俳句の図書室 (角川文庫)

  • KADOKAWA
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本棚登録 : 196
感想 : 20
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041049341

作品紹介・あらすじ

気鋭の俳人が、数ある名句の中から読むべき句をセレクト。俳句の読み方を知る入門書。十七音の組み立て、季語の取り入れ方、情景の写し方。読めば句作が楽しくなる。巻末に又吉直樹との語り下ろし対談収録。

感想・レビュー・書評

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  • 俳句の鑑賞のしかたをわかりやすく解説してくれる本。
    堅苦しく考えず素直に感じていいんだと思うことができました。また、より深く俳句の技法・感じ方を知ることで豊かな気持ちになれます。

    [NDC] 911
    [情報入手先] 蔵書
    [テーマ] 令和6年度第2回備前地区司書部会/イケてる短歌・俳句本 (備前R6-2)

  • 2022.12.10

  • 歴史的名句から近年の秀句までを例に挙げ、様々な季語、表現技法や俳句基礎知識の解説と共に分かりやすく読み解いている。芥川賞を獲った又吉直樹との巻末対談も魅力的で、表紙もキャッチーなので、夏の角川文庫のフェアー本として広く読まれて欲しいと思える。これはまだ俳句に出会っていない人、興味が少しでもある人にとっては気軽に読めて、自然と暗唱したくなり、俳句の入り口に知らぬ間に立っている、そんな一冊だ。

  • 例句を挙げ背景から丁寧に解説下さるので私のような俳句初学者に親しみやすい本だと思います。勉強になりました。

  • クリスマス「君と結婚していたら」堀井春一郎
    おい癌め酌みかはさうぜ秋の酒 江國滋
    秋鯖や上司罵るために酔う 草間時彦
    俳句のあとに筆者の解説が入る。表紙も今の子に受け入れられる絵柄だし、俳句も解説も良かった。
    小学校高学年なら読めそうなので是非入れたいと思う。

  • ・しんしんと寒さがたのし歩みゆく
    ・クリスマス「君と結婚していたら」
    ・ふだん着でふだんの心桃の花
    ・せつせつと眼まで濡らして髪洗ふ
    ・見られれば歌うのやめる寒の明け
    ・秋風や模様のちがふ皿
    ・雲雀 落ち天に金粉残り
    ・さやけくて妻とも知らずすれちがふ

    印象的な句がたくさん紹介されていた。俳句の鑑賞は超初心者なので、楽しんだり頭を悩ましたり、よくわからなかったり……思ったよりも時間が掛かってしまったが、鑑賞しながら技法や季語を少しずつ覚えていくことができた。俳句は宇宙も微細なものも17文字で表現できるの、本当にすごい。ちょっと感動しちゃってる。

  • 俳句についてあまり知らなかったが読んでみて俳句の世界はとても広いんだなと思った。思ってもいなかったと目線からの俳句であったりひらがなと漢字というだけでも全然違う俳句になったりしてとても楽しく読めた。

  • 俳句については、国語の授業で学んだ程度の知識しかなかったけど(から?)楽しい本でした。
    切字とか比喩とか、おなじみの技法は、うまく使わないとかえってありきたりで陳腐になってしまうといった視点は、新鮮でした。

    かの虚子の碧梧桐への追悼句

    たとふれば独楽のはじける如くなる

    が、とりわけ印象的でした。

  • 春の鳶寄りわかれては高みつつ(龍太)
    筍や雨粒ひとつふたつ百(湘子)
    クリスマス「君と結婚していたら」(堀井春一郎)

  • 著者が選んだ俳句を、まずは味わって、想像してみてください、そのあとに、鑑賞を読んでみてください、という一冊。著者の師匠鎌田東二が「俳句は宇宙を詠めるんだ」と言ったことに導かれて俳句の世界にひきこまれた、というエピソードが印象に。個人的に気になったのは以下の句。/雲雀落ち天に金粉残りけり 平井照敏/ずぶぬれて犬ころ 住宅顕信/葉ざくらの中の無数の空さわぐ 篠原梵/鞦韆は漕ぐべし愛は奪ふべし 三橋鷹女/羅(うすもの)や人悲します恋をして 鈴木真砂女/知らぬ間にすこし眠りぬ夜の秋 久保田万太郎/虫の声月よりこぼれ地に満ちぬ 富安風生/黒板にDo Your Best ぼたん雪 神谷紗希/巻末の対談での、又吉直樹の”句のなかの季語を探して歳時記を引くのをおすすめします。その句の世界がぐんと広がります。”という言葉を味わいつつ。

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著者プロフィール

俳人。俳句結社「蒼海」主宰。二松学舎大学非常勤講師。2016年度、2019年度「NHK俳句」選者。著書に句集『熊野曼陀羅』(文學の森)、又吉直樹との共著『芸人と俳人』(集英社文庫)、『俳句の図書室』(角川文庫)、穂村弘との共著『短歌と俳句の五十番勝負』(新潮社)、『NHK俳句 ひぐらし先生、俳句おしえてください。』(NHK出版)、『桜木杏、俳句はじめてみました』(幻冬舎文庫)、『散歩が楽しくなる 俳句手帳』(東京書籍)など多数。
自選一句「耳は葉に葉は耳になり青葉闇」

「2021年 『東京マッハ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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