最後の晩ごはん 忘れた夢とマカロニサラダ (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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レビュー : 29
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041048979

作品紹介・あらすじ

兵庫県芦屋市。
雨の夜、定食屋「ばんめし屋」を訪れた珍客は、青年の幽霊・塚本だった。
元俳優で店員の海里は、店長の夏神たちと事情を聞くことに。
なぜか今までのどの幽霊よりも意思疎通できるものの、
塚本は「この世に未練などない」と言い切る。
けれど成仏できなければ、悪霊になってしまいかねない。
困惑する海里たちだが、彼ら自身にも、
過去と向き合う瞬間が訪れて……。

優しい涙がとまらない、お料理青春小説第8弾!

感想・レビュー・書評

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  • 兵庫県芦屋市。雨の夜、定食屋「ばんめし屋」を訪れた珍客は、青年の幽霊・塚本だった。元俳優で店員の海里は、店長の夏神たちと事情を聞くことに。なぜか今までのどの幽霊よりも意思疎通できるものの、塚本は「この世に未練などない」と言い切る。けれど成仏できなければ、悪霊になってしまいかねない。困惑する海里たちだが、彼ら自身にも、過去と向き合う瞬間が訪れて…。優しい涙がとまらない、お料理青春小説第8弾!

  • 最後の晩ごはんシリーズ、第8弾。
    旧友に久しぶりに会うような気持ちで読めるキャラクターたち。
    幽霊のお客様は、自分では人生に何も心残りはない、何事にも執着しないで生きてきたから、失って惜しいものなどない、なぜ成仏できないのだろう…と悩む。

    自分の知らないところで動いていた家族の気持ち。
    自分と同じように、失った人を悼んでいた誰かの気持ち。
    心の奥深くしまわれていた、自分でも忘れていた思い。
    そんなものに気づいていく。

    過去に何も悔いを持たない人はいないと思う。
    けれど…
    起きてしまった事は変えられないけれど、過去を読み解いていけば、今の何かが変わるかもしれない。

    ――プロローグ
    海里の兄嫁、五十嵐奈津は獣医さん。
    ある日連れてこられた捨て猫に、自分の過去を重ねてしまう。

    一章 久しぶりのお客さん
    梅雨時の雨続きで、「ばんめし屋」は閑古鳥が鳴いている。
    そこへ、やけにはっきり見える青年が、戸をすり抜けて入ってきた。

    二章 心の旅
    小説家の淡海は、海里をモデルに小説を書いている。
    出来上がったところまで読んで感想を聞かせてほしい、と海里は淡海の自宅に招かれる。
    その内容にショックを受ける海里だが、更に作品の厚みを出すために聞かせてほしい事がある、という依頼に戸惑う。

    三章 心を包む
    意を決して実家を訪れた海里。
    子供のころからわだかまっていた気持ちを母に吐露する。
    一方、その留守、夏神の元には弁護士が訪れていた。

    四章 旅の仲間
    同じ生い立ちでも、生きる姿勢が正反対だった。
    生き方が悪かったから、こんな結果に…?
    自分の人生をそう振り返るのはつらい。

    五章 見えないけれどそこにあるもの
    たとえ消えるとしても、たとえ消えたとしても、生きてきたこと、生まれてきたことを肯定したい。

    ――エピローグ
    缶みかん入りのマカロニサラダ、チープで懐かしい昭和の味。
    私も給食で食べたかもしれない。
    うどんみたいに柔らかいスパゲティのサラダでした。

    ―――――――――――――
    みんながつらいときにも、ロイドの一言が癒しをくれます。
    人間の心の機微もわかるようになってきたのでは?
    眼鏡のくせに(笑)
    海里の成長も嬉しい!
    ランチデートか~、お母さん、羨ましいな。
    夏神さんも、本当に良かったです。

  • シリーズ8作目。前回の感想で、大の大人の男が簡単に泣いたり赤裸々に本心を吐露しまくるのはいかがなものか…と書いたし今でもそう思うけど、今回はもう泣いて良し!夏神さん、積年の艱難辛苦がようやく報われました。おめでとう。思わずもらい泣き…ぐすぐす。明朗で優しい海里と天真爛漫なロイドの存在が、夏神にとってどれだけ救いになっただろう。奈津さんも生まれの不幸を乗り越えて素敵な家族を持つに至ったし、世の中捨てたもんじゃないなぁと思わせてくれる物語でした。シリーズがまだまだ続きますように。

  • 気が付いたら発売してた!
    登場人物のイラストが載ってるですが、
    「奈津」さんってこんな感じだったんだ。

    人物に分けて感想を書くぉ!


    「五十嵐奈津」
    「奈津」さんって施設っ子だったんですよね。
    つか、
    今までそういう人に会ったことないけど、
    やっぱり差別にいじめって普通にあるもんですか施設っ子って。
    親はいればいいってもんじゃないけどね。
    つか、
    義理の母、つまり「海里」君や「一憲」君の母親に怒られたエピソードは泣けた!
    つか、
    「特権」ですね、確かに!
    こんな嫁姑ばっかりだったら世界は平和だ!


    「五十嵐海里」
    過去の話しを親に聞きに行く!
    当時の母親の気持ちやら、
    「海里」って名前の由来なんかもでてきて、
    ちょっと涙でそうでした。
    ただ、
    「一憲」ってのはどうなの?
    ちょっとこじつけすぎない?
    つか、
    同じく「一憲」のプロポーズの言葉気になるよね!


    「夏神留二」
    懺悔の気持ちでいいのかな?
    死んだ恋人の両親に手紙を出して出して出してたら、
    弁護士が来た!
    もう、
    手紙を送るなって!
    でも、
    手紙を出したお陰で「お墓」の場所を教えてもらえることになる。
    安直に、
    ご両親と仲直りなんかしておめでとう!
    と、
    いう展開だけは避けて欲しかっただけにありなエピソードでした。

    ノーミスな人生なんてあり得ませんが、
    ノーミスで生きていきたいですな。
    そして、
    ミスっちゃってもやり直しが効く世界であって欲しいと願うね。


    「男の幽霊・塚本健」
    最初ははっきり目に見えるくらいの新鮮な幽霊でした。
    死んであの世に逝かず、
    この世に居るってことは未練があるはずなんですが、
    なにもない。。。
    なにもない。。。
    なにもない。。。
    そういう幽霊っていてもいいんじゃないかな?
    と、
    思ってたけど、
    ひょんなことからみかん?マカロニ?クソ!
    って、
    いうレベルのどうでもいいエピソードで解決を図りやがったな!
    回収できなくなって適当にまとめやがったな!
    と、
    いう感じがしたんでここだけ微妙というか残念。

    最近の草食系男子とか、
    絶食系男子とか悟り世代って言われる人って死んだら幽霊にならなさそう。
    この世に未練とかありますか?
    と、
    聞きたい。


    次は、
    改めて「海里」x「一憲」ですかね?

  • ■ 1836.
    〈読破期間〉
    2018/6/3~2018/6/5

  • 最後の晩ごはん、8作目。表紙、新キャラかと思ったらロイド?見た目はじじい、中身は子供なロイドが可愛いので、もっとじじいの外見でいいのに!
    ここ数巻は舞台がばんめし屋を離れていたけど、今回はばんめし屋に幽霊がやってくるという初期のパターンに戻っていて、よかった。やはり夏神さんがいて海里とロイドがいるばんめし屋が好きです。
    今回は、海里の母の愛と、夏神さんの長年の想いが報われたところに泣かされた。すべてが思い通りというわけではなかったけど、香苗さんの両親も最大限の歩み寄りをしてくれたんだと思う。夏神さんよかったなぁ…としみじみ泣いた。

  • 子供が生まれてから、この類いに涙腺が弱くなっていますが…

    伏線弱い気もしつつ、でもふと思うことって実際こんなものですよね。

  • 雨の夜に訪れた幽霊は、死んで間もない事から
    存在がかなりくっきりとしていた。

    最初に出てきて、それからほとんどいるだけ。
    さくっと出てきたというのに、未練が分からず
    日常生活が進みます。
    小説家の先生が書いていた、モデルにした~が
    結構な量になってきた、というのと、それによって
    置いておかれた過去が分かってきます。

    結局、言わないと分からないだろうな、というのは
    誰しも当然、ですが、行動も起こさなければ
    さっぱり、という状態。
    今回は義姉と境遇が同じという幽霊によって
    今まで抱えてきた過去が語られていきます。
    偏見はどこにでもあるし、どうしようもないし
    けれど疑った目で見るのはどうだろう? だし。
    結局、導くのは、周囲にいる大人、です。

  • 本作では、2回泣かされそうになりました。

    最後のほうに書かれているように
    食べ物の記憶は、それを食べた当時の
    聴覚や資格や触覚、おおよそ五感のすべての
    記憶とつながり、時に呼び醒ましてくれるもの。

    亡父が作ってくれた油ギトギトの炒飯。
    亡母が「味噌だき」と呼んでいた
    豚肉と白菜の味噌味の鍋料理。

    この数年間に亡くした両親の思い出も
    食べ物から思い起こされる。

    今回のキーになるマカロニサラダ。
    うちも亡母が同じ作り方をしていた時期がある。

    保育所の給食調理の仕事に
    長年たずさわっていたからかもしれない。

    夏神が前に進めたこと、それが何よりも嬉しい。

  • 偏見なかったので仲良くしてたんだけど、マンガ貸したら返してもらえなかったことを思い出した。

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著者プロフィール

兵庫県出身。1996年「人買奇談」で講談社の第3回ホワイトハート大賞エンタテイメント小説部門の佳作を受賞しデビュー。その後発売された『人買奇談』に始まる「奇談」シリーズ(講談社X文庫ホワイトハート)が人気となりロングシリーズに。一方で、法医学教室の監察医としての経験も生かし、「鬼籍通覧」シリーズ(講談社文庫)など監察医もののミステリも発表。
著書に「ローウェル骨董店の事件簿」シリーズ(株式会社KADOKAWA)、「貴族探偵エドワード」シリーズ(角川ビーンズ文庫)など多数。人間味溢れる魅力的なキャラクター描写で読者の支持を集める。

「2018年 『亡羊の嘆 鬼籍通覧』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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