ビブリア古書堂セレクトブック ブラック・ジャック編 (角川文庫)

制作 : 三上 延 
  • KADOKAWA
4.13
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本棚登録 : 259
感想 : 19
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041049006

作品紹介・あらすじ

三上延の熱い解説付きの「ブラック・ジャック」厳選集。まさに、「ブラック・ジャック」のビブリオがここに誕生した。

感想・レビュー・書評

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  • 「ビブリア古書堂の事件手帖」の三上延さんがセレクトした、「ブラック•ジャック」のお話が13話収録されています。

    「ブラック•ジャック」とは?
    を解説するに足る13話になっていると思います。

    小学生の頃に、怖いけど、読まずにはいられなかったマンガが2作品ありまして、その1つがこの「ブラック•ジャック」です。
    手術シーンや障害、公害、奇病。現代では倫理的に表現が難しい分野をまだ人権意識の低い時代背景の影響もあって、包み隠さず、表現されています。

    小学生の頃、怖いけど、読みたい。そんな気持ちの鬩ぎ合いがありつつも、「読みたい」という好奇心が結局は大勝利し、図書館で読んでいました。

    小学生の頃は、物語の本質的な意味を理解する事ができていませんでしたが、大人になった今読むと、物語の一つ一つに「生」「死」「正義」「悪」等、考えさせられる事が多く。名作と呼ばれる所以を感じます。

    今回収録されているお話の中で特に印象に残ったのは、「ふたりの黒い医者」。
    患者の依頼によって安楽死させるドクター•キリコがブラック•シャックに語りかける場面。
    「生きものは死ぬ時には自然に死ぬもんだ。それを人間だけが無理に生きさせようとする。どっちが正しいのかねブラック•ジャック」

    医療が発達し、救われた命は何億、何十億とあると思います。私もその1人です。
    しかし、医療による恩恵を受けている人間のせいで、日々地球環境は破壊され、動物も絶滅に追いやられています。

    キリコの言葉が、突き刺さりました。

  • 手塚治虫・三上延=編『ビブリア古書堂セレクトブック ブラック・ジャック編』角川文庫。

    『ビブリア古書堂の事件手帖』の最終巻を読む前に…

    手塚治虫の『ブラック・ジャック』は全話リアルタイムで連載作を読んでおり、揚げ句に単行本も全て持っているのだが、久し振りに読んでも面白い。間違いないというか、文句の付けようのない作品なのだ。

    それにしても、見事なセレクトである。一つ一つの作品を何故セレクトしたのかが、丁寧に解説されており、いずれも納得出来るものだった。

    三上延の手塚治虫の『ブラック・ジャック』への思いを綴った巻頭エッセイに始まり、いずれも名作の13話を収録。

  • 『ビブリア…』5巻で取り上げられてた
    『ブラック・ジャック』から
    著者が好きな話をセレクト。

    とてもじゃないけど
    全243話分のコミックスなんて
    いまさら集めきれないので
    初心者ファンに嬉しい入門書の1冊となりました。

    なんてったって最初がピノコ登場の回ですから〜。
    読んだ覚えのある『その子を殺すな!』や
    『ふたりの黒い医者』の他に
    はじめて読んだ『不発弾』など13話が収録されていて
    最後の締めもやっぱりビノコとの物語。
    選者の愛だわ…。

  • 三上さんチョイスのBJ作品。ページのほとんどがBJの漫画で、全話読んだことがある話だった。漫画のあとにちょっとだけ解説があって、それがまた良かった。
    BJは不滅。

  • 「ブラック・ジャック」は十年ほど前に文庫で通読し、それ以来熱心に読み返したりはしていない。
    が、今回選集を読んでみて、どれもこれも既視感と新鮮さとがあって、やはりすごいなあ、と。
    短編だからこその凄み。

    三上延がブラック・ジャックとピノコとの関係を「不定形な」と表現しているのが、なるほど。

  • やはり手塚治虫は偉大、というのを再確認させてくれる。
    再確認をそっと手伝う三上さんの解説も本編を邪魔せず良い。

  • ビブリア古書堂シリーズ 本編は終わってしまったのですが
    番外編が出たので読んでみました。
    今回は丸々『ブラックジャック』!

    『ブラックジャック』は妹が20年位前(?)に出版されなおされたもの(?)を買ってたので、所々読んだ程度でした。

    セレクトされたものと、三上氏の解説と相まって、とてもよかったです。
    そして、妹の『ブラックジャック』を借りてみよう。


    また、ブクログで自分の本棚を検索して『栞子さんの本棚 ビブリア古書堂セレクトブック』の
    自分の感想で『フローテ公園の殺人』の続きが気になるけど
    地域の図書館にはないし、アマゾンでみるとマーケットプレイスの高額のしかないし。
    と書いていたのですが
    今、図書館のOPACで検索したらヒットしたので、予約入れました。
    自分の感想も年月経つと忘れているので、こういうときもブクログが役立ってますね。

  • 入院中病院の売店に並んでいて欲しくなり買ってしまった一冊。実家にはコミックス全巻あるけど手元に置いておきたかった。所収されたどの物語も覚えていて懐かしい。けど時代の変化で表現が変えられていることを知ってちょっと愕然。それでは手塚先生の真意が伝わらないんじゃないか。三上さんが解説で埋めてくれているけど。

  • 今の漫画と違い、時代背景というか、思想というかを取り込んだストーリー構成は、初めて刊行されてから時間が経った今だからこそ、逆に考えさせられるものがある。

    ブラック・ジャックの漫画を読むのはこれが初めてなのだが、随分とグロテスクなものを実にリアルに描写しており、当時「ホラー」というジャンルに区分されたのも頷ける。
    それに加え、人間の汚い部分(社会的地位云々の話とか、お金云々の話とか)を混ぜ込むことで、実に人間味溢れた漫画となっていて、到底子供向けの漫画ではないような気がする。

    しかし、一話読み終わった後味は決して悪くないのは、物語の最後でちょっと和やかになったり、考えされられる場面で終了したりと、シリアスな展開から巧妙な手口でもって気を逸らす、手塚治虫の手腕によるものであろうことは言うまでもない。

    と、ここまで完全にブラックジャックの感想としてしまったが、著者である三上延先生も、これを機に手塚ファンになることを推奨しているようだし、一冊読み終えた後この文章を書いている今、別の話が気になって仕方ない。

    ブラックジャック数話に触れただけで言うのはあまりにも説得力に乏しいかもしれないが、ブラックジャックの世界、しいては手塚治虫の世界を知る”入門書”として、いいのではないかと思う。

  • 文庫本ではあるが中身は漫画「ブラック・ジャック」
    の代表作とビブリア著者のコメント。
    栞子さんも五浦大輔も出てきません。

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著者プロフィール

1928年、大阪府豊中市生まれ。「治虫」というペンネームはオサムシという昆虫の名前からとったもの。本名・治。大阪大学附属医学専門部を卒業後、医学博士号を取得。46年、『マアチャンの日記帳』でデビュー。幅広い分野にわたる人気漫画を量産し、『ブラックジャック』『鉄腕アトム』『リボンの騎士』『火の鳥』『ジャングル大帝』など、国民的人気漫画を生み出してきた。

「2020年 『手塚治虫のマンガの教科書』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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