- Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041049136
作品紹介・あらすじ
太宰治、坂口安吾とともに無頼派として活躍し、大阪という土地の空気とそこで生きる人々の姿を巧みに描き出した短編の名手による表題作を始め「夫婦善哉」「俗臭」「世相」など代表的作品を集めた傑作選。
感想・レビュー・書評
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オチがしっかりした関西人好みの文学作品。
今もある大阪の土地から描くのは大阪にゆかりある作家、織田作之助。いや読んでよかった、面白かった。ただ一つ欠点があって、それは読みづらいこと!
頑張って読んでみましょう。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
最初に読んだ時はダメ男にイラついて「夫婦善哉」と「天衣無縫」だけで挫折したんだけど、青山光二さんの『青春の賭け』を読んでオダサクの人間性や彼の生きた時代の空気に触れたお陰もあってか、2回目は面白く読めた。
「女の橋」「船場の娘」「大阪の女」の3部作がドラマティックで面白い。身分違いの報われない恋とみじめな人生の果てに、世代を超えて続く夢。戦火の中で燃え盛る橋を渡って生き延びる女性のたくましさが作品の根底をなしているように感じられた。
「世相」でオダサクが「青春の逆説」として語っているのが無頼派の心理なのかもしれない。 -
高校1年生の時に読書感想文用の本として読んだが、人生経験が浅すぎてよく分からなかった。もう少し生きてから読み直したい。
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細やかに過去の大阪という地を連想させる文章が好きだ。その中をまるで見えるように生き生きを人物が動く。惚れたら最後、それがどんなに甲斐性なしであろうが、無情であろうが、男のために身を粉にするたくましい女たち。なぜ別れない、なぜ愛想をつかさない。そう思いながらも尽くす女の気持ちがわかる自分に苦笑する。貧乏の連鎖、どうにもならない家柄と血。それでも諦めなければ生きていける、食べていける。著者の描く女は強い。コロナ禍という今の時期も相まって彼女らのパワーが眩しい。途中連作になっていた雪子の話が一番好き。
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「夫婦善哉」の感想は,ちょっと読みにくいかな.次の「俗臭」は,どうもピンとけぇへんなー.「天衣無縫」で,あかんオダサクはあわへん.だったのだけれども,「放浪」あたりから,結構読めるやんになり,「女の橋」,「船場の娘」,「大阪の女」の感想は,おもろいやんか.
(前の3作は,あらすじだけの様な作風に慣れず,面白みを受け止められなかったのかも. 少し時間をおいてもう一度読み直してみるか.)
残りの2編,「世相」は私小説風で,「アド・バルーン」も前の7編に比べ現代風な印象.
学生のとき読まなかった織田作之助をいまさら手に取る気になったのは,某アニメの影響.KADOKAWA商法恐るべし. -
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