頃である。

    探偵作家が行かなくても、この事件は軍によって真相もわかったし、その後の処理もできたのでは?

    供述をたくさんとってたけど、最後は犯人がそのまま事件を起こしてる現場を書いてしまっていて、今までの供述は何だったのか、このお話を書いているのは(物語の中の視点主)だれなのか、揺れ揺れになっているような?

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著者プロフィール

1951年東京生まれ。1995年『地下鉄に乗って』で「吉川英治文学新人賞」、97年『鉄道員』で「直木賞」を受賞。2000年『壬生義士伝』で「柴田錬三郎賞」、06年『お腹召しませ』で「中央公論文芸賞」「司馬遼太郎賞」、08年『中原の虹』で「吉川英治文学賞」、10年『終わらざる夏』で「毎日出版文化賞」を受賞する。16年『帰郷』で「大佛次郎賞」、19年「菊池寛賞」を受賞。15年「紫綬褒章」を受章する。その他、「蒼穹の昴」シリーズと人気作を発表する。

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